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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年4月5日 国土交通委員会

引き続き森友案件について航空局長に質問
地下埋設物の量については会計検査院から参考人に出席していただき質問




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。
 今日は、森友案件について私もお伺いをいたします。
 まず、地下埋蔵物の量ですけれども、これは面積掛ける深さ掛ける混入率で算出をして、それを基に撤去処理費用が算出をされます。深度三・八メートルについては妥当性を確認することができないと、そのように指摘をされています。もう一つ、この混入率、これも大変疑問が投げかけられているところでございます。大阪航空局は混入率を四七・一%としておりますけれども、会計検査院は三一・七%という数字を挙げています。
 この点について会計検査院さんにお伺いしますが、この数字の二つの違いについてお聞かせいただけますでしょうか。


○会計検査院 戸田直行第3局長

 お答え申し上げます。
 委員お尋ねの四七・一%の混入率につきましては、報告書におきまして、「四七・一%の混入率は、地下構造物調査において北側区画で試掘した四十二か所のうち廃棄物混合土の層が存在すると判断された二十八か所の混入率を平均して算定されている。」と記述してございます。
 三一・七%につきましては、報告書において、「二十八か所以外の十四か所についても北側区画での試掘であり、うち十三か所では廃棄物混合土が確認されていない。このため、十四か所を混入率の平均の算定から除外していることに合理性はなく、」、「前記十四か所も含めた北側区画の全試掘箇所四十二か所の混入率の平均を仮に用いるとすると、その平均値は三一・七%となる。」と記述してございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 誰が聞いても分かりやすいことでございます。平均値を取るのに廃棄物混合土が存在していないところは除外をして平均を算定をしているということであります。大阪航空局の四七・一というのは明らかに大きな見積りによる混入率ということが指摘できると思います。
 会計検査院さん、ありがとうございました。この点について一点お伺いをさせていただきたいと思いました。
 そして、この会計検査院の方でごみの処分量を計算する際に、いろいろな要素を組み合わせて、詳しくは申し上げませんけれども、最終的に六千百九十六トンという値をお出しになっています。これは、大阪航空局が計算した一万九千五百二十トン、これの約三分の一でございます。
 既に売却ではなくて借りる段階でごみ処理をしておりますけれども、それによって土地の価値が上がった分として有益費を国が森友側に支払っていますが、それが一億三千百七十六万円でございますが、この大阪航空局が見積もったごみ撤去処分費用八億一千九百七十四万円を合わせますと九億五千百五十万円になります。そもそも、この土地の鑑定評価額が九億五千六百万円ということになりますので、まさに国側からの会計から見れば、ただで売却をしたことになります。見事にぴったり、ただでございます。
 大阪航空局は優れた知見と豊かな経験を備えているというふうに何度もお伺いをしておりますけれども、この森友案件につきましては、その能力をゼロに合わせるために発揮をされたのではないかというふうに私には思えてなりません。御所見をお伺いいたします。


○蝦名邦晴航空局長

 地下埋設物の撤去処分費用の見積りにつきましては、これまでも御説明してきておりますけれども、売主の責任が一切免除される特約を付すことを前提に、その実効性を担保するために、森友学園側からの新たなごみが出てきたとの主張も踏まえまして、既存の調査で明らかとなっていた範囲のみならず、職員による現地確認などの追加材料も含めまして、当時検証可能なあらゆる材料を用いて行われたものでございます。
 本件見積りは、三月二十四日に森友学園側からの近畿財務局に対する本件土地の買受け要望があり、そして、今申し上げましたような損害賠償請求を受ける可能性があることなどを考慮して、近畿財務局が三月三十日に大阪航空局に対して地下埋設物の撤去処分費用の見積りを依頼をして、大阪航空局は四月十四日に見積りを近畿財務局に提出をしたという経緯を経ておりますけれども、さらにその後、不動産鑑定などの手続を経て、最終的に近畿財務局において土地の時価を決定して売却をされたということだと承知しております。



○青木愛

 御所見といいますか御答弁、この間何度聞いても全く進展が見られないということに大変残念に思う次第であります。
 国民の財産を普通に売却すれば、大阪音大は七億の提示であったわけでありますので、九億円にならないとしても数億円の収入にはなっていたはずです。これを国民の財布の側から見てゼロ円で売ったということは、まさに国益を損ねる背任ということになるのではないかというふうに思います。これについては、これで終わらせていただきます。
 続きましての質問でございますが、前回の質問で途中になっていた部分、新関空会社への現物出資について、もう一度お伺いをいたしたいと思います。ちょっと時間がない中ではありますけれども。
 まず、関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律附則第五条、承継時の出資、第八項、第九項で、「大阪国際空港に係るものを出資するものとする。」となっております。しかし、平成二十四年二月十四日に開かれた第百十九回国有財産近畿地方審議会の議事録を見ますと、川西市の場外用地、通称なげきの丘と豊中市野田地区の土地、いわゆる森友の土地でございますが、この二つの土地は早期の処分が見込めるためという理由で出資対象財産から外されております。その認識でまずよろしいでしょうか。


