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  | HOME | >活動記録>>発言録2014年4月22日 衆議院消費者問題に関する特別委員会


景品表示法改正案に関わる質疑
    

○青木愛

 生活の党の青木愛でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。前回の質疑に続きまして、まず、景品表示法の改正関係についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 法案の柱の一つでありますが、他省庁等への権限の委任についてお伺いします。
 他省庁等への権限の委任については、消費者の利益擁護の観点から、不当表示撲滅に向けた実効性のある運用でなければ意味をなさない、前回の法案審議から強く訴えてまいりました。
 現在併任されています食品表示Gメンについて、森大臣がおっしゃる恒久的の意味するところ、すなわち、現在の併任から本法施行後の委任まで、切れ目なく食品表示Gメンに調査業務を続けさせられるのか、さらには、特に高齢者で被害が増大をしている金融商品関係に関して、金融庁の関係職員への恒久的な調査権限の委任についてお尋ねをいたしました。また、食品表示関係では、食品衛生法に基づく都道府県の食品衛生監視員についても委任の予定をお尋ねいたしました。
 しかし、森大臣以外は、いずれの答弁も、今後検討します、よく相談をしていきたいと思います、予定はありませんなど、景品表示法改正の重要な柱であるにもかかわらず、委任を受ける省庁側の答弁が大変心もとないものばかりで、この法案の成立をぜひとも応援していきたいと私どもも考えているところではございますが、その一方で、成立後に本当に有効に活用されるのか、甚だ心配でなりません。
 その理由は、まさに、先般集中して質問をいたしましたとおり、この規定は、各事業所管大臣に委任することができるという規定、すなわち、委任ですから、消費者庁長官は委任できるだけで、実際は、どのような体制で、どのような範囲を、どのように調査等を行うのか、あるいは行わないのか、当該所管大臣の指揮命令のもとで行われることになるというものだからでございます。
 したがって、どれだけ事前に協議を交え、決め事をつくっておき、問題が拡大する前に、円滑に他省庁による調査等業務が行えるかがポイントになるというふうに考えます。
 さらに、この規定に例示されています緊急かつ重点的に対処する必要があるとき、すなわち、一時的重大性のある事案が発覚したときだけの運用になっては、数年置きに繰り返されます食品偽装表示の問題がまた繰り返されることは明白だということであります。
 だからこそ、その他政令で定める事情の中身に踏み込んで、繰り返し質問をいたしてまいりました。
 そこで、改めてお尋ねをいたします。同規定に基づきまして、農林水産省は、現在消費者庁と併任の食品表示Gメン等を、本法施行後、併任から、切れ目なく恒久的に業務遂行できるよう、消費者庁からの委任を受けるということでよろしいでしょうか。政府参考人に、再度、確認の意味でお伺いをさせていただきます。


○福島政府参考人

 青木委員にお答えします。食品表示Gメン等の消費者庁職員の併任につきましては、昨年秋に表面化した外食等におきます不適正表示事案を受けまして、現行の法制度下で早急に実施可能な臨時的措置として行ったものでございます。
 今回の景品表示法改正案におきましては、御指摘のように、第十二条第三項におきまして、事業者に対して、命令、勧告を効果的に行う上で必要があると認めるときに、消費者庁長官の調査権限を事業所管大臣である各大臣に委任するということになっているわけでございます。
 外食等におきます表示の適正化、これは非常に重要な問題でございます。この改正法のもとで、消費者庁長官から農林水産大臣に対しまして調査権限を委任する、そういうことになりましたら、農林水産省といたしましても、消費者庁と調整を図りながら、適切に対応してまいりたいと考えております。



○青木愛
 
 少々曖昧な御答弁かなというふうに思うわけでございますが、再度御確認をさせていただきますが、本法施行後、併任から切れ目なく業務遂行するということの確認でよろしいでしょうか。


○福島政府参考人

 この改正法案におきます委任の中身につきましては、十二条第三項におきます規定が、政令で定める事情があるために、事業者に対して命令、勧告を効果的に行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところによって、消費者庁長官の調査権限が委任されるということでございます。
 その政令で定める中身等については、これから政府内で決定していくわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、外食等におけるそういう表示の適正化の問題に鑑みて、適正に対応してまいりたいと考えております。



