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  | HOME | >活動記録>>発言録2014年5月21日 衆議院文部科学委員会


一般質疑
    

○青木愛

 生活の党の青木でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 この週末、地元北区のわんぱく相撲大会の開会式に出席をしてまいりました。小学校一年生から六年生までの男女の力士約八百名が参加をし、東京都大会そして全国大会を目指して熱戦が繰り広げられておりました。かわいらしい中にも大変気迫のある相撲で、笑いあり涙ありの対戦でございました。
 御承知と思いますが、このわんぱく相撲は、一九七六年に東京青年会議所が、遊び場の少ない東京の子供たちにスポーツの機会をより多く提供し、心身の鍛錬と健康の増進を目的に、身近に行えるスポーツである相撲を取り上げて、翌一九七七年に東京二十三区全域に展開したことに始まります。
 その後、東京青年会議所と日本相撲協会が連携をし、ルールを作成し、全国の市町村教育委員会と青年会議所に配付し、全国への普及を行いました。全国各地区で行われるわんぱく相撲は、両国国技館で行われるわんぱく相撲全国大会を目指し、全国で約四万人が参加をする小学生力士の晴れ舞台となっています。
 このような歴史ある大会でありますが、近年は、さまざまなスポーツの普及とともに、学校や地域での相撲大会や練習の場が激減したということも事実であります。学校体育の場では、ダンスが必修科目になるなど、環境は大きく変化をしております。
 先ほども質疑にございましたが、相撲は日本の誇る国技であります。大相撲において、日本人の横綱は十年以上誕生していないという先ほど大臣からの御答弁もございました。外国人力士が活躍することも大変望ましいことではありますが、日本人力士の活躍がこの相撲界をぜひ盛り上げてほしいと願うものであります。
 若貴も中野区のわんぱく相撲の参加者であったと伺っています。この相撲に親しむ裾野を広げていく必要があるのではないか、先日、都議の方からも御示唆をいただいたところでございます。
 今、北区には、小学校一校に土俵があるだけです。学習指導要領の改訂に伴って、二〇一二年から中学校で武道が必修になりました。土俵のある小学校がふえれば、子供と相撲の距離が縮まり、競技人口の増加にも結びつく可能性もあると考えるわけですが、小学校に土俵を設置していくということについて、ぜひ大臣の御所見をいただきたいと思います。


○下村国務大臣

 質問ありがとうございます。
 私は、東京青年会議所の出身でございまして、わんぱく相撲を主催した一人でもありまして、それが今、全国青年会議所、JCで広げていただいているというのは、東京JC出身としては大変ありがたいことだというふうに思っております。
 今御指摘がありました、小学校に相撲場が設置されているところは、全国に八百二十四校、それから、中学校について三百四十一校でございますが、学校や地域の武道場の整備については、従前より国庫補助やスポーツ振興くじ助成により支援を行ってきておりまして、平成二十四年度からは、老朽化した地域のスポーツ施設の耐震化についても国庫補助の対象としたところでございます。
 地方自治体においては、こうした補助制度を活用していただき、相撲場の整備を図るとともに、施設が有効に活用され、学校体育や運動部活動あるいは地域でのスポーツ活動におきまして、より一層相撲が取り組まれるというふうに期待をしたいと思います。
 また、スポーツ振興くじ助成においては、助成事業である旨の表示を助成の条件としておりまして、施設整備助成については、掲示板を設置する等、広報がなされております。
 文科省としても、相撲場の整備を引き続き支援するとともに、対外的な説明に努めてまいりたいと思います。



○青木愛

 ありがとうございます。まさに下村大臣が主導してこられたということで、JC主催で、本当にアイデア盛りだくさんの大会でございまして、大変地域を盛り上げていただいていました。これからも、文科省としても、さまざまな角度からの支援を、私からもお願いさせていただきたいというふうに思います。
 次に、総合型地域スポーツクラブについてお伺いをしたいと思います。
 文科省が、一九九五年から、総合型地域スポーツクラブの育成事業を実施してきました。子供から高齢者、初心者からトップレベルまで、競技だけではなく、それぞれの目的で、それぞれのレベルに合わせてスポーツを楽しめるのが特徴であります。全国の市区町村に少なくとも一カ所は育成するという方針でスタートしたと承知をいたしております。その後、二〇一一年にスポーツ基本法が施行され、翌二〇一二年にはスポーツ基本計画が策定されました。総合型地域スポーツクラブの意義と目的がさらに明確に示されたものと思っております。
 これらを踏まえて、政府と地方公共団体、また民間団体が、しっかりとその趣旨を把握し、現在でも連携をされているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
 私の地元では、クラブハウス、場所の確保が難しいという、スポーツに親しんできた高齢者の方からの御要望がございました。これは、地元の学校の統廃合がその一つの理由にもなってはいるんですけれども、日本全体として、今、この総合型地域スポーツクラブの現状がどのように実行されているのか、また、具体的なよい事例があればぜひ教えていただきたいと思います。


