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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成29年4月6日 国土交通委員会

地方創生の観点を踏まえたJRの鉄道事業の在り方にについて




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○青木愛

希望の会、自由党の青木愛です。
 私も、まず冒頭、森友学園の問題について指摘をし、また大臣にお願いをしたいと思っております。
 まず、問題の第一点としまして、森友学園の教育理念であります教育勅語に関しまして、昭和二十三年六月十九日に衆議院で排除決議を、また同日、参議院で失効確認決議を可決しています。その教育勅語を園児に暗唱させ、特定の政治家を応援させていることにまず第一の問題があると考えています。
 そして、そうした教育理念を持つ森友学園に感銘を受けた安倍総理夫人が名誉校長を引き受けた以降、国交省が所有する国有地が破格の値段で売却をされたり、困難と思われた学校設立許可が下りるなど、特定の個人に極端な便宜が図られました。不公正な行政は権力の私物化と言わざるを得ないと思っております。
 三点目は、政府の説明責任の回避であります。国民が疑念を抱く今回の経緯について、政府から納得のいく説明が全くありません。隠蔽体質があらわになり、世論調査では、八割の国民が政府の説明に納得しておりません。
 四点目でございますが、強権的な発動と言わざるを得ませんが、民間人の参考人招致すら否定的であった与党が、総理を侮辱をしたという理由で民間人の証人喚問を実施をいたしました。また、一連の責任を総理夫人付きの政府職員に押し付けるなど、こういったやり方は民間人また弱者を犠牲にした強権的な発動と考えております。
 以上申し上げました四点は、民主主義そのものを否定する行為であり、これまでの安倍内閣の体質であります。このことをただすことが最も優先すべき重要事項であると考えておりますので、是非、国交省におかれましては、大臣がその先頭に立って国民の疑念を晴らす責務があると思いますので、強くお願いをしておきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、先日の質問で残しましたJRの東日本について、本日は質問させていただきます。
 まず、このJR東日本の売上高、営業利益について、現在の状況また今後の傾向について、それぞれ事業別の売上高が分かれば教えていただきたいと思います。


○奥田哲也 鉄道局長      

 お答え申し上げます。
 JR東日本の平成二十七年度の連結決算の実績は、売上高、営業収益は二兆八千六百七十一億円、営業利益は四千八百七十八億円、経常利益四千二百八十九億円、当期純利益二千四百五十三億円となってございます。そのうち、売上高の内訳につきましては、鉄道、バスなどの運輸業が一兆九千五百四十五億円、小売、飲食など駅スペース活用事業が三千九百九十九億円、駅ビル、不動産などショッピング・オフィス事業が二千五百五十九億円、ホテル、旅行などその他二千五百六十六億円となってございまして、比率で申し上げますと、運輸業六八%、駅スペース活用事業一四%、ショッピング・オフィス事業九%、その他九%と、こういった構成になってございます。
 また、JR東日本が発表しております平成二十八年度の連結の業績予想につきましては、売上高は二兆八千七百八十億円、営業利益四千五百億円、経常利益三千九百三十億円、当期純利益二千六百六十億円となっております。そのうち、売上高の内訳は、運輸業一兆九千五百十億円、駅スペース活用事業四千二十億円、ショッピング・オフィス事業二千七百四十億円、その他二千五百十億円となっておりまして、構成比は先ほど申し上げたものと同じと、こういうことになっております。