○青木愛

 さらに、警察庁、そして金融庁、厚生労働省についてもお伺いをさせていただきます。
 いざというときに機動的に対応が図られるよう、消費者庁との日常的な情報交換、あるいは定期的な協議会を設ける等、関係省庁の連携強化をぜひ図っていただきたいというふうに思いますが、警察庁、金融庁、厚生労働省にそれぞれお伺いをさせていただきます。


○宮城政府参考人

 お答え申し上げます。これまでも、不当な表示等に関しまして、食品表示等関係府省庁会議の場を活用するなどいたしまして、情報の交換を行ってまいりました。こういった中で、消費者庁から情報の提供を受けて捜査が大きく進展したという例もございます。今後とも、消費者庁を初めとする関係行政機関とは緊密に連携をしてまいりたいと考えてございます。
 また、御提案のありました定期的な協議会でございますが、これについても、消費者庁から御提案があれば、これに適切に対応してまいりたい、このように考えてございます。


○三井政府参考人

 お答え申し上げます。金融庁におきましても、消費者庁との連携につきましては、個別の事案につきましても、あるいはその普及啓発活動につきましても、自来、連携を図っておりますし、また、金融トラブル連絡調整協議会、これは金融庁主宰のものでございまして、消費者庁あるいは国民生活センターの方も入って、自来、長らく定期的に開催している協議体がございます。
 また、消費者庁主宰の担当課長会議もございまして、これも金融庁から積極的に参加しまして、その連携を図ってきているところでございまして、先生御指摘のような消費者庁との連携というのは、金融庁におきましては、投資者、被害者保護は大変重要な政策課題でございますので、しっかり連携を図ってまいりたいと思っております。


○佐藤政府参考人

 お答えをいたします。食品表示の不正事案につきましては、厚生労働省といたしましても、食品表示等関係府省庁等会議の方針を踏まえまして、消費者庁と連携をいたしまして、関係業界に対しまして表示の適正化の徹底を求めるなどの対応をとってきたところでございます。
 今般の景品表示法改正法案におきましては、行政機関の相互の連携の確保や事業所管大臣への調査権限の委任に関する規定が盛り込まれていると承知しております。
 厚生労働省としても、こうした景品表示法の改正の趣旨も踏まえまして、緊急かつ重点的に対応する必要がある場合等における機動的な対応ということも視野に置きまして、日ごろから消費者庁と緊密な情報交換を行うなど、連携強化を図ってまいりたいと考えております。


○青木愛

 御答弁ありがとうございます。
 私どもの心配が払拭されるまではちょっと至らなかったのでございますけれども、森大臣にぜひお伺いをさせていただきたいというふうに思いますけれども、今、消費者庁からの提案があればとか、あるいは緊急かつ重点的な場合とか御答弁の中にございましたけれども、今の各省庁の政府参考人の皆様方の御答弁を聞いて、森大臣として、今後、他省庁への権限委任が実効性ある運用につながるというふうに思われましたでしょうか。


○森国務大臣

 何が何でも、いつでもどこでも委任をするということになると、事務が膨大になってしまいまして、逆に適正な行政処分が遅延するということもあると思います。
 私は、食品については、やはり食品の安全ということにもかかわりますし、大変重大な問題だというふうに認識しておりますので、特に農水省の食品Gメンに臨時的に今回措置をしたところでございまして、これは、ぜひ切れ目なく行ってまいりたいと思いますので、法律が成立いたしましたら、これは委任をしたいというふうに思っておりますので、農水省と調整を進めてまいりたいと思います。
 しかし、その他の省庁とは常日ごろ連携をしておりまして、消費者庁が主宰している消費者政策担当課長会議において関係省庁が出席をしていただいておりまして、連携をとっておりますので、重大かつ緊急な事案のときには、この法律に書いてあります発令も視野に入れながら検討をしてまいりたいと思います。



