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  | HOME | >第183回国会活動報告>>原子力発電所のトップセールスに反対





2013年5月30日
衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会
安倍総理のトップセールスによる原子力発電技術の諸外国への売り込みに関する質問主意書(PDF)

上記質問主意書に対する答弁(PDF)


2013年5月30日衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会


○青木愛

 あと、後半の時間なんですけれども、エネルギー政策も恐らくこの成長戦略の柱になろうかと思いますので、ちょっと原発に絡んで質問をさせていただきます。
 私も初めて質問主意書をせんだって出させていただきまして、御回答いただきました。これは、安倍総理の原発のトルコへのトップセールスについての質問主意書でございました。
 私は、原発の輸出だけは今の現状の中で思いとどまるべきだというふうに考えておりまして、いまだ被災者への手当てのめどもなかなかまだついていない状況で、また、廃炉に向けた技術もそうですし、使用済み核燃料の廃棄物の処理についても技術が確立されていない、一旦事故が起きるともう手がつけられないということが国民の間にも明らかになりました。安倍総理も、安全ではないとおっしゃっているんですね。
 そのような中で、日本が我先にと原発を売り込もうとする行為は、事故の被害者のみならず、諸外国からの信頼を損なう、本当に取り返しのつかない状況をもたらすのではないかということを大変心配いたしております。閣議でかけていただいて御回答いただいているので、山本大臣の、このトップセールスに対する御所見をいただければと思います。


○山本国務大臣

 日本の原子力発電の海外輸出はちょっと私の所掌を超えたところなので、それを申し上げた上で、閣議決定をしたということで閣僚の一人として申し上げれば、政府としては、福島第一原子力発電所事故の経験と教訓を世界と共有をする、このことによって世界の原子力安全の向上に貢献していくことが我が国の責務であると考えておりまして、原子力発電所の輸出については、相手国の事情や意向を踏まえつつ、世界最高水準の安全性を有する技術の提供を今後とも進めていく、このように理解をしております。



○青木愛

 より安全の向上を図るということなんですが、絶対的な安全はないということも明らかになったかと思うんです。そして、今、新興国や中東諸国の人口がふえたり、経済成長に伴う電力需要で、特にアジアでは今後二十年間に約百基ふえる見通しだ、韓国、ロシア、フランスなども官民を挙げた受注競争が激しくなっているという報道もございました。一方でまた、福島の原発を狙ったテロ計画もあったのではないかという報道も今ございます。
 こういういろいろな面から危険なこの原発が今後アジアの地域でふえていく、こういう状況を見たときに、日本こそが、事故直後いろいろな国から温かい御支援をいただいた、この日本が今後果たすべき役割はやはり、原子力エネルギーを超えた、安全で、そして安定的なエネルギー政策で国際貢献をするということなのではないかなと。それに伴う経済活動であれば、国民世論も頑張れという形で本当に心からの後押しをするのではないかなというふうに思うんですけれども、今の現時点ではなかなかそういうお話は伺えないんですけれども、今こそ日本が、原発にかわるエネルギー政策を世界に向けて、その方針を宣言するべきだというふうに考えております。
 例えば、領土問題も担当されていらっしゃいますので伺いますけれども、今福島の帰還困難地域、三百一平方キロメートルです。竹島が〇・二一平方キロメートル、尖閣諸島が六・三平方キロメートルであります。これを比較するのが適当かどうかわかりませんけれども、今回の原発事故で、この三百一平方キロメートルという帰還困難地域、言ってみれば、実際これだけの国土を原発事故で失っているということと同じだというふうに思うんですよね。
 こういうことも踏まえて、原発のエネルギー政策について、今何か思うところはございませんでしょうか。


○山本国務大臣

 青木委員の政治家としての信念は今伺いましたけれども、私の今の立場としてお答えできるのはさっきの答弁になってしまうので、繰り返すことはいたしませんが、そこは大変申しわけないと思うんですけれども、もう一度申し上げますけれども、政府としては、この原発事故の経験、教訓を世界と共有する、それによって原子力の安全に貢献することが責務であって、これについては、相手国の事情や意向を踏まえつつ進めていくということを理解しているということで、お答えさせていただきたいと思います。



○青木愛

 ありがとうございます。
 また機会があったらぜひ質問させていただきたいと思いますが、地球の進化の歴史を今勉強させてもらっていますけれども、放射線を排除して、人類のみならず生物がこの世に生まれておりますので、わざわざ四十数億かけてでき上がったこの環境を、今、人類みずから放射線を発生させて壊していいものなのかという指摘もさせていただきまして、また次の機会に改めさせていただきます。
 どうもありがとうございました。