○蝦名邦晴航空局長

 お答え申し上げます。
 平成二十四年七月の関西空港と伊丹空港との経営統合に当たりまして、航空局が所管する国有地のうち大阪国際空港に係るものにつきましては新関西空港株式会社へ現物を出資することとされておりましたが、御指摘の二つの土地につきましては、近く売却が見込まれているために国が引き続き保有をし、現物出資の対象から外しておりました。



○青木愛

 ありがとうございます。
 今御答弁では近くとおっしゃいましたが、早期に処分ができるというふうに期待をしていた大阪音大、これが平成二十四年七月二十五日、七億円の提示でありましたけれども成立に至りませんでした。そして、八月の七日に大阪航空局は近畿財務局に対し売却処分依頼を取り下げております。
 法の趣旨に基づけば、早期の処分が見込めなくなったわけですので、法律が施行される七月一日付けで新関空空港株式会社に現物出資すべきであるということで、その考えに基づいて、十月の二十二日、七月一日付けで理由は現物出資ということで所有権移転の登記がなされたと理解することができるというふうに思います。
 私にはむしろこの、課長決裁ということでございましたが、登記手続が正しかったのではないかというふうにも理解できるのですが、その点についてお伺いをいたしますけれども、前回、局長は、登記だけをして所有権は移っていない、大阪航空局の所有のままだという御答弁がございました。そのままにしておいていいという根拠がどこにあるのか、本来、新関空会社へ現物出資すべきことが法の趣旨である一方で、大阪航空局がこの一件のみこの土地を所有し続けるということについての、法的観点から妥当性を欠くとは考えられないでしょうか。この点についてお伺いいたします。


○蝦名邦晴航空局長

 お答え申し上げます。
 関空・伊丹統合法に基づきます資産承継の規定は、経営統合時、したがいまして平成二十四年七月一日に限って適用されるため、経営統合後は、経営統合時に承継された資産と同様の取扱いはできないことになっております。経営統合後に国から新関西空港株式会社へ資産を承継させようとする場合は、一般的な国有財産処分に係る制度が適用されて一般競争入札により時価での売払いが原則となることから、新関西空港株式会社に直接現物出資をすることはできません。
 また、前回申し上げました所有権の移転というところの部分でございますけれども、これは先回も御答弁申し上げましたとおり、所有権の移転というのは、この現物出資から外されておりますので、所有権は移転をしておりません。
 不動産登記制度は不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するためのものでございまして、所有権の移転等の権利関係の変動自体は当事者間の契約等の原因によるというものであるというふうに承知をいたしております。
 以上でございます。



○青木愛

 ですので、大阪航空局の所有のままにしていい根拠は何かということをお伺いをしたいのであります。
 法の趣旨ですと、その伊丹空港周辺の土地は、原則というか法の趣旨は、そのまま全て現物出資をする、ただ、二つの土地については早期に処分の見込みがあったので、これは国土交通大臣と財務大臣の間での取り交わしで決められたというふうに承知をしております。
 法の趣旨の方が上位ではないかというふうに思うものですから、大阪航空局の森友のその土地だけを残しておいたその根拠が何かということをお伺いしたいと思っております。


○蝦名邦晴航空局長

 国有地を現物出資しないということにつきましては、新関西空港株式会社への現物出資について、関空・伊丹統合法附則第六条第一項におきまして、「政令で定めるものを除き、」というふうにされております。
 同法施行令附則四条では、国土交通大臣が財務大臣と協議をして指定するもの以外のものに関する権利及び義務等は新関西空港株式会社が承継しないこととされております。ここで、したがって、指定をしておりませんので承継しないという扱いになっているということでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、承継しないということに制度としてなって、その上で、現に大阪航空局が保有したままになっている土地を再度処分をするということのためには通常の国有財産の処分手続によって進める必要があるということで、次の募集といいますか、処分の方の手続に入っていったということでございます。



○青木愛

 ちょっと今の御答弁、にわかに理解ができないのですけれども、九月十八日に第二回新関西国際空港株式会社資産評価委員会というのが開催されています。そこでは、この承継された資産また負債の価額を決定をする評価決定書が承認されています。その評価内訳書の中に、大阪国際空港、この伊丹空港の区域内あるいは区域外において豊中市の土地が記載されていますが、その中に当該森友の、いわゆる森友の土地が含まれているのかどうか、それが分かる資料を提出をしていただきたいというふうに昨日お願いをしてあります。なければ、ないなりの書類を提出していただきたいと思いますし、あれば、きちんと評価決定の後、十月において登記が行われたという流れ、これをまた裏付ける一つの資料にもなろうかなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、時間がありませんので、平成二十五年一月十日に錯誤という理由で現物を出資をしたという登記が抹消をされております。その前年、平成二十四年十二月二十六日に安倍内閣が発足をしております。平成二十四年十二月二十六日、安倍内閣が発足をしておよそ二週間、僅か二週間後に錯誤を理由にして、また大阪航空局、国のものとして土地が戻されているというこのタイミングについてもまた疑念がどうしても湧いてしまうところでもございます。


○委員長(野田国義君)

 時間が来ております。



○青木愛

 はい。
 また、続き、機会があればその点についてもお伺いをさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。





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