○青木愛

 御答弁ありがとうございます。むしろ、森大臣の御答弁の方がちょっと前向きに響かなかったのですけれども、ぜひ関係省庁、この事案も幅広うございますので、日ごろから連携を図っているという御答弁を伺いましたので、引き続きのお取り組みをお願いしたいというふうには思いますが、緊急かつ重点的にという、これは、一時的な重大性のある事案が発覚したときだけの運用になるのではないかという心配があるものですから、こうした不正表示撲滅に向けた、あくまでも消費者の利益擁護の観点から、実効性のある運用に、ぜひ消費者庁として森大臣にも頑張っていただきたいというふうに思います。
 各省庁におかれましては、ぜひとも、今後とも、消費者庁と連携を図りながら、事前の省庁間の協議をしっかりやっていただきたいということを強く御要望申し上げたいというふうに思います。
 各省庁の参考人の皆様におかれましては、この論点につきましてはこれまでにいたしたいと思いますので、御退席をいただきまして、大変ありがとうございました。
 それでは、次に、消費者安全法の改正の関係について、質問を移らせていただきたいというふうに思います。
 まず、都道府県における消費者行政についてお伺いをいたします。
 消費者庁の調査によります、地方消費者行政の現況を拝見いたしますと、消費生活センター、相談窓口の設置数など、地方消費者行政関係の数値は全体として増加傾向にありますけれども、都道府県については、センター設置数が、平成二十一年の百二十三から、平成二十五年、百六に減少、相談員数は、平成二十二年、七百三十六人から、平成二十五年、六百八十七人に減少、受け付け相談件数は、平成二十一年度、約四十万五千件から、平成二十四年度、約三十万六千件に減少、消費者行政予算は、平成二十三年、七十五億円から、平成二十五年、五十五億円に減少、消費者行政担当事務職員数、平成二十三年、一千九十三人から、平成二十五年、一千五十三人に減少、いずれも減少いたしております。
 まず、消費者行政担当事務職員についてお伺いをいたします。
 都道府県の消費者行政担当事務職員数については、消費者庁の設置のころから増加傾向にありましたけれども、再び減少いたしまして、消費者庁設置前の水準、平成二十一年、一千六十二人でございましたが、設置前の水準に戻ってしまったように見受けられます。
 今回の改正案によりまして、都道府県に措置命令等の権限が付与されることとされておりますが、都道府県において、景品表示法に従事をする専従職員数と兼任を含めた人数、何名でしょうか。その数の推移も御存じでしたら、その傾向を御説明いただきたいと思います。


○菅久政府参考人

 お答え申し上げます。都道府県での景品表示法に従事している職員の数ということでございますが、都道府県から報告を受けております数がございますが、これは兼任者も含めた数でございまして、専任者のみというのはちょっとないものですから、申しわけございませんが、兼任者も含めた景品表示法に従事する職員数ということでお答えさせていただきます。
 これは、平成二十六年四月一日現在ということで約二百八十人でございます。この職員数は、平成二十四年度以降、増加傾向にあるという状況にございます。



○青木愛

 ありがとうございます。まずは、この景表法の実行部隊であります担当事務職員の確保、これはまず手当てをされなければならないだろうというふうに思うわけでございますが、景品表示法の消費者庁移管後に措置命令権限を都道府県に付与するための改正が行われなかった、その背景として、体制不備などの理由で、都道府県側が必ずしも権限付与を望んでいなかったというふうに伺っています。
 平成二十三年十月から平成二十四年一月に開催された景品表示法のブロック会議におきまして、都道府県の景品表示法担当部署から消費者庁が意見を聴取いたしましたところ、合理的根拠の提出要求権限の付与については三十七都道府県が賛成をいたしましたが、措置命令権限の付与については、積極的に賛成したのが十都府県であり、そのうち、付与を希望したのは三都府県にとどまったとのことであります。
 このときの都道府県からの反対意見といたしまして、訴訟リスクの大きい措置命令のみだと、執行に後ろ向きにならざるを得ず、結果的に執行力が弱体化する、合理的根拠の提出要求権限を付与されても十分に使いこなせないという反対意見があったとのことであります。
 その後、平成二十五年十二月に全国知事会から都道府県への権限付与について改めて要請があったわけですが、果たして現場での受け入れ体制が整っているのか、懸念がございます。
 消費者庁では、都道府県の景表法担当部署の体制整備について把握されていますでしょうか。平成二十四年に都道府県側から出された反対意見についてはその問題は解消されているのかどうか、お伺いをさせていただきます。


