| HOME | >活動記録>>発言録2013年1月24日 衆議院文部科学委員会 ○青木委員 生活の党の青木愛です。
今国会から文部科学委員会の方に所属をさせていただきました。早速に質問時間をいただきまして、御配慮に感謝を申し上げます。質問が重なりますが、よろしくお願いいたします。 まず冒頭、下村大臣にお伺いをいたしますが、桜宮高校の体罰問題の本質といいますか背景といいますか、どうしてこうした問題が起きてしまったのか、お伺いをさせていただきます。 ○下村国務大臣 教員等は、児童生徒への指導に当たり、いかなる場合にも体罰を行ってはならないものであります。ましてや体罰により子供が命を落とすようなことは、子供の命を預かる学校としてあってはならないことです。また、教員等は、部活動の指導に当たり、いわゆる勝利至上主義に偏り、体罰を厳しい指導として正当化することは誤りであるという認識を持つことが必要であり、このことをこれから徹底してまいりたいと思います。 本事案については、大阪市教育委員会において、市長部局とともに、外部監察チームの協力を得ながら調査を進められるものと承知しておりますが、文部科学省としても、平成二十三年度、公益通報があった際の調査のあり方も含め、事実関係を徹底的に調査し報告するよう指導しているところでございます。引き続き、調査が適切に進められ、再発防止策が講じられるように、教育委員会を指導してまいりたいと考えております。 ○青木委員 ありがとうございます。 勝利至上主義と学校の限られた環境の中で、教員も、生徒も、そして保護者も、勝利に向かってということで、勝利至上主義という一つの問題と、そして隠蔽体質、また学校教育の部活動の位置づけ等々、さまざまな視点が複雑に絡んでいたのではないかなというふうに思っております。 義家政務官にお尋ねをいたします。 この問題の報道があってから大阪市教育委員会を訪問されたというふうに伺っておりますが、まず、関係者から聞き取りをされて、今回の件をどのように捉えておられるか、改めてお伺いをさせていただきます。 ○義家大臣政務官 お答えさせていただきます。 実を申しますと、本案件が起こったのは昨年の十二月二十三日、そして、報道発表が行われたのが一月の八日でございます、八日の十時。文部科学省にその時点でこの事態への報告があったかといえば、全くございませんでした。 まず、この時点で、文部科学省から大阪市の教育委員会の方に、事実はどうなって、どういう案件として、今どういう実態になっているのかという照会を行い、部分的な情報をいただいたのが十時五十分の段階であります。 それからも再三のように文部科学省より大阪市教委の方に問い合わせを行ってきましたが、情報が後手後手で全く上がってこないというような状況の中で、一月十五日、大阪市教育委員会を訪問いたしまして、教育委員長を初めとする教育委員及び学校長等から意見の聞き取りを行いました。 具体的にお話ししますと、顧問教諭の暴力の内容、今後の調査の進め方、バレー部顧問の停職処分後の顧問復帰への経緯について、また、大阪府警との連携がどうなっているのか、教育委員長、教育委員へこの案件についてどのような報告が行われていたのか等々の聞き取りを行った次第であります。 本事案については、外部監察チームの協力を得ながら調査中であると承知しておりますが、昨年度、体罰にかかわる情報が公益通報制度によって行われているにもかかわらず、しっかりとした対応がなされなかった等々の調査のあり方も含め、学校における体罰への対応に大きな課題があると考えておりまして、責任を持って徹底した事実解明を行い、そして文部科学省への報告もしっかりとしていただくように指導させていただきました。 先ほどから繰り返しになりますが、体罰は学校教育法上で禁止されている行為でありまして、かつ、社会一般においても許されない行為であります。また、教員等は、部活動の指導に当たり、いわゆる勝利至上主義に陥り体罰を厳しい指導として正当化することは誤りであるという認識を持たねばなりません。このことを改めて徹底していくことが必要であると考えております。 ○青木委員 ありがとうございます。 非公開で、一時間にわたって教育長また佐藤校長さんと会談をされたということなんですけれども、一時間というのは長いようで短いんですけれども、その一時間の中で、今義家政務官がおっしゃったようないろいろなやりとりがあったんだろうと思います。 先ほどの質疑の中でも肌感覚という話もございましたけれども、実際、面と向かって教育長や校長とお話をされる中で、義家政務官でありますから、何かこういういろいろな熱い思いが沸き上がったのではないかなというふうに思っているんですけれども、その辺の感覚について、生のお声をぜひ聞かせていただきたいと思います。 ○義家大臣政務官 お答えさせていただきます。 