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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成29年12月7日 国土交通委員会

国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とした質疑




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。
 今回、臨時国会で一回きりの質問時間でありますので、今日はこの間、地元からいただきました様々な要望を中心にまず質問をさせていただきたいと思います。
 まず、JRのダイヤ改正についてでございますけれども、以前質疑でも取り上げさせていただいた経過があります。
 JR東日本になりますが、今年の三月にダイヤ改正で、南房総地域を運行します内房線のダイヤ、これを地元の利用者の十分な理解を得ることなく大幅に削減をした経緯がございます。そのため、この間、地元の市民グループの方々が大変御苦労なさって、JR東日本内房線の利便性及び安全性の向上を求める署名活動を地元で行いまして、五千四百六十七筆を集められ、この度、国交省とそしてJR東日本の方に提出をさせていただきました。国交省におかれましては、大変忙しい中、鉄道局の審議官にこの署名を受け取っていただきまして、またJRにもしっかりと皆様の声を伝えていくという力強いメッセージを賜り、市民グループの方々も大変心強く、感謝をしておりました。そのことをまずお伝えをさせていただきたいと思います。
 この地元のグループの方々がこの署名活動とともに、利用客にアンケートも同時に行っております。二、三御紹介をさせていただきたいと思います。
 幾ら田舎であっても一時間に一本の電車、一時間に一本もない時間帯もある、都会との格差が開き過ぎではないか。また、多数の高校生からは、十五時台の電車がない、テスト期間で早く終わっても乗る電車がなく時間の無駄であるという不満の声も多く聞かれます。また、意地悪なダイヤ編成でありまして、館山に十三時五十八分に着きますと、既に十三時四十六分に発車した後であり、乗換えのためには次の十四時三十八分まで四十分も待たなければならない、そうした声もございます。また、急用があり、タクシーで千倉まで帰ったら料金が四千円掛かったなどなど、こうした生活者の声をいただいておりますので、これもまた併せてJRの方にもお伝えしていきたいというふうに思っております。
 JR東日本、そのスローガン、理念を拝見しますと、そこには変わらぬ使命、地域と共に生きると大きく掲げておられます。しかしながら、実際はこのように地元の利用者をやはり困らせるようなダイヤ改正が行われているという現実がございます。
 この十二月にもまたダイヤ改正が検討されるやに伺っておりますけれども、やはり今御紹介したようなこうした地元の声は反映されるべきであり、またJRの公共性という部分を考えましても、また国交省におかれましては、こうした地元の意見を是非JRの方に耳を傾けるように行政指導を強くしていただきたいというふうに思っております。
 この点について、まずお伺いをさせていただきます。よろしくお願いいたします。