○菅久政府参考人

 お答え申し上げます。先生御指摘のとおり、平成二十三年の十月から平成二十四年の一月に開催した景品表示法ブロック会議において意見を聞いたところでは、先生今お話があったとおりでございまして、それぞれ反対意見もあったところでございます。
 ただ、昨年の十二月に、今もお話がありましたが、全国知事会から、措置命令権限等の付与、これについて知事会としての要望というのが出されまして、それを踏まえて本法案を提出しているところでございます。したがいまして、この間に都道府県の方のお考えも大きく変わったのではないかというふうに考えております。
 また、都道府県の方で、現在の状況でございますが、先ほど申しましたとおり、全体の数というのは聞いておりまして、ここ三年間増加傾向にあるというものは見てとれるわけでございますけれども、まさに今、改正を見越して、例えば部署を強化しているかどうか、この状況は具体的には今は把握はしていないところでございますけれども、この知事会からの要望ということもございまして、また、実際に従事する職員数は、このところ、わずかながらも増加傾向にあるということでございます。
 各都道府県の御努力というものにも大きく期待したいというふうに考えているところでございます。



○青木愛

 今後、この景品表示法施行に関する都道府県担当職員については、質、量ともにその増強が望まれるところではございます。
 先日来の質疑の中で地方消費者行政の活性化基金の活用について答弁されていますが、都道府県側から、改正を見込んで景表法担当部署の強化に動き出したところは実際ございますでしょうか。


○菅久政府参考人

 お答え申し上げます。現在まさにどういう動きかというところについては、残念ながら、ちょっと今把握しておりませんけれども、地方消費者行政活性化交付金でございますが、いわゆる景品表示法の担当職員に対する研修など法執行の強化を図るための事業にも使えるということでございまして、実際にもそういうことを考えているところはあるように聞いております。
 したがいまして、この積極的な活用というものも大いに期待しているところでございます。



○青木愛

 この景表法はことしの終わりにももう施行されるというふうに思いますので、今から動き出してようやく間に合うというような状況だというふうに思います。ぜひ、消費者庁といたしまして、今からこの都道府県の動きにやはり注視していただく必要があろうかと思いますので、早急にその辺のお取り組みをお願い申し上げたいというふうに思います。
 もう一点、お伺いをいたします。先日、都道府県が行う措置命令はその県域内にしか効果がなく、複数の都道府県にまたがる事案については消費者庁が取り扱うという御答弁がございました。
 現在でも、関東の五都県や関西の四府県、不当表示に関して連携して調査をしたり指示を行ったりという事例がございます。また、特定商取引法についても同様に、都道府県が連携して同時に行政処分を行う例がございます。
 県域をまたがる事案については、消費者庁が行えばその効果が全国に及ぶという点で大変効率的と思いますけれども、こうした都道府県連携の強化とともに、今後は消費者庁も複数の都道府県と共同で措置命令を出すという形がよいと考えますけれども、実際、そのような形も想定されているのでしょうか。


○菅久政府参考人

 お答え申し上げます。従来から、消費者庁は都道府県と連携して法執行を行ってきたところでございます。
 今般の法改正によりまして、都道府県においても措置命令を行うことが可能になるということで、基本的には国と都道府県の役割分担ということが必要になろうかと思っております。
 したがいまして、基本的には、都道府県は主としてその県域内にとどまる表示、またそれ以外のものは国ということになろうかと思っておりまして、しかしながら、まさに御指摘のとおり、現在でも複数の都道府県が共同して事案を行っているというものもございます。
 したがいまして、都道府県単独または複数の都道府県で執行する、さらに消費者庁も複数の県域にまたがるものを執行するということで、三者で一番適切なやり方というのを情報交換しながら選んで、効率的に進めていきたいというふうに考えております



○青木愛

 大変よくわかりました。よろしくお願いいたします。
 次に、都道府県の相談体制についてお伺いをさせていただきます。
 平成二十四年度における都道府県のあっせんの割合、政令市の七%、市町村の九%と比べますと、六%弱と低い状況にございます。経験豊富な相談員が多いと考えられる都道府県においてあっせん割合が低い、この状況をどのように分析されていますでしょうか、消費者庁にお伺いをいたします。


○川口政府参考人

 お答え申し上げます。消費生活センター等の相談窓口において受けた個別紛争に係るあっせん率につきまして、都道府県、市町村等との比較ということでございます。御指摘のように、都道府県の割合につきましては、市区町村におけるあっせん率と比較すると低くなっております。
 その要因につきましてでございますけれども、都道府県と市区町村との役割の違いというふうに考えますと、まず一番目に、都道府県の場合は、広域的な見地を必要とする相談に応ずるということになっておりますので、複雑かつ高度な案件を取り扱うケースが多いのではないかというふうに考えております。
 それから第二番目に、都道府県は、市町村相互の連絡調整及び技術的援助を行うと現行法でもそういうふうになっておりますので、市町村からいわゆる経由相談ということで御相談があるというケースが多いということと理解しておりまして、市町村に対する助言指導というのが仕事のうち一定数あるいはかなりを占めるという場合があろうかと思います。そういう場合には、事業者と消費者の間に立って交渉をするという意味でのあっせんというものが相対的に低くなるのではないかというふうに考えているところでございます。