○青木愛

 ありがとうございます。JR東日本は、今のところ、経営的にも総体的に大変順調だということが言えるかと思います。
 そして、JR東日本が二〇一二年に策定し、二〇一六年、昨年の十月に更新をしましたグループ経営構想ファイブ、今後の重点取組事項というものがありまして、その大きな柱に変わらぬ使命という項目がありまして、地域に生きるとあります。私たちに課せられた重要な使命は、地域の発展に貢献することだと掲げられています。東日本エリアの地方創生に向けて、私たちJR東日本だからこそできるまちづくり、地域産業活性化、観光振興に積極的に取り組みますとございます。
 ところが、今年の三月四日のダイヤの改正で、利用客の多い地域は本数を増やした反面、千葉県の南房総地域を運行します内房線のダイヤを、事前に地元関係者の十分な了解を得ることなく大幅に削減されました。普通列車、千葉駅―館山駅間が木更津駅の折り返しとなり、直通がなくなりました。また、二年前の改正で君津駅以南の平日の特急が廃止されました。その代替措置として運行されてきた特別快速列車、東京―館山間もこの度廃止をされました。
 内房線が走る南房総地域は多くの観光資源がございます。春一番に花が咲き、人気のイチゴ狩り、また鋸山からのすばらしい展望、新鮮でおいしい魚介類、また心温まる温泉旅館など、まさに観光の名所であります。その内房線ダイヤを大幅に削減をするということは、地域の生活が不便になるばかりではなく、観光客の訪問が激減し地域を疲弊させる結果となります。これはJR東日本が掲げている方針のまさに否定であり、また政府が進めている地方創生にも逆行するものだと考えます。
 JR東日本は事前に地元自治体に説明したと言っているようでございますが、内房線のダイヤ削減で大きな影響を受けると予想されるどの自治体に説明をされたのか、そしてどのような話がされたのか、そして国交省はそのことを把握しておられるのか、お聞きいたします。


○奥田哲也 鉄道局長

 お答え申し上げます。
 先生御指摘いただきましたように、内房線につきましては、今年の三月のダイヤ改正によりまして日中時間帯の館山方面の普通列車が木更津発着となり、東京―館山間の特別快速一往復が廃止されるということとなりました。一方、君津駅での接続が改善されることによりまして、日中時間帯における千葉―館山間の所要時分が短縮された列車も設定されたところでございます。例えば、君津駅で同一ホームでの対面乗換えが可能であり、増発とダイヤ見直しにより最大で三十二分、上下線合計八本で千葉―館山間の所要時間が短縮されたというふうに聞いております。
 JR東日本からは、内房線のダイヤ改正に関しまして、昨年の十二月十四日から十六日にかけまして、千葉県、千葉市に加えまして、特別快速の廃止区間の沿線自治体でございます木更津市、君津市、富津市、鋸南町、南房総市、館山市の合計八自治体に対して事前に説明を行ったと聞いております。
 JR東日本によりますと、その際のお話でございますけれども、例えば、厳しい内容だけれども利用状況等から理解しなくてはならないでありますとか、近隣自治体とも連携をして地域づくりに取り組んでいきたい、君津駅での同ホーム乗換えで東京方面へは便利になるのは理解できる、あと、移住や定住を誘致する観点からも都心に通勤できる環境が必要であるとか、利用が大事だということを市民にも伝えていく、サイクルトレインを設定していただいており今後もお願いするでありますとか、花火や若潮マラソンの臨時列車の運行に感謝をするといったような、割と前向きなお話もいただいたというふうな報告を聞いております。
 いずれにいたしましても、JR東日本を始め各鉄道事業者は、地元の御要望を十分に踏まえながら、それぞれの地域の輸送動向に鑑みて適切なダイヤ設定を行うことが重要であるというふうに考えております。



○青木愛

 特急がなくなり、快速がなくなり、直通の普通列車が折り返しでは、地域は疲弊につながることは間違いありません。また、地元においては反対集会も起こっておりまして、とてもこの自治体等と関係者に了解を得たとは、十分な相談があったとは思えない状況であります。
 JR東日本は超黒字企業とも言われております。そうした企業でも採算の合わないところはばっさり切られていくと、そういうことはあってはならないというふうに考えています。完全に民間会社になったとはいえ、公共性を備えた企業でありますので、営利追求一辺倒ではなく地域との共存を是非考えていただかなければなりませんし、JR東日本自らが掲げているように、地域に生きると、その方針を是非実現をしていただきたい、そういう企業であってほしいと心から願っております。
 三月二十二日の国交委員会で大臣の御答弁をいただきました。鉄道は大量の旅客を高速でかつ定時に輸送できるという特性を持っておりまして、こうした特性を発揮して、各地域における基幹的な交通機関としての役割を果たすとともに、他の公共交通機関とも適切に役割分担をして必要な公共交通サービスを提供していくということが地方創生の観点からも重要だと御答弁をいただいております。さらに、利用者の減少などにより鉄道の特性を発揮しづらい路線につきましては、鉄道事業者を始めとする地域の関係者が一体となって、それぞれの地域に適した持続可能な交通体系の在り方について御議論いただくことが重要であると御答弁をいただきました。
 路線の廃止については指針があるとお伺いしておりますけれども、路線廃止の手前の段階で、ダイヤの削減に関しましても指針を作成するとか、あるいは、関係自治体あるいは利害関係者との議論の場を、大臣がおっしゃっているその議論の場をしっかりと確保するためにも、そうしたことを義務化するような鉄道事業法の改正なども考え合わせることも必要かと思いますけれども、いかがでしょうか。