○藤井直樹鉄道局長

 お答えいたします。
 内房線の今年三月の運行ダイヤ改正におきましては、輸送需要の減少を背景に、千葉―君津間におきましては上り、下り合わせて従来の百二十三本から百十五本に、また、君津から館山間におきましては四十八本から四十一本にそれぞれ運行本数が削減をされているところでございます。この結果、主に昼間帯において列車間隔の拡大あるいは乗換待ち時間の増加等が発生をしているというふうに認識をしているところでございます。
 鉄道の運行ダイヤにつきましては、鉄道事業者の自主性、主体性を尊重する観点から、一義的には沿線の輸送需要を踏まえつつ鉄道事業者が適切に設定すべきものと考えております。一方で、運行ダイヤの改正は利用者の利便に直結する事項であり、改正内容について地元の関係者の皆様に丁寧な御説明を行った上で実施すべきものであると認識をしております。また、鉄道事業者においては、ダイヤ改正による影響について、利用者の声を把握し、可能な限り改善方策を講ずることが望まれるものと考えております。
 このような観点から、国土交通省としましては、JR東日本とも意見交換を行い、必要に応じ適切な指導、助言を行ってまいりたいと考えております。
 なお、先ほど委員の御指摘のありましたいろいろな利用者の御不便、その中で乗換待ち時間が増加したと、そういった問題がございましたけれども、これにつきましてはJR東においても今改善の検討を進めておりまして、次回のダイヤから改善を図る予定であると聞いているところでございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 市民グループの皆様のこうした活動が少しでも前進できたということだと思いますので、本当にありがとうございます。また、今後とも、まず第一歩だとは思いますけれども、また様々地元の声も是非聞いていただきたい、またJRにも指導をしていただきたい、重ねてお願いをいたします。
 この鉄道というのは、大量の旅客を高速かつ定時に輸送できる、そしてエネルギー消費もほかの交通手段に比べて少ないという利点がございます。加えて、子供や高齢者、また身障者など、誰もが安心して利用できる交通機関であります。航空機やまた高速バスは、出発と到着、その二点を結ぶ交通機関であります。それに比べてこの鉄道というのは、複数の地域を結ぶ交通機関であるということが一番の特色だというふうに思います。
 地域は鉄道とともに形成をされてきたという歴史があり、その歴史を軽んじてはならないというふうに考えますし、町の中で市役所とか学校、あるいは病院、こうした施設が消えると町の機能がなくなる。これと同様に、やはり駅とか鉄道というものはその町をつくっている中核的な要素である、そういう機能を果たしているんだという、そういう視点から是非国交省には取り組んでいただきたいというふうに思うのであります。
 ですので、JRが一民間企業であるとか鉄道は一つの輸送手段にすぎないとか、そういった発想にとどまっている以上、地域の衰退はどんどん進んでいくというふうに思いますので、鉄道はJRがやることと、とかくそういう考え方も見受けられるんですけれども、そうではなくて、やはり鉄道、駅というものをそのまちづくりの中でどのように位置付けていくのかということをもう一度再定義をしていただいて、国交省こそがその先頭に立っていただきたいというふうに思っておりますけれども、大臣のお考えを是非お聞かせをいただきたいと存じます。


○石井啓一国土交通大臣

 鉄道は、地域内及び地域間の交流を促進をし、我が国の産業の発展、国民生活の利便性の向上などに大きな役割を果たす重要な公共交通機関であります。このような鉄道の多面的な役割を十二分に発揮させるために、鉄道に関する施策につきましては、まちづくり、観光立国の実現などの観点も踏まえながら、地方公共団体、住民、その他の関係者とも連携、協働しつつ推進していく必要があると考えております。
 先ほど委員からお話がございましたJR内房線におきましても、自転車をそのまま持ち込める専用車両、サイクルトレインの運行が来年一月から開始される等、新たな動きが見られるところでありまして、私は今、政府の自転車活用推進本部長という立場でございますが、この自転車活用を推進する立場からも注目をしているところでございます。
 鉄道が地域の活性化にしっかりと役割を果たすべく、それぞれの地域の特性を踏まえつつ、鉄道事業者に対しまして必要な指導、助言を行ってまいりたいと考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。自転車を持ち込める車両ということで、新しいそういう試みにも大変期待をしたいというふうに思います。是非引き続きよろしくお願いいたします。
 JRの問題は、北海道、また四国、貨物と、午前中も質疑がございましたけれども、あわせて、東日本の黒字の中にもそういった採算に合わない部分は削減されるという地域もあるということも考え合わせていただきまして、今後ともの取組に期待をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、これも千葉県の地元の課題でございます。
 去る十月三十日に、袖ケ浦というところがあるんですが、袖ケ浦の市長さんのお取り計らいによりまして、袖ケ浦にあります東京電力、また東京ガスの火力発電所、そしてLNGの基地を視察をさせていただきました。地上百八十七メートルという大変高い煙突から東京湾を見下ろしまして、数々のLNGタンクでありますとか、また今はLNGの輸入船が発着をする桟橋であったりだとか、そうした施設を拝見をさせていただきまして、その規模の大きさに大変圧倒されたわけでございます。
 そのときの視察と、そしてそのときにいただきました要望を踏まえて、何点か御質問させていただきたいと思います。
 この船舶の排出ガスの国際的な規制が二〇二〇年に開始をされます。それに伴いまして、現在、主流である重油に比べて環境負荷の少ない、そして硫黄分の少ないクリーンなLNG、液化天然ガスを燃料とする船舶の建造、利用が始まっています。しかしながら、現在、日本には、船舶にLNG燃料を供給する、いわゆるLNGバンカリング拠点というのが存在していません。
 政府は、世界の動向も見据えて、この袖ケ浦にある、これは仁川に続いて二位だという、世界二位のその貯蔵タンクを持っているという袖ケ浦基地ですが、この袖ケ浦にあるLNGのインフラを活用しながら、横浜港をシンガポール港とともにアジアの二大LNGバンカリング拠点とする計画を進めているというふうに伺っております。石井大臣もそのような活動をされていることも聞き及んでおります。シンガポールはヨーロッパに向けた航路、そして横浜港は北米に向かう航路の最初あるいは最後の供給スタンドという意味合いがあるやに伺っています。
 しかしながら、このLNGバンカリング拠点の形成には、LNG燃料船にLNGを供給するLNGのバンカリング船の建造がまず必要であるということでございます。そこにまず初期投資が、多額の費用が必要だということが大きな課題になっているというふうに聞いています。
 LNGバンカリング拠点の形成は、港湾の国際競争力の強化にも効果があると考えられますことから、港湾政策としてきちんとこの初期投資の部分にも支援をするべきなのではないかというふうに考えますけれども、まずは国交省に現状の取組状況についてお伺いをしたいと思います。