○青木愛

 ありがとうございます。都道府県は、全相談件数のうちの三分の一を受け付けていますが、相談員数は全体の二割にすぎません。あっせんの割合が低いことも含め、業務量に比べて十分な数が配属されていないのではないかというふうに考えられるわけですけれども、その点について、消費者庁にお伺いをいたします。


○川口政府参考人

 都道府県におきまして、業務量に比べ十分な相談員が配置されていないのではないかという御指摘についてでございますが、都道府県は、市区町村の消費生活センターに比べますと、幾つか特徴がございます。
 まず、平均開所日数、一週間のうち何日あいているかということでございますが、これが総じて長いという傾向にございます。それを反映いたしまして、相談員一人当たり週当たりの勤務時間が長い傾向にあるということが考えられます。それから、二番目でございますが、先ほど申し上げましたことでございますけれども、相談の受け付けのほか、市区町村への助言指導を行っているという特徴がございます。ですので、相談件数及び相談員数の全体に占める割合のみで、十分あるいは不十分といった判断はなかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
 いずれにせよ、市町村への助言指導を行う都道府県と消費者の身近な窓口である市区町村がそれぞれに求められる役割に応じて相談員が配置され、充実した活動を行っていただくべく、地方消費者行政活性化基金等を通じまして支援をしてまいりたいと考えているところでございます。



○青木愛

 御答弁ありがとうございます。先ほども申し上げましたとおり、都道府県にかかわるさまざまな相談員数あるいはその割合、さまざまな数字が減少しているわけですけれども、その数字の意味するところをまずしっかりと評価をしていく必要があろうかというふうに思います。
 最後の質問になります。都道府県の現状への評価、そして消費者行政の目標値の設定について最後にお伺いをさせていただきます。
 消費者相談に関しまして、都道府県はその中心的役割を担うということが期待されているかというふうに思います。その旨は消費者基本法においても規定されておりますし、今回の改正案において指定消費生活相談員制度を設けたのもその一環と存じております。
 地方消費者行政強化作戦におけます政策目標は大変結構なものでございますけれども、地方消費者行政が全体として上向いている中で、都道府県だけが予算も人員も大きく減少しているということを大変懸念しているところでございます。
 地方消費者行政強化作戦においては、人口五万人以上の全市町に消費生活センターを設置、人口五万人未満の市町村は五〇%以上に消費生活センターを設置といった目標を掲げていますけれども、都道府県に対しても何らかの目標を掲げるべきではないかというふうに考えます。
 近年の都道府県の消費者行政の現状を見ますと、消費者行政を市町村に任せて、みずからは撤退しているようにも思えてなりません。市町村の相談体制が充実をしても、地方消費者行政の充実・強化のための指針にもありますように、センター・オブ・センターズとしての都道府県の役割は変わることはありません。
 都道府県が、相談、あっせん業務、また法執行等において地方の中心的役割を担い続けるためには、これ以上の減少に歯どめをかける必要があると考えます。消費者庁では、都道府県のこうした傾向についてどう評価をされ、また都道府県にも何らかの目標値を掲げてはいかがかと思いますけれども、消費者庁の御答弁を求めます。


○森国務大臣

 大変よい御指摘だと思います。地方消費者行政活性化基金の活用により着実な成果が出ている一方で、小規模な地方公共団体を中心に消費生活相談体制の実質的な強化に課題が残る現状を踏まえまして、本年一月に地方消費者行政強化作戦を定めまして、御指摘のような市町村を中心にゼロ地域をなくしていくという具体的な目標を定めたところでございますが、今般の改正法案においては、広域連携に係る調整や指定消費生活相談員による市町村への助言ということが都道府県の事務として想定をされているわけでございますので、こういった都道府県の新たな役割に鑑みましても、都道府県における相談員や職員に係る政策目標を、どのようなものが適当か、検討してまいりたいと思います。



○青木愛

 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 都道府県と市町村の役割について、特に都道府県の役割について、またその認識を新たにしていただきまして、今の都道府県の現状を踏まえて今後の地方消費者行政の活性化に向けたお取り組みをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。