○久保政府参考人

 住民が主体的に参画いたします地域のスポーツ環境の整備は大変重要でございまして、文部科学省では、子供から高齢者までの誰もが、いつでも、どこでも、気軽にスポーツに親しめ、住民が会費や寄附金で自主的、主体的に運営する地域密着型のスポーツクラブであります総合型地域スポーツクラブの育成を図ってきているところでございます。
 スポーツ基本計画に定められております目標は、「各市区町村に少なくとも一つは総合型クラブが育成されることを目指す。」ということでございます。
 現在は、クラブ数でいけば、昨年七月現在でございますけれども、三千四百九十三。それから、市区町村設置率の推移につきましては、十年前、平成十六年の二二%から、二十五年度には約八〇%というふうに上がってきております。
 その達成に向けましては、スポーツ振興くじ助成等を通じまして創設支援を行っているところでございまして、今後とも、その増加に向けたさまざまな支援をしていきたいと思っているところでございます。
 総合型地域スポーツクラブの好事例といたしましては、幾つかございますけれども、例えば愛知県半田市の総合型クラブでは、中学校の体育館を兼ねて、市立の地域スポーツ施設を学校内に建てまして、その指定管理者として総合型クラブが運営を預り、学校や地域と連携した活動を行っておられるところもございます。
 また、それらのニーズも踏まえながら、いろいろな事業も文部科学省として進めてきているところでございまして、二十三年度からは、文部科学省の事業を活用して、トップアスリート等によります周辺地域のスポーツクラブや学校体育に関する活動等を支援する事業にも取り組んでいるところでございます。今年度からは、総合型クラブ同士のネットワークづくりも行っているところでございます。
 今後とも、各地域の総合型地域スポーツクラブのニーズも踏まえながら、地域のスポーツ環境において重要な役割を担い、コミュニティーの核となる総合型クラブへの支援を充実させてまいりたいと考えておるところでございます。



○青木愛

 ありがとうございます。これから二〇二〇年に東京オリンピックを迎えます。トップアスリートと障害者の方々のスポーツにも注目をしながらも、広く国民がスポーツに親しめる環境をさらに充実をしていくということは、予防医学や福祉の面からも大変重要だというふうに考えます。
 子供からお年寄りまで参加できる総合型地域スポーツクラブ、数は伸びているということでございました。また、好事例もぜひ広く広めていただきたいというふうに思いますし、このスポーツクラブを再認識し、文科省としてもさらなる取り組みの充実を図っていただけるようにお願いをさせていただきます。
 次に、話はかわりますが、女性が輝く社会をつくる、これは安倍政権の最重要政策の一つで、二〇二〇・三〇ということで、二〇二〇年までに、指導的立場の女性が占める割合を三〇%にしようという国の目標を掲げられています。
 私の地元北区の区役所の職員の約三割が、今、女性が占めています。既に積極的に取り組まれている自治体もございます。
 予算委員会の安倍総理の御答弁で、そのために、保育の受け皿について、二十五年度と二十六年度の二年間で二十万人、五年間で四十万人つくる、そして待機児童という言葉をなくしていくという方針だという力強い御答弁がございました。二年間で二十万人、あと一年を切っているので、現状でどこまで進んでいるのか、大変気にかかるところでございます。
 そして、さらに政府は、これに続いて、小学生の放課後対策を子育て支援の第二弾と位置づけて、いわゆる学童保育の定員枠を約三十万人拡充するという方針を固め、この六月に見直す成長戦略に放課後子ども総合プランとして盛り込む方針だということでございます。
 平成十九年から実施されてきた放課後子どもプランでは、厚労省所管の放課後児童クラブと文部科学省所管の放課後子供教室を連携して進めてきたと思いますが、このたびのいわゆる学童保育を三十万人拡充するという方針に向けて、文科省としてはどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。


○下村国務大臣

 その前に、先ほどのわんぱく相撲ですが、ちょっと誤解を与えたかもしれませんが、東京青年会議所が中心となってスタートさせたということで、その中心を私がしたわけではないということでありますが、しかし、日本JCの会頭をされた池田さんの時代には、さらに日本JC全体で広げるように努力をしていただいたのではないかということで、ちょっと御紹介もしておきたいと思います。
 それから、放課後児童クラブ、放課後子ども教室の件でありますが、御指摘のように、女性の活躍推進のため、いわゆる小一の壁打破が重要であり、三月の産業競争力会議において、厚労省と文科省が協力し、放課後児童クラブ等の拡大に向けたプランを策定するよう安倍総理から指示がありました。
 現時点では、報道であったように、政府としての数値目標を固めたという状況ではまだありませんが、待機児童解消のための放課後児童クラブの拡充を目指し、厚労省と協力して新たなプランの策定に向けた検討を進めておりまして、その中で、放課後子ども教室と放課後児童クラブの一層の連携方策について検討しております。
 具体的には、一つは、一体型を中心とした放課後子ども教室と放課後児童クラブの計画的な整備を行う、二つ目に、学校の余裕教室等の活用促進を行う、三つ目に、全ての子供たちを対象とした学習支援や多様なプログラムの充実などを図ってまいりたいと考えております。
 また、現在国会で審議中の地教行法改正案において設けることとしております総合教育会議を活用し、総合的な放課後対策について、首長と教育委員会が十分に協議することも期待できるところだと思います。
 今後とも、厚労省と一層の連携を図りつつ、放課後対策の一層の充実に向けて検討を深めてまいりたいと思います。



○青木愛

 ありがとうございます。
 報道によりますと、国が二十七年度に始める子育て支援新制度は、約四百億円を学童保育の指導員の待遇改善などに充てる計画であったが、財源のめどが立たず二百七十億円まで縮小されたという報道もございました。
 具体的な目標を立てることは大変大事だというふうに思いますし、ぜひ、どちらも達成させなければならないと考えておりますので、厚労省とも一体となり、下村大臣のリーダーシップのもとでやり切っていただきたいということを切にお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。