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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年11月20日 国土交通委員会

各種自然災害への対策について




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。
 今日は、災害対策についてお伺いをいたします。
 言うまでもありませんけれども、今年は甚大な自然災害に襲われました。六月に発生しました大阪北部地震、七月の西日本豪雨、また九月の四国、近畿を襲った台風二十一号、また九月六日の北海道胆振東部地震、四十度を超えた猛暑などです。近年の災害は、ますます悪化をする異常気象の影響を強く受けまして、甚大な被害を日本列島にもたらしております。
 まずお伺いをいたしますのは、七月の西日本豪雨災害で千ミリを超える豪雨が各地を襲いました。愛媛県西予市野村町を流れる肱川が記録的な豪雨に襲われまして、鹿野川ダムとその上流にある野村ダムが雨量を受け止めることができなくなりまして放流をするという事態になりました。
 西予市は、住民への避難勧告を明け方午前五時過ぎに防災無線で呼びかけたということです。また、地元の消防団の方々が全戸を回られたという話も聞いております。しかしながら、残念ながら、河川の決壊で八名の方が亡くなるという被害が発生をしております。住民の中には、雨で防災無線の音が聞こえなかった、聞こえたけれども、いつもの放流だと思っていたなどと証言もございます。
 今、この原因について検討会が開かれているというふうに伺っておりますけれども、今のタイミングでの検討状況をお知らせいただければと思います。


○塚原浩一 水管理・国土保全局長

 お答えいたします。
 平成三十年七月豪雨につきまして、これまで経験のない異常な豪雨による事態であったということを踏まえまして、国土交通省では、より効果的なダムの操作や有効活用の方策、より有効な情報提供や住民への周知の在り方等を検討するため、新たに学識者等から成る検討会を九月に設置をいたしました。
 この検討会におきまして、住民の避難行動につながるよう、ダムに関する情報等を改善すること、あるいは、利水のための容量を、関係者の協力の下、洪水調節に更に活用することなどの意見をいただいております。更に検討を進めた上で、年内を目途に検討会の提言を取りまとめていただく予定でございます。その結果を踏まえまして具体的な対策を進めてまいります。



○青木愛

 もはやダムがあるから安心ということはできないというふうにも認識して、新たな認識を持ちましたし、また情報のタイミングであったり、伝え方であったり、こういったことも課題であろうかと思いますし、まずは年末の御報告を待ちたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、一たび災害が起きますと、旅館やホテルなどのキャンセルが相次ぎます。災害時において、被災地あるいはその周辺地域の旅館、ホテル等を借り上げて避難所として活用することは、旅館業者にとっても、また避難住民にとっても、双方にとってメリットがあろうかと思うんですが、この点について内閣府の見解をお伺いをしたいと思います。


○小平 卓 内閣府大臣官房審議官

 お答え申し上げます。
 内閣府が市町村向けに作成いたしました避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針には、公共施設のみでは避難所を量的に確保することが困難な場合には、旅館、ホテル、企業といった施設を活用できるよう事前に協定を締結するなどしておくことを記載しているところでございます。
 内閣府としましては、平成三十年七月豪雨災害におきまして、ホテル、旅館を避難所として活用できることをお知らせするとともに、その費用も災害救助費の国庫負担の対象としているところであります。
 特に、障害者や高齢者など、避難所での生活に配慮が必要な方にとっては、ホテル、旅館を使っていただくことが非常に有効だと考えております。例えば、岡山県におきましては、七月九日から十一月十日まで、延べ約六千人を福祉避難所として受け入れたと聞いております。
 いずれにいたしましても、内閣府としては、支援を必要としている被災者の方々、避難者の方々が適切な支援を受けられるよう、ホテル、旅館の活用を含め、市町村に必要な取組を促してまいりたいと思ってございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 今回の災害時に、岡山県で福祉避難所として、要配慮者であります障害をお持ちの方であったり、高齢者の方々の利用があったというふうに伺いました。今後とも、地元からの要請に基づいて、是非とも積極的な国としての支援体制を取っていただきたいと思いますし、また、こうしたことができるということを自治体へも周知をしていただければというふうに思います。
 次に、災害廃棄物の対応について伺いたいのですが、日常のごみ処理というのは自治体が管轄をしておりますけれども、大規模災害等で大量の災害ごみが発生した場合に自治体単独では到底処理できないわけであります。
 私どもが広島に伺いましたときに、この災害廃棄物を港から大きな処理場がある兵庫県へと運搬をするというふうに伺いました。今後、日本全国におきまして、行政をまたいだ形、広域でのこうした協力体制というのをあらかじめに構築をしておくことが必要だと思いますが、この点については環境省に御見解を伺います。


