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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年5月15日 国土交通委員会

首都圏の空港整備、航空機からの落下物対策、ライドシェア等について




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。
 森友学園の問題につきましては、また新たな数百ページにわたる文書が財務省に存在をしたという報道もございまして、またその公表を受けて改めて質問の機会を得ていきたいというふうに考えております。
 本日は、まず、首都圏の空港の関係から質問に入らせていただきたいと、そのように思います。
 まず、成田空港についてでございますが、滑走路の増設ということで、C滑走路を十年後をめどに今進んでいるというふうに伺っております。この成田空港の更なる機能強化に向けて、関係者による地道な努力がこの間なされてきたというふうに伺っております。
 そして、去る三月十三日に、国交省、千葉県、そして空港周辺の九市町、そして成田国際空港株式会社、四者協議会を開催をして確認書の締結に至ったというふうに承知をいたしております。そして、その確認書には、成田空港は、周辺地域の発展を牽引する一方で、地域住民に対しては生活環境に航空機の騒音などを始めとする様々な影響をこの間与えてきたということで、成田空港の発展はこれら地域住民の理解と協力によって初めて成し遂げられるものであるという趣旨が明記をされました。
 今後、この空港周辺地域の振興に取り組むということでありますけれども、具体的にはどのような振興策が現在検討されているのか、まずその点からお伺いをいたします。


○蝦名邦晴航空局長

 お答え申し上げます。
 今委員が御指摘になりましたように、三月十三日に、四者協議会におきまして、第三滑走路の増設や夜間飛行制限緩和などによりまして、現在の三十万回の年間発着枠を五十万回、拡大する成田空港の更なる機能強化について最終合意に至りました。
 この機能強化が実現いたしますと、空港容量の拡大に伴いまして、空港周辺を訪れる観光客の増加や周辺への企業立地の促進、雇用の確保など、周辺地域において様々な波及効果が見込まれております。こうしたことも踏まえまして、四者協議会におきましては、成田空港周辺地域の地域づくりに関する基本的な方向性や内容をまとめました基本プランというのが策定をされております。
 具体的に、この基本プランにおきましては、地場産業・中小企業振興、企業誘致、観光振興、農業振興などの産業振興、二点目といたしまして、道路、河川、農業用水などのインフラの整備、三点目といたしまして、交通利便性の向上、教育・子育て環境の整備、地域防災力の向上などの生活環境の整備といったことにつきまして、関係者が連携して取り組む方針というものが示されたところでございます。
 また、機能強化の効果を地域全域にくまなく波及させるために、成田空港周辺対策交付金を規模、使途共に拡充、充実をするなど、空港周辺地域づくりに必要な財源の確保にしっかりと取り組んでいくことにしております。
 今後、この基本プランに基づきまして、事業の具体化を図った上で地域振興に着実に取り組んでいくということが求められております。国土交通省といたしましても、空港と地域との共生は大変重要であるという認識の下で、関係機関と連携をしながら空港周辺の地域づくりに最大限努力をしてまいりたいと考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。
 地域との連携は大事だという御趣旨の御答弁でありましたけれども、いろいろと具体的に進めていくには財源の確保というところがやはり現実的な問題として大変重要でございますが、総務省の所管のもの、あるいはこの成田国際空港会社からの交付金ですか、様々あろうかと思いますが、もう少し踏み込んだ御答弁は可能でしょうか。


○蝦名邦晴航空局長

 今御指摘のございました空港の周辺地域づくりに必要な財源の確保にしっかりと取り組んでいくということも重要であると考えております。
 基本プランを具体化する中で検討を進めていくということになりますけれども、関係自治体におけます予算の確保のほか、成田空港周辺対策交付金の充実などにより対応を進めていくということが必要でございます。
 また、今御指摘もございました成田空港の周辺地域の施設整備に対しましては、これまでいわゆる成田財特法によりまして特別な措置が講じられてきたところでございまして、こうした枠組みも活用しながら、検討をしっかりと進めていきたいというふうに考えております。