○石井啓一国土交通大臣

 鉄道の運行ダイヤにつきましては、事業の自主性、主体性を尊重し、第一義的には利用者の意向や沿線の輸送需要等を十分に踏まえて鉄道事業者が適切に設定すべきものと考えております。一方で、運行ダイヤの改正は沿線の自治体や利用者の方々にとりまして関心の高い事項でございますので、鉄道事業者において地元の要望等も十分に踏まえながら適切なダイヤ設定を行っていくことが重要であると考えております。
 国土交通省といたしましては、JRを始め各鉄道事業者に対しまして、運行ダイヤの改正に際しましては地域に丁寧に説明を行っていくよう、引き続き必要に応じて指導、助言をしてまいりたいと存じます。


○青木愛

 よろしくお願いします。
 そして、もう一点お伺いをさせていただきますが、やはり国交省が率先をして、JR東日本あるいは地元と、もっと建設的な、創造的な、展望の明るい、そういうアイデアを出し合うようにしたらどうかというふうに思っております。
 政府が進めている地方創生のプロジェクトの活用なども考え合わせて、一緒に考えていくという、そういった御指導をいただきたいというふうに思っておりますけれども、例えばアイデアの一例として、イベント列車の企画であったり、また、せんだって不動産特定共同事業法一部改正案成立をいたしましたけれども、こうした空き家、空き店舗だけではなくて、レールを走れなくなった言わば空き車両といいますか、そういったものにつきましても志のある出資、地元企業や住民が出資をするようなそうした仕組みを、このスキームでは無理かもしれませんが、何かその方法を考えていただけないものかと。地元からしますと、五両、六両、七両連なっていなくてもいいんです。二両、一両でも生活の足を走らせてほしい、こういう切実な願いもございます。
 是非、こうした意見に対して、いかがお考えでございましょうか。


○末松信介副大臣

 お答えさせていただきます。
 鉄道の運行ダイヤにつきましては、輸送需要等を踏まえて鉄道事業者の経営判断により設定されているものでございます。このため、ダイヤの充実に当たりましては、鉄道事業者と沿線自治体等の地域の関係者が一体となって利用者増加に向けた取組を検討することが有意義と考えております。
 現に、先生御指摘のとおり、イベント列車の企画など様々な創意がある取組、そして全国各地におきましては、鉄道事業者と沿線地域の関係者の協力の下で行われているものと承知をいたしております。また、地元企業や住民等によります鉄道事業者への出資につきましても、一般論としては鉄道維持のための有効な方法の一つであると考えられます。
 国土交通省といたしましては、JRを含む鉄道事業者に対しまして、地域の皆様、関係者とより一層積極的に連携協力していくようしっかりと促してまいりたいと考えてございます。他方、沿線自治体等におかれましては、鉄道事業者との対話に努めていただきつつ、利用者増加につながる取組や鉄道を通じた地域振興に取り組んでいただければと思っております。
 先生の御指摘は、多くの議員は一度や二度経験した問題でございますので、しっかりと受け止めております。



○青木愛
 大変心ある御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 JRが国鉄分割・民営化されて三十年を迎えて、今いろいろな問題が指摘をされています。また、今後、抜本的な見直しの際には、是非こういうJR東日本が抱えている問題についても考え合わせて御検討いただきますように心からお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。








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