まず、私が向き合った中で一番印象に残ったのは、全校生へのアンケートはどうするのか、今後の方針はどうするのか等々を聞いたときに、必ず枕言葉で、外部監察チームと相談しというような文言が入ったわけであります。これは大津の事件にも共通することですが、大津も外部調査チームが設定されて、教育委員会は外部調査チームの判断を待つという状態で、いまだに夏から結論を出していないわけですね。 つまり、まず、あなたたちが、教育委員会がしっかりと今ある事実、生徒の名前を知っているのも教育委員会なわけですから、そのために主体的に動かなければならないんだ、人におんぶにだっこではなくて、まず、みずからがどういう方針を出していくのか、それを外部チームに提案することだって考えていかなければならないのではないですかというお話をさせていただきました。 そして、もう一つ感じたのが、これは行政の特徴でもあるわけですけれども、非常に一つ一つがオブラートに包まれたようなお話でありました。 一方で、その聞き取りの後、遺族宅を訪問させていただきました。その場所で聞かれた一つ一つの具体的な内容に、私自身も涙を禁じ得ませんでした。つまり、生徒の側の、あるいは遺族の側の受けとめている問題意識よりも、教育委員会は、いかにしてこの問題を処理するのかというか、いかにして判断するのかということを最優先しているのではないか、そんな肌感覚を持った次第であります。 いずれにしましても、この悲劇、これは二度と繰り返してはならないことでもありますし、まずは失われた命に誠実に向き合わなければならない責任が教育行政にはあるのではないかと思っております。 ○青木委員 ありがとうございます。 その外部監察チームというのがどういう組織なのかちょっと私もわかりませんけれども、いずれ、教育委員会のその責任の所在がはっきりしていない、その処理という言葉にも象徴されるように、そういった肌感覚を政務官としてお受けになったんだというふうに思います。 先ほど、懲戒と体罰は区別するべきだという話がございまして、そして、政務官がおっしゃっている、恒常的な暴力と受け取ったということなんですけれども、それもまた別であり、教育委員会と警察の取り扱いも、というか、警察の取り扱うほどの暴力的な行為と受けたということでよろしいんでしょうか。 ○義家大臣政務官 お答えさせていただきます。 昨日、遺族の方から被害届が出て警察が受理する、そういう案件であろうと認識しております。 ○青木委員 今後、また現地に訪れる予定はございますでしょうか。 ○義家大臣政務官 まず、一義的に文部科学大臣の指示を仰ぎたいと思っております。 ○青木委員 ぜひ、義家先生には、この問題が解決するまで全力でお取り組みをお願いしたいと思います。 福井副大臣にお尋ねをさせていただきますが、このたび、義家先生が一月十五日に行っておりますけれども、その同じ日に、高体連またJOCが加盟各競技団体に対して通達を行っていると聞いておりますが、このことについては承知をされていますでしょうか。 ○福井副大臣 今、先生御指摘の日本オリンピック委員会、平成二十五年一月十五日付で、「指導者として相応しい行動の指導徹底について」と題しました通知を加盟団体の会長及び理事長に対して発出しております。同時に、全国高等学校体育連盟が、「運動部活動における体罰根絶に向けて」と題しまして、この通知を各都道府県高等学校体育連盟会長及び各協議専門部長に対して発出いたしました。 以上のことは文部科学省としても承知をいたしております。 ○青木委員 これは、文科省からの何らかの働きかけがあったということでしょうか。 ○福井副大臣 先ほど申し上げました文書、発出された通知は、それぞれの団体において主体的に発出されたものでございまして、文部科学省から働きかけは一切行っておりませんことを付言させていただきます。 ○青木委員 ありがとうございます。 今回の件を受けて、先ほどからさまざまな御議論がありますけれども、なかなか報告が上がらなかったという報告のおくれや、義家政務官の聞き取りも後手に回ったという印象があるわけですけれども、橋下市長のこのたびの対応について賛否はあるにしても、行政の長が、所管する地域の学校に通う児童生徒の健やかな成長を願って責任ある立場として教育行政に意見を言う、場合によっては直接かかわる必要性も時にはあるだろうというふうにも思うんです。 きょう、教育再生実行会議が開かれていると大臣が先ほどおっしゃっておりまして、いじめと体罰の問題について議論があったということですので、ちょっとその辺も踏まえて、今後の政治と教育行政のかかわり方、距離感、これをどのようにお考えか、下村大臣の御所見を伺わせていただければありがたく存じます。 ○下村国務大臣 きょう午前中、官邸におきまして、教育再生実行会議が開催をされました。