○山本昌宏 環境省環境再生・資源循環局長

 お答え申し上げます。
 膨大に発生いたします災害廃棄物を適正かつ迅速に処理するためには、御指摘のありましたように、地域ブロックでの連携というものももちろん、自治体レベルから全国レベル、それぞれのレベルでの取組を推進することが重要と考えております。
 自治体レベルにおきましては、自治体の災害廃棄物処理計画の策定を推進し、災害廃棄物対策の加速化を図るため、モデル事業による支援等を進めております。
 地域ブロックレベルでは全国八つの地域ブロック協議会を設置いたしまして、地方環境事務所が中心となって、ブロック別の行動計画の策定など都道府県の枠を超えた広域連携体制の構築に取り組んでおります。また、全国レベルでは、災害廃棄物対策に長じた有識者、技術者、業界団体等を集め、災害廃棄物の広域処理を支援する仕組みであるD・Waste―Netを整備しております。
 これらを通じまして、今後とも引き続き全力で支援してまいりたいと思っております。



○青木愛

 ありがとうございます。
 この災害廃棄物処理計画という策定率がまだ低いというふうに伺いましたので、是非各自治体に呼びかけをお願いいたします。
 そして、次にですが、午前中にも朝日先生の方から御指摘がありました、私も首都圏の災害対策についてお伺いをさせていただきます。
 海抜ゼロメートル地帯が広がります江東五区、墨田、江東、江戸川、葛飾、足立区、この五区でございますけれども、広範囲での水害が発生した場合に、二百五十万人もの住民が東京都二十三区を越えて近隣の千葉県、茨城県、埼玉県、東京西部、また神奈川県などに避難をしなければならないということが想定をされております。
 こうした大規模避難に際しましての避難先であったり避難手段であったりということが今検討されているということなんですが、二百五十万といいますと、大体一区で三十万から四十万人の人口でありますので、ほとんど区民全員が避難をしなければならないというような数字なんですけれども、大変ちょっと想像付かないような状況なんですが、今の検討状況を教えていただきたいと思います。


○小平 卓 内閣府大臣官房審議官

 お答え申し上げます。
 ゼロメートル地帯は浸水した場合の浸水深が大きく、また浸水が長期化するなどのことから、極めて深刻な被害が想定されているところでございます。
 国におきましては、平成二十七年の関東・東北豪雨の際に広域避難が課題となったことを踏まえまして、中央防災会議の下にワーキンググループを設置し、三大都市圏のゼロメートル地帯を念頭に、大規模かつ広域的な避難の在り方について検討を進めてまいりました。
 検討に当たりましては、ただいま先生おっしゃいました、江東五区が共同で進めております荒川や江戸川の堤防の決壊などによる大規模水害時の避難に関する検討と連携をいたしまして、本年三月、想定される課題や検討に当たっての基本的な考え方、その際の留意事項などについて取りまとめたところでございます。
 現在、これを受けまして、東京都と共同で近隣の埼玉県や千葉県を含む関係自治体、交通事業者、河川管理者等で構成する検討会を設置し、大規模かつ広域的な避難に当たり重要な項目であります避難場所及び避難手段の確保等について検討を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、関係機関と連携しまして、大規模かつ広域的な避難実現に向けた取組を進めてまいりたいと思ってございます。



○青木愛

 ありがとうございます。あらゆる最悪の状況を想定して取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、気象庁の方に先にお伺いをしたいと思いますけれども、先ほども室井先生の御答弁にありましたが、この避難指示の大本が気象庁ということになります。いろいろ気象情報の精度の向上であったり、情報伝達のタイミングであったり、また伝達の方法であったりということが今課題になっているかと思いますけれども、これまでも災害のたびにいろいろと改善に向けたお取組をされていると思いますが、先ほどの答弁と重ならない部分がございましたら端的に御答弁いただければと思います。


○橋田俊彦 気象庁長官

 お答え申し上げます。
 自然災害を軽減するため、気象庁からの情報発信は極めて重要であると考えております。
 この点に関しまして、本年八月に交通政策審議会気象分科会から、二〇三〇年の科学技術を見据えた気象業務の在り方の提言がなされました。この提言におきましては、気象情報やデータの利活用を促進すること、さらに、観測、予測精度に係る技術開発を行うこと、この二つを車の両輪として取り組むべきとされたところでございます。このうち、防災気象情報の利活用につきましては、先ほど地域の防災力を支援するための取組について御紹介をさせていただいたところでございます。
 これに加えまして、やはり防災気象情報を早め早めの防災対応に的確に利用いただくためには、大雨などの気象の正確な予測が何より重要であります。このため、提言において両輪とされたもう片方の観測、予測精度に係る技術開発につきましては、予測の基盤となる観測網の充実を進めるとともに、線状降水帯による集中豪雨や台風の進路の予測精度の向上に向け、大学など研究機関とも連携しながらしっかりと取り組んでいくこととしております。
 以上でございます。