○菊地身智港湾局長

 お答えいたします。
 国際海事機関による二〇二〇年からの船舶の排出ガス規制の強化を背景といたしましてLNG燃料船の増加が見込まれている中、アジア地域で先駆けてLNGバンカリング拠点を形成することは、我が国港湾の国際競争力の強化につながるものと認識しております。
 このため、昨年六月に横浜港をモデルケースといたしまして官民の関係者による検討会を設置し、LNGバンカリング拠点の整備方策を昨年十二月に策定いたしました。この方策におきましては、三つのフェーズに分けて推進することとしており、大型船への対応を開始する第二フェーズでは、既存ストックを有効活用する観点から、袖ケ浦LNG基地を活用いたしまして二〇二〇年にシップ・ツー・シップによるLNGバンカリングを実現することとしております。
 一方、規制開始当初は船舶燃料としてのLNG需要が限られることから、御指摘のとおり、LNGバンカリング船の建造など、LNGバンカリング拠点の整備に必要となる初期投資に係る負担が相対的に大きくなることが見込まれております。このため、国土交通省では、LNGバンカリング拠点として必要となる施設整備に対する支援制度の創設を平成三十年度予算概算要求に盛り込んだところでございます。
 国土交通省といたしましては、シンガポールと連携し、我が国がアジア地域で先駆けてLNGバンカリング拠点を形成することで港湾の国際競争力の強化を図りたいと考えております。



○青木愛

 国土交通省として、港湾対策としてこのバンカリング拠点の支援、これについての概算要求をしているというふうに聞き及んでおります。建造費を含めて、第二フェーズ、六十億というふうにも聞いておりますけれども、国際競争力、また国際貢献の観点からも、やはり日本の場合、港湾の果たす役割は大変大きいというふうに思いますので、是非、石井大臣におかれましても、その予算を確保できるように頑張っていただきたいというふうに思います。
 それでは、今日は資源エネルギー庁にもお越しいただいております。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。エネ庁さんにもお伺いをしたいと思います。
 このエネルギー供給という部分においては、やはり安全性、安定供給、経済効率性、環境適合の観点から、化石エネルギー、また再生可能エネルギー、原子力、これをミックスをしている状況だと思います。私どもは、原子力はやはり危険性が大きいということと、あと使用済核燃料の処分の観点から望ましくないと考えています。また、再生可能エネルギーの普及についてはこれは促進するべきですけれども、安定供給という部分にはやはり限界があります。化石エネルギーにつきましては、環境負荷を考えると、今後はでき得る限り二酸化炭素あるいは硫黄分、こうしたものが少ないものに移行していかなければならないと思います。
 そこで、絞られてくるのがやはり自然再生エネルギーと、そして環境負荷の少ない、化石エネルギーの中ではやはり天然ガス、LNGということになってくるんだろうと思っています。
 日本は世界一のLNGの輸入国であります。石油は、かつては中東の政治的不安定などから備蓄政策なども行ってきたというふうに伺っております。しかし、幸いこのLNGについては、オーストラリアであったりマレーシア、またカタール、これは中東ですけれども、さらにはアメリカ、ロシア、こうした輸入先が多元化しておりますので、安定的に確保できるのだろうというふうに思います。
 そこで資源エネルギー庁にお伺いしますけれども、この日本の今後のLNG戦略についてまずお聞かせいただきたいと思います。


