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2013年6月20日
参議院文教科学委員会(議案提案者としての答弁)
いじめ防止対策推進法案(衆議院ホームページ)

いじめ防止対策推進法交付について(通知)文部科学省


2013年6月20日参議院文教科学委員会(議案提案者としての答弁)

○谷亮子委員

 生活の党、谷亮子です。
 生活は十分時間をいただいておりますので、早速伺ってまいりたいと思います。生活の党は、四月十一日、生活の党、民主党、社民党の三党で、いじめ対策推進基本法案を議員立法で参議院に提出をいたしました。私も発議者の一人となりましたけれども、急務とされるいじめ問題を構造的にも解決をし、そして国が責任を持って児童等の命と尊厳を守るとするものでございます。その後、五月十六日に自民党、公明党による議員立法で、いじめ防止等のための対策の推進に関する法律案を衆議院に提出をされました。
 今回の法案の一本化に向けまして八回に及ぶ与野党協議が行われまして、いじめの防止や対策について定める修正案、いじめ防止対策推進法案が、六月十八日、自民党、民主党、日本維新の会、公明党、みんなの党、生活の党の六党共同で衆議院に提出をされ、昨日、六月十九日に衆議院文部科学委員会で質疑、採決が行われまして参議院の方に送付されてまいりました。
今回のいじめ防止対策推進法案は、与党案そして三党案が修正案としてそれぞれの法案の良い部分が一本化をされた法案でございまして、いじめ防止を推進していくに当たり今まさに必要とされている大変重要な法案であると思います。また、与党案そして三党案においては、その内容と項目が一致している点も多くございました。
 そこで、修正案では、第二章いじめ防止基本方針等の第十一条、第十二条、第十三条におきまして、文部科学大臣、地方公共団体、学校がいじめを防止するための基本方針を定めるものとしております。基本方針を定めることによりましていじめ防止にどのような期待をされているのか、そしてまた、そのことによってどのような効果があるのか、発議者にお伺いいたしたいと思います。


○青木愛

 谷委員の御質問にお答えをさせていただきます。
 これまでの経過を詳細にお述べいただきまして、ありがとうございます。
まず、本来、学校現場は、児童生徒にとって安心して学習できることはもちろんのこと、全ての子供にとって興味、関心を抱く対象がある、また意欲をかき立てることができる、そういう魅力的な教育現場にするということがまず一番大事なことではないかと。むしろ、谷先生になぜ柔道を選び突き進んでこられたのかをむしろ教えていただきたいくらいで、教育現場に対するヒントもたくさんおありなのではないかなと、また折を見てその点は伺ってみたいと思いますけれども、まずはいじめが起こらない、そうした魅力ある学校現場をつくるというのがまず最初の一番の責務だと考えております。
 更に言えば、子供は大人を映す鏡であって、このいじめの実態ももしかすると今の社会を反映をしているかもしれないとも考えるところであります。まずは明るく希望の持てるそうした社会になることが陰湿ないじめをなくすということにもつながるものではないかと考えておりまして、そういう意味では、政治家の責任も大きなものがあるのではないかと考えているところでございます。それを大前提としながらも、この度の大津のいじめ問題が余りにも深刻であり、二度とこのようなことを起こさないよう早急の対応策が必要との考えの下、この度の法案作成に至ったものと理解をしておりまして、実務者の先生方にも大変感謝をしているところでございます。
 そして、谷先生御質問の、今回の法案でより明確にまた具体的に基本方針や計画の策定をすることによって、いじめの防止やいじめの早期発見、またいじめの対処に関する施策や措置が総合的かつ効果的な解決に向けた防止対策として期待できるものと考えております。
 これまで当事者間の一部の隠れた閉鎖的な陰湿ないじめの実態、また隠蔽されがちであったいじめの実態が、法整備をすることによって、児童生徒、また保護者、学校関係者、教員、行政、警察、またマスコミも含めて社会全体がまずいじめに対して関心を持つということが大変重要なことで、そのことがいじめを抑制する効果を持つものと考え、まずは大きな一歩、前進する道が開けたのではないかと考えるところでございます。


