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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年12月6日 国土交通委員会

貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案について




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。自由党とそして社民党を代表して質問に立たせていただきました。
 トラック運送は、ドア・ツー・ドアの利便性と、時間を問わないフレキシブルなサービスを得意といたしております。経済活動また国民生活には欠かせない国内物流の基幹的な輸送機関として重要な役割を担っていただいております。
 いわゆる物流二法が施行されました一九九〇年を境にいたしまして新規参入が容易になり、事業者数が激増したことにより企業間競争が激化をいたしました。適度な競争は必要だと考えますが、過度になりますと、そのしわ寄せは必ず安全性の軽視とそして運転手の方々の労働環境の悪化に向かいます。そのため、残念ながら、若者にとっても魅力の少ない業種と今なっております。
 そこで、以下、まとめて質問させていただきます。
 今回の改正におきまして、過度な企業間競争が抑制され、適度な競争が確保されるのかどうか。そして、しわ寄せを受けやすいトラック運転手の方々の健康の維持と、そして給与等の処遇の改善に向かうのかどうか。この点が一番大事だと思うんですが、働き方改革の実施によりましてそれまでの行き過ぎの長時間労働が改善されることは結構なことなんですけれども、そのため、それまで稼いでいた賃金が減少してしまうという可能性もございます。それでは改善にはならないというふうに思うんですが、そうした事態にはどのように対応されるのか。また、強い立場にあります荷主の無理強いが抑制されるのかどうか。そして、最終的には消費者であります国民の理解が必要だと思います。国民の理解を得る努力、どのように行われるのか。
 以上の点をまとめてお聞かせいただきたいと思います。


○衆議院議員(盛山正仁君)

 委員から御指摘がございましたとおり、平成二年の貨物自動車運送事業法の制定、あるいは、その後、平成十四年に法改正をしているわけでございますけれども、一定の規制緩和が行われ、トラック運送事業への新規参入が容易になるとともに営業の自由度も高まり、市場の活性化という観点から一定のメリットがあったというふうに考えております。
 しかしながら、先ほど来お話がありました当時、規制緩和の前、四万社程度であった事業者が六万社程度に増加をする、明らかにトラック事業者間における競争が激しくなったということも事実でございます。その結果、例えば社会保険に加入せずに事業を運営する事業者もいるなど、一部においては不健全な競争が生じている状況にあると承知しております。
 今回のこの御提案でございますけれども、これによりまして、規制の適正化、事業者が遵守すべき事項の明確化等の措置により、法令を遵守できる環境を整えていくことで事業の健全な運営が図られ、ドライバーの労働条件の改善が図られるとともに、こうした不健全な競争が生じている状況の改善につながるものと私たち期待しているところでございます。
 それから、トラックのドライバーの、運転手の健康の維持、給与でございますけれども、先ほど来御指摘がありましたとおり、トラックドライバーにつきましては他の産業に比べて長時間労働、低賃金の状況にあります。トラック運送業の担い手でありますドライバーを確保、育成していくためにはこうした状況を改善していく必要がある、だからこそ今回の法案を提出しているわけでございますが、そのために、トラック運送業の健全な発達、トラックドライバーの労働条件の改善を図るために、規制の適正化、事業者が遵守すべき事項の明確化、そして荷主対策の深度化、さらには標準的な運賃の告示制度の導入という措置を御提案しているところでございます。
 特に、この今回の法案のポイントでございます荷主対策の深度化につきましては、先ほど来お話が出ておりますけれども、平成三十五年度末までの時限措置としまして、国土交通大臣による荷主への働きかけなどの規定を新設するということを盛り込んでおります。
 この働きかけ等につきましては、国交大臣のみで対応するものではありません。国土交通大臣が労働政策や荷主を所管する関係行政機関の長の協力を得ながら行うこととしているところが今回の法案のポイントでございまして、関係省庁が連携協力して取り組んでいくことになると考えております。
 これらの措置を実行することによりまして、事業者が安全面、労務面も含めて法令を遵守して事業を実施していくことになること、さらには、取引環境の適正化が進むことによりまして、法令を遵守しつつ持続的に事業を実施するために必要となるコストを賄い得る環境が整っていくこと、こういったことを通しまして、結果的にトラックドライバーの長時間労働、低賃金の状況について改善が図られるものと考えております。
 また、トラックドライバーの賃金でございますけれども、今申しましたとおりでございまして、この状況の改善、トラック事業者の状況の改善、こういうことも含めまして、事業者が安全面、労務面も含めて法令を遵守して事業を実施していくこと、そして、取引環境の適正化が進むことによりまして、法令を遵守しつつ持続的に事業を実施するために必要となるコストを賄い得る環境が整うこと、これらを通じることによりまして、ドライバーの長時間労働、低賃金の状況について改善が図られると考えております。
 荷主の無理強いでございますけれども、先ほど来申し上げました荷主対策の深度化というところで、荷主の配慮義務を設けました。そして、荷主勧告を行った場合には当該荷主の公表、これも明記しております。さらには、平成三十五年度末までの時限措置、先ほど述べたような措置、こういった措置を講じておりますので、これらによりまして荷主の理解、協力が得られる環境が整っていくと考えております。
 最後に、国民の理解ということでございます。
 消費者である国民の方々に対しましては、小売店などでの商品の購入など一般消費財の最終ユーザーとしてのお立場、あるいは宅配便などにおける配送サービスの利用者としてのお立場、いろんな様々なお立場があり、物流やトラックに対する重要な関係者となっておられます。
 このため、トラック運送業の働き方改革を進める上では、トラック運送業が我が国の経済活動、国民生活を支える重要な社会インフラであるということ、物流がなければ我々の生活は成り立たないということ、そして、法令を遵守しつつ必要な人材をきちんと確保して持続的にその機能を発揮していく上で一定のコストが必要となること、さらには、物流の特性でございます運ぶ前のリードタイムでありますとか平準化、ピークをならすといったようなこと、こういったことがその運送の効率性の向上に大変大事であること、こういったことについて国民の皆様に理解と協力を得ていく必要がある、これが大事なことだと思っておりますので、現在、ホワイト物流推進運動ということを国土交通省が進めております。ブラックに対してのホワイト物流ということでございますが、このホワイト物流推進運動におきまして、関係省庁、物流事業者、経済団体等の幅広い関係者が連携して、消費者でございます国民の皆さんも対象とした周知広報活動に積極的に取り組んでいただくことによって御理解が得られるものと期待しているところでございます。
 以上です。



○青木愛

 御答弁、本当にありがとうございます。
 国民生活にとってトラック運送というのは大変重要な役割を果たしていただいているということを国民に理解をしていただくことが重要だというふうな御答弁をいただいたと思っております。
 とにもかくにも、現場で働くトラック運送、トラック運転手の方々の健康の維持と安全の確保、そして賃金等処遇の改善、また労働環境の改善に向けて大きく前進をしますことを期待をしておりますし、また、私たちもしっかりと協力をし、今後とも支援をさせていただきますことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。






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