○青木愛

 しっかりと財源の確保についてもお取組をいただきまして、地域の振興につなげていただきたいということをお願いをいたします。
 二〇二〇年に訪日外国人の観光客を四千万人、そして二〇三〇年には六千万人という高い目標達成を掲げております。その中において空港の整備というのは必要だというふうに承知をいたしますけれども、成田空港については、今御答弁ありましたように、滑走路の増設、延伸でありますとか、年間の発着枠の拡大でありますとか、夜間飛行の制限の変更等々ございますが、あと一方で、羽田空港も首都圏にございますけれども、今後、この両空港のそれぞれの役割、機能、これまでも様々果たしてきております。
 成田空港は、国際線同士の乗り継ぎ、あるいはLCC、貨物輸送、圏央道とも関係しながら貨物輸送の拠点としても機能を果たしてきたというふうに承知しております。また、羽田空港は、国内線の拠点、さらには国内線と国際線を結ぶ拠点。それぞれ機能を果たしてきたというふうに思います。
 これからは戦略が必要になってくるのではないかなというふうに思っておりますけれども、両空港の機能強化について、国交省の将来展望をお伺いしたいと思います。


○蝦名邦晴航空局長

 お答えを申し上げます。
 今御指摘のように、訪日外国人の二〇二〇年四千万人、二〇三〇年六千万人といった目標を達成するため、あるいは国際競争力の強化、あるいはオリンピック・パラリンピック東京大会の円滑な開催などの観点から、首都圏空港の機能強化は大変重要でございます。
 その関係で今御指摘のございましたような機能強化に取り組んでいるところでございまして、両空港を合わせた発着容量が、この機能強化が実現いたしますと、ニューヨーク、ロンドン、世界最大圏の都市圏に匹敵をする世界最高水準の約百万回ということが実現をされることになります。
 現在、両空港の機能分担ということに関しまして、羽田空港は、国内線の基幹空港としての機能を持ちつつ、国内線、国際線乗り継ぎも含みます日本発着の需要に対応するとともに、成田空港は、国際線の基幹空港としての機能を持ちつつ、北米―アジア間を中心とした国際線、国際線のいわゆる際際乗り継ぎの需要も取り込んで国際航空ネットワークの強化も図りながら、国際、国内のLCCや貨物需要に対応しております。
 今後とも、両空港の容量面の取組と併せまして、それぞれが持っております両空港の特性を最大限生かしまして、首都圏空港としての機能を最大化するための戦略的な取組が重要であるというふうに考えております。
 例えば、今後容量が拡大してまいりますので、それに伴いますネットワークもこれを充実強化していくということ、それから、成田空港での新規就航を促進するような料金体系の設定でありますとかLCCターミナルの拡充、あるいは圏央道の整備を踏まえた貨物を中心とした利用促進策などの検討、あるいは羽田空港におけますターミナルの整備などによりましてのアクセスの改善、あるいは空港内での手続や動線等の効率化によります旅客の利便性、快適性の向上、あるいはICTやロボットなどの最先端技術の活用による受入れ環境の整備等々、この両空港が世界に誇れるような空港に育てていくことが必要であると思っておりまして、こうした対策を戦略的に取り組んでいくことで、両空港が相まってニューヨークやロンドン等の主要都市に伍し、さらには近隣アジア諸国等との空港間競争に打ち勝っていくことができるように取り組んでまいりたいと考えております。



○青木愛

 そうした中で、最近はそのLCCの需要が更に伸びているというふうに伺っておりまして、昨日ですが、日本航空が新たな国際線の中長距離のLCCの設立を発表をいたしました。国内外のお客様に対して新たな選択肢を提供することにもなりますし、また、二〇三〇年度六千万人という目標を達成するためにも貢献するものというふうに思っております。
 ただ、その一方で、やはり心配なのが安全性の確保ということになります。値段が安いので、そのしわ寄せが乗客の安全が損なわれたり乗務員の労働の過剰につながったりという事態、それは避けなければならないというふうに考えておりますけれども、そうした点も併せながら、安全なLCCの育成について国交省のお考えをお聞かせください。