○谷亮子委員

 実効性ある御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。
 次に伺ってまいりたいと思いますけれども、いじめの相談体制の整備について伺ってまいりたいと思います。
修正案では、第三章基本的施策の第十六条におきまして、学校の設置者、学校は、いじめを早期に発見するため、児童等に対し定期的な調査を実施すること、学校の設置者、学校は、児童等、保護者並びに学校の教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制を整備するとされております。相談体制の整備が行われることによりましてどのような期待をされるのか、その上でどのような効果があるとお考えでいらっしゃいますか。重ねて伺いたいと思います。



○青木愛

 いじめに係る相談体制の整備につきましては、本法案第十六条第三項におきまして、学校の設置者と学校に対し、児童等、保護者、教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制の整備を求めることとしております。また、第十六条第二項におきましては、国と地方公共団体に対し、いじめに関する通報や相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるよう求めております。
 相談体制を整備し、いじめに係る相談を行いやすくすることにより、いじめの早期発見につながることが期待されるとともに、発見されたいじめについて適切に対応することによりまして、いじめに起因した深刻な事態が引き起こされることを防ぐことにつながると考えているところでございます。


○谷亮子委員

 ありがとうございます。
 私もやはり、この第三章十六条におきましては、ここで、学校の設置者、学校は、いじめを早期に発見するために児童等に対し定期的な調査を実施することということでございまして、この法案での児童等というのは学校に在籍する児童又は生徒をいうということでございますが、まさに、度々これまでも報道や新聞等を通じまして、児童と児童間だけの問題ではなくて、やはり教職員が児童に対していじめや体罰等を行っていたといったようなことが度々報道されてまいりましたので、ですから、そういったことをしっかりとなくしていくためにも、私は、この学校の設置者、学校は、いじめを早期に発見するために児童等に対し定期的な調査を実施することということでございますので、ここに是非しっかりと教職員も含むといったことでその体制、組織体制というものを構築していく必要があるのではないかと。児童間だけではない問題、学校全体で抱える問題だと思いますので、しっかりここで教職員も含むというような形で実施していっていただきたいということを、私見でございますけれども、申し上げさせていただきたいと思います。
 そして次に、時間ももうなくなってきているんですが、いじめが犯罪に当たる場合の警察への通報の義務付けにつきましてお伺いいたしたいと思います。修正案では第四章いじめ防止等に関する措置の第二十三条第六項に明記されておりますけれども、いじめが犯罪行為として取り扱われる案件につきまして、学校、先生が警察署に援助を求めることができる体制ができることによって行き過ぎたいじめを抑止することにつながると思いますけれども、学校と警察署が連携することでどのような効果が期待されますでしょうか、発議者にお伺いいたしたいと思います。



○青木愛

 これまでは、学校が教育機関であるということに重きを置く余り、警察への連絡が遅れる、また警察も立ち入ることを控えるなどといったケースもあったのではないかと考えられます。
 今回、文科省の通知とまた考え方を合わせまして、第二十三条第六項に学校と警察の連携について規定を設けることといたしております。こういう事態になる前に未然に防ぐことが何よりも大切でありますが、いじめは場合によっては犯罪にもなり得るというまず自覚を持つこと、そしてまた警察も、権力を行使するという意味よりも、むしろ社会の一員として地域を歩きながら住民との交流を深めるように、学校ともなじみながら交流を持つということもまた未然に防ぐ一つの効力にもなり得るかと思います。
 いずれにいたしましても、谷委員御指摘のように、様々なこうした連携関係が構築をされるということで、行き過ぎたいじめを抑制する一定の効果が得られるものと期待をいたしております。


○丸山和也委員長

時間ですので。


○谷亮子委員

 ありがとうございます。
 最後といたします。下村文部科学大臣も、このいじめの問題に対しましては、やはり被害者、そして加害者、また傍観者が、それぞれにしっかりとした全国的ないじめに対する意識を共有をして、しっかりとした体制、また教育を実践をしていくということが大事だということをおっしゃっていらっしゃいますので、その基本方針に基づいた実効性ある法律として機能していただくことを望みまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。