テーマとしては、いじめ、体罰問題について、それぞれ有識者の方々から見解を出していただきました。これについては、ぜひ、各党それぞれこのいじめ問題については対応するということを選挙公約等にも書いておられるところでもございますし、これは、党派を超えて、できましたら議員立法でこの通常国会で成立をしていただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。 それに資する材料として教育再生会議でも一定の提案をしていただきたいということで、あと一回の中で、いじめ、体罰については提案をしていただいて、それを今後、国会議論の中でさらに展開をしていただきながら議員立法に向けて集約をしていただければ大変ありがたいと思います。 そして、その次のテーマが教育委員会の抜本的な見直しでございますが、今の御指摘のように、首長とそれから教育委員会とのかかわりの問題というのがございます。 先ほども議論がありましたが、大阪市の教育委員会も、今までも事前通報されていたのにもかかわらず、この体罰の問題について結果的に対応できていなかったというようなことも含めて、形骸化しているところがやはりあるのではないかというふうに思います。 一方で、だからといって、そうと言える一方で、首長が今の法体系を逸脱して対応をすることについて、これは認められるものではありません。やはり法治国家ですから、法のルールのもとで教育行政も展開をしていただきたいというふうに思います。 しかし、今回の大阪の問題を含めて、教育委員会のあり方も課題として見えていることは事実でありますから、今後、教育委員会の抜本的なあり方の中で首長とそれから教育委員会のかかわりのあり方、これについても大きなテーマとして議論をしていただきたいというふうに思っております。 ○青木委員 ありがとうございます。 そのためにも、重要な資料になるんだというふうに思いますけれども、これから、昨日ですか、調査を発出されたということでありますが、その調査内容をどのような方法で、そしていつごろその報告を求めているのか、お伺いをさせていただきます。 ○下村国務大臣 昨日発出した通知においては、都道府県教育委員会等に対して、体罰の実態等を把握し、体罰の発生件数等について報告するよう、具体的な報告様式を提示して求めております。 具体的には、実態把握を行うに当たっては、教職員のみならず児童生徒や保護者への調査もあわせて行ったり、必要に応じて、個人情報の取り扱いに配慮しつつ外部の第三者に参画していただくなど、正確に実態を把握するための手法を工夫すること。 そして、報告期日については、平成二十五年二月末までに、平成二十四年四月から平成二十五年一月までの体罰の状況を取り急ぎ報告していただく第一次報告をしていただきます。そして、第二次報告として、今回の通知を踏まえて新たに実施した調査の結果により把握したものについて、平成二十五年四月末までに報告していただくことをお願いしております。 報告項目については、体罰の件数や懲戒処分等の状況、体罰が行われた場や体罰の様態、被害の状況等について報告様式に基づき報告すること等を求めているところでございます。 ○青木委員 先ほども議論がございましたけれども、ぜひ、この調査の中身がしっかりとしたもので次の改善につながるものとなりますことを私も望んでおります。 この調査結果は、当委員会に報告する予定がございますでしょうか。 ○下村国務大臣 調査の結果については、まとまり次第公表したいと考えております。 当委員会への報告については、委員会から要請があれば対応させていただきます。 ○青木委員 ぜひ当委員会に御報告をお願いしたいと思いますが、松野委員長にお取り計らいをお願い申し上げたいと存じます。 ○松野委員長 理事会で協議をいたします。 ○青木委員 今回の一つの要因で、隠蔽体質が問題となされておりますけれども、やはり、限られたスペース、限られた関係者でその勝利至上主義の特殊な環境がつくられたというふうに思っております。具体的に、監督、コーチの補佐役、あるいは監督、コーチの外部招聘も含んで、ちょっと外の人を中に入れていくという方法もあるのではないかなというふうに思っています。 いじめやまた体罰、子供もその成長の途上にありますので、学校はいろいろなことがありますから、そういう場所でありますので、学校も、全てをさらけ出すとまでは言いませんけれども、その外を、地域を、周りを巻き込んだ形で今後やっていったらいいのではないかなというふうに思っております。 いずれ、二度とこのようなことが起こらないように、文部科学省を挙げて、この調査結果を受けて、それからが大事だというふうに思いますので、ぜひ果敢な取り組みをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 |