○蝦名邦晴航空局長

 LCCにつきましては、委員御指摘のように、利用者利便の一層の向上につながりまして、訪日旅客の増大あるいは国内観光需要の拡大にも資することから、国交省では更なる発展を期待しておりまして、これまでもLCCの専用ターミナルの整備などの取組を行ってきているところでございます。一方で、航空運送事業におきます安全の確保というのは大前提でございまして、大手航空会社と同様に、LCCに対しましても航空法に基づきます安全性審査等を確実に実施してまいる必要があると考えております。
 具体的には、運航開始前の段階から事業計画や運航規程の審査を行うとともに、施設等への立入検査を行って運航や整備における安全上の基準を満たすこと、これをしっかりと確認をいたしているところでございます。
 また、運航開始後も、体制等の変更があれば同様に安全上の基準に基づきます審査を行うほか、継続的に安全監査を行うことで航空会社の安全基準への適合状況等を確認をし、必要な是正措置等を指示、確認することなどを通じまして、大手とかLCCということではなく、航空輸送の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。
 航空機の安全性という点についてもう一点重ねてお伺いをしたいのは、三月二十三日の予算の委嘱審査の際に質問させていただいたんですが、羽田空港の飛行経路の見直しに伴って、この落下物と騒音、住民の方々、大変懸念をしているわけでございますけれども、住民説明会の方も四巡目を終えたところだというところでございますけれども、やはり落下物が心配だという声が、意見が多うございます。そして、三月の二十六日に落下物対策の強化策に関する報告書というのが落下物対策推進会議の方でまとめられて公表されたというふうに承知をしております。
 この落下物対策の強化策について、現状をお伺いしたいと思います。


○蝦名邦晴航空局長

 お答えを申し上げます。
 今御指摘のございましたように、落下物に対しましては、三月二十六日の総合対策の推進会議におきまして落下物対策の強化策が取りまとめられました。国土交通省としては、その報告書を踏まえまして、落下物対策を充実強化することとして落下物対策の総合パッケージとして公表いたしております。特に未然防止策の徹底の観点からは、落下物防止対策基準を今年度早期に策定をいたしまして、今年度中に本邦航空会社のみならず日本に乗り入れる外国航空会社にも適用をさせて、航空法に基づき提出していただきます事業計画に関連付ける形で実効性を担保してまいりたいというふうに考えております。
 この対策基準は世界的にも類を見ないものでありますことから、基準の策定と並行して、規制の対象となる本邦及び外国航空会社はもちろんのこと、外国航空会社の指導監督を行う外国航空当局等に対しましても、様々な機会やチャネルを通じて十分な情報提供及び協力要請といったことを行ってまいりたいと思います。
 また、落下物の防止対策集の活用でありますとか補償の充実策などを内容といたします落下物対策の強化策ということも総合的に進めてまいりたいと考えております。


○青木愛

 ありがとうございます。
 落下物、万が一があってはならないわけでありまして、この落下物対策基準というのは世界に先駆けて日本がまず作ったということでありますので、外国の航空会社に対する周知も含めてしっかりとしたリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思っております。
 そして、併せてなんですが、これは御検討いただけるのか分かりませんけれども、騒音につきまして、いろいろと、ヘッドホンを付けて関係地域の住民の方々にこのぐらいの音なんだということを聞かせているということではありますけれども、実機による試験飛行期間というものを検証期間のような形で設定することは可能なのかどうなのかというところなんですけれども、その辺りはいかがでしょう。
 あともう一点、資産価値が下がった場合の補填についても住民の方から意見が出ております。その点についてお聞かせいただきたいと思います。


○蝦名邦晴航空局長

 羽田空港の新飛行ルートに関しまして、飛行経路の見直し前に実機で民間航空機を実際に飛行させるようないわゆる試験飛行につきましては、新飛行経路での安全な運航に必要となります施設の整備、管制官の慣熟、あるいは現在の空港運用との調整などのまだ技術的な課題もございまして、現時点で実施するということは困難であると考えております。
 一方、今御紹介もございましたように、航空機の音や見え方を分かりやすくお伝えすることは大変重要であるというふうに考えておりまして、これまでもオープンハウス型の住民説明会におきまして、会場ごとに伊丹空港周辺での屋外と屋内での実際の音や航空機の見え方というものを空港からの距離等に応じて体感いただけるコーナーというのを設置をいたしまして、御説明をしてきているというところでございます。今後とも、住民の皆様に分かりやすくお伝えするために、どういう方策が可能かということは引き続き検討してまいりたいと思います。
 また、現在、羽田空港では比較的騒音の小さな中小型機が全体の七割以上を占めているという状況でございますけれども、騒音対策については、新飛行経路の実現に当たりまして、その騒音の影響を軽減するため、できる限りの飛行高度の引上げや低騒音機の導入促進など、騒音の要素も組み合わせた着陸要件の見直しなど、様々な方策に取り組んでいるところでございます。
 今委員御指摘がございました不動産の価格につきましては、交通の利便性や周辺の開発状況など様々な要因で決定されるものというふうに認識をしておりまして、国際線の増便に向けた新経路の設定が直ちに不動産価値を低下させるとは一概には言えないのではないかというふうに考えております。
 ただ、国土交通省といたしましては、航空機の騒音低減などの対策を講じることによりまして、可能な限りマイナス面の影響を極小化いたしまして、住民の皆様の理解が得られるよう引き続き努めてまいりたいと思います。