○資源エネルギー庁 小野洋太資源・燃料部長

 お答えいたします。
 LNGは、調達に当たっての地政学リスクが相対的に低く、化石燃料の中で温室効果ガスの排出量が最も少ないという特性を持つものでございます。したがいまして、今後、世界において役割は拡大していく可能性がある重要な燃料の一つと認識しております。
 しかしながら、従来LNGは、産ガス国との長期固定の、かつ原油価格にリンクした契約形態に基づくという構造がございまして、原油価格変動の影響を受けやすい、あるいは電力・ガス市場が自由化され需要が不透明化する中で、その需要に応じた柔軟かつ競争力のある調達をすることが難しいという問題がございます。
 こうした認識の下、経済産業省では、産ガス国との長期固定の契約ではなくて、多様な供給国と需要国により構成され、合理的で透明な取引が行われる国際LNG市場を構築するということを目指し、昨年五月にLNG市場戦略を取りまとめたところでございます。
 この戦略では、世界のLNG需要の拡大を含むLNG取引の容易性向上、LNGの需要を反映した価格指標の構築、オープンかつ十分なLNG関連インフラの実現に取り組むこととしております。
 特にアジア地域においてLNG需要を拡大する観点から、今年十月に開催したLNG産消会議におきまして、世耕大臣より、官民で百億ドル規模のLNGインフラに整備するファイナンスを我が国が用意すること及び今後五年間で五百人規模のLNGに関する人材育成の機会を提供することを発表するなど、積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後ともLNG市場戦略に基づく施策を着実に進め、LNGの安定供給の実現に努めてまいりたいと考えております。



○青木愛

 最後の質問になりますけれども、これが地元からの要望にも関わることなんですけれども、これからLNGの需要が高まっていくという流れの中で、これまで発電所には電源立地地域対策交付金、あるいは石油に対してはその貯蔵施設の立地対策等交付金などの制度もありますけれども、旧来の枠組みを利用するというよりも、これからまたLNGに対しても新しい枠組みでの補助制度あるいは政策というものを企業に対して、あるいはLNG基地を持つ自治体に対しても対応していく必要があろうかと思うのですけれども、その点について一点御答弁いただければ有り難いと存じます。


○委員長

 簡潔にお願いいたします。


○資源エネルギー庁 村瀬佳史電力・ガス事業部長

 はい。
 エネルギーミックスというものを二〇一五年に政府として策定させていただいております。あらゆる面で優れたエネルギー源がない中で、安定供給の確保、電力コストの引下げ、CO2排出の削減といった三つの政策目標をバランスよく達成するために様々な政策を展開していきたいと、このように考えてございます。
 今御指摘のありました立地地域の交付金につきましては、安定的かつ地球環境への負荷の小さい電力供給源である長期固定電源に限定することとしておりますが、今御指摘にあった天然ガスにつきましてはその役割を拡大していくことが重要なエネルギー源と位置付けておりまして、産業分野などにおける天然ガスシフトを着実に促進するという方向で対応させていただきたいと考えてございます。
 具体的には、このような方針の中で、例えばエネファームを含むコージェネレーションについて二〇三〇年時点で現在の二倍以上となる規模の導入を見込んでおりまして、この中で、例えばエネファームの導入、高効率の天然ガスボイラー、工業炉、ガス空調の入替え等に対しまして補助金等の支援を行っているところでございます。また、今年四月からは、自由化の中で多様なサービスが提供され始めております。
 今後も、こういった支援策又は市場の整備を通じまして更なる天然ガスの利用拡大を図ってまいりたいと、このように考えてございます。


○委員長

 時間が来ておりますので。



○青木愛

 はい、済みません。
 ありがとうございます。是非、自治体に対しましても新しい枠組みでの制度構築をお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございます。








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