○青木愛

 ありがとうございます。これからも不断の改善に向けたお取組をお願い申し上げます。
 そして、このようなソフト面とともに、やはり大規模災害を防ぐためにはハード面での対応が不可欠だというふうに認識を新たにしております。
 首都圏で今、荒川の決壊を防ぐためにいろいろなことが方策が取られていると思いますけれども、中でも、ちょっと地元で伺いましたのは、その荒川の上流で調整池、洪水を一時的にためる池のことですけれども、今一つ機能しておりますが、この調整池の整備を更に二つ進めるという計画があるやに聞いております。そのほかにも、堤防のかさ上げ工事であったり高規格堤防の整備であったり様々な取組が必要かとは思いますけれども、今のこのハード面での取組の状況についてお伺いをさせていただきます。


○塚原浩一 水管理・国土保全局長

 お答え申し上げます。
 荒川におきましては、これまでにも二瀬ダム等の上流ダム群、あるいは中流部におけます荒川第一調節池などの洪水を調節する施設の整備、また、洪水の流れの支障となっております橋梁の架け替えとそれに伴う堤防のかさ上げなど、洪水や高潮等による災害の発生の防止又は軽減のため様々な治水対策を実施してきております。また、大規模な洪水、高潮に対しても、堤防が決壊することのないよう、非常に幅の広い高規格堤防、いわゆるスーパー堤防につきましても、沿川のまちづくりと連携して整備をしているところでございます。
 さらに、委員御指摘のとおり、本年度から新たに荒川第二あるいは第三調節池、この二つにつきまして整備に着手をしております。現在、二〇三〇年度までの完成を目途に整備を進めております。
 いずれにしましても、引き続きまして荒川の治水安全度の向上にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。



○青木愛

 ありがとうございます。
 この調整池、あと二つ整備をしていただくということは、荒川の下流域であったり河口域の方々にとっての大変安全と安心につながるということで期待をしているんですけれども、十三年間を掛けて完成に向けて今取組をしていると。今年も予算が付いて調査は始まったというふうに伺っておりますが、十三年というのも長いようでとても早いので、本当に一年一年の進捗状況が気になるところなんですけれども、今年も災害が多発をいたしまして、もちろん被災地の復旧復興、これは最優先されなければなりませんが、これと同時に、やはりこうした首都圏のみならずですけれども、この予防的治水という観点からやはり十分な予算の確保が必要だというふうに考えます。国の使命はもちろんのこと国民の命を守ることでありますから、政治が想定外という言葉で逃げるわけにはならないわけであります。
 石井大臣にお伺いをいたしますが、この首都圏のみならず、本日、諸先生方から指摘がございましたけれども、日本全体が自然災害に強い安全、安心の国土とするために災害に対する予算の底上げというものが必要だというふうに考えます。石井大臣の御決意を是非お聞かせいただきたいと思います。


○石井啓一 国土交通大臣

 本日も御答弁させていただきましたが、平成二十七年の関東・東北豪雨を受けまして、社会全体で水防災に対応する水防災意識社会再構築ビジョンというものを作りまして、危機管理型のハード対策とそれから住民目線のソフト対策と、両輪相まってしっかりと取り組んでいこうという取組を進めております。その間、また平成二十八年には岩手県の岩泉町でグループホーム楽ん楽んで御高齢の方がお亡くなりになったり、あるいは昨年福岡の七月豪雨があったり、また本年は西日本で七月豪雨があったりと、毎年の災害の教訓も踏まえて、今、水防災意識社会の再構築ビジョンを更に中身を充実させて行っているところでございます。
 さらに、今総理の御指示で緊急インフラ点検ということをやっておりますので、これは河川もその対象にしておりまして、重要な箇所については今後三年間緊急的に、集中的に対処して行う予定であります。
 いろんな取組を今後も引き続きしっかりと行いながら、河川の安全性、住民の皆さんの生活、財産を守るためにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。



○青木愛

 期待しております。是非よろしくお願いいたします。
 質問を終わります。ありがとうございます。








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