○青木愛

 ありがとうございます。この点については、また質問の機会を見て、いろいろとまた御答弁をお願いしたいというふうに思っております。
 時間がありませんので、最後にライドシェアの問題について伺わせていただきます。
 経産省からもお越しいただいておりますけれども、今、今国会で審議をされておりますが、せんだって経産大臣がその規制のサンドボックス制度について、ライドシェアについても申請は可能だという御答弁をされていました。これまで国の方では人命の安全を第一ということで、タクシードライバーには二種免許、会社がドライバーの時間管理あるいは飲酒の確認ですとか健康管理、あるいは厳しい車検、業務用の保険の適用など厳しい規制を課してきております。
 この規制のサンドボックス制度においては、万が一このライドシェアも対象とするということになりますと、この安全基準が損なわれる可能性があろうかというふうに思いますけれども、トライ・アンド・エラーということがこのライドシェアになじむとは到底思いませんし、どのような趣旨でこのライドシェアも対象になるというふうに経産大臣がおっしゃったのか、その辺りについてまずお伺いをしたいと思います。


○中石斉孝 経済産業大臣官房審議官

 お答えいたします。
 規制のサンドボックス、すなわち新技術等実証制度は、対象となる事業分野をあらかじめ限定しておらず、御指摘のライドシェアについても事業者からの申請は可能でございます。
 他方、実証に当たって、生命や身体の安全が重要であるということは言うまでもございません。新技術等実証制度では、事業者に対し、期間、場所、方法を限定し参加者の同意を得ること、実証実験の管理監督を行うことなど、実証を適切に実施するために必要となる措置を講ずることを求めております。
 仮に御指摘のライドシェアについて申請があった場合、規制を所管する主務大臣が、こうした措置が適切に講じられていることなどにより当該規制法令が保護しようとする権利利益が損なわれていないことなどを厳格に確認の上、計画を認定するかどうか判断することとなっております。
 このため、規制法令に違反するような実証計画が、安全性などが確保できないまま認定されるようなことはないというふうには考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。
 今の御答弁では法令違反を認めてまで広げるものではないと、生命、身体の安全、その確保は言うまでもないという御答弁だったと思いますけれども、その答弁をまず確認をさせていただいたということで、それを受けて、その主務大臣である国土交通大臣である石井大臣に御確認をさせていただきたいと思いますが。
 この間、一九九〇年代後半から成長戦略の目玉政策ということで様々な規制緩和が積極的に進められてきました。貸切りバス、乗合バス、またタクシー事業に対する大幅な規制緩和が行われてまいりまして、そういったことが運転手の過重労働であったり安全運行にしわ寄せが来て、あの軽井沢のスキーバス転落事故を引き起こしたとも言われております。
 そうした中において、今回、規制のサンドボックス、今まさに審議中でありますので、いろいろと関係団体からも懸念の声をいただいているところでありますけれども、今回、国土交通省といたしまして、この規制のサンドボックスのライドシェアの申請に対しては主務大臣としてどのような対応をされていくのか、確認をさせていただきたいと思います。


○石井啓一国土交通大臣

 自家用車を用いましたいわゆるライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としております。
 国土交通省としては、仮にこのような形態の旅客運送を有償で行うことを前提とした新技術等実証計画の申請があった場合には、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。



○青木愛

 是非、人命の安全を第一にしっかりとした対応を今後ともお願いいたしたいと思います。
 ありがとうございました。





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