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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成31年3月7日 予算委員会

平成三十一年度一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算について




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○青木愛

 国民民主党・新緑風会の青木愛です。今日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、この十月に消費税増税が予定されておりますが、増税に伴って幼児教育、保育の無償化が実施される予定になっております。その点からお伺いをしていきたいと思います。
 まず、今回の幼児教育の無償化なんですが、三歳から五歳までの幼稚園、保育所、認定こども園、これらが所得制限なしで無償になります。一方、ゼロ歳から二歳の子供の方が三歳以上の子供よりは保育料が高額でありまして、負担が重いにもかかわらず、住民税の非課税世帯だけが対象となっております。
 幼児教育は無償にするんだけれども、保育の方は二の次という印象を受けますけれども、今回どのような考え方でこのような方針になったのか。また、今後、ゼロ歳から二歳の子供に対するこの無償についてはどのようにお考えになっているのか。まず、そこからお伺いさせていただきたいと思います。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 お答えいたします。
 今般の幼児教育、保育の無償化でございますけれども、三歳から五歳につきましては全てのお子様でございますけれども、ゼロ歳から二歳までのお子様につきましては、待機児童の、これの問題がございますので、その解消に最優先で取り組むことといたしまして、住民税非課税世帯を対象として進めることといたしました。
 ゼロ歳から二歳までの子供たちの更なる支援につきましては、少子化対策や乳幼児期の生育の観点から、安定財源の確保と併せまして検討することとしてございます。


○青木愛

 待機児童を優先にしながら、その整備が整い次第、また無償化に向けて検討を続けていくということでよろしいんですね。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 繰り返しになりますけれども、少子化対策、乳幼児期の生育の観点から、安定財源の確保と併せて検討させていただくということでございます。


○青木愛

 ありがとうございます。
 今回、この幼児教育、保育の無償化は、国がある意味一方的にこの政策を打ち出したという印象を受けております。地方自治体においては、今後の財源確保ができるかどうかということを大変不安視をしております。
 今年の三十一年度の十月から来年三月までは国の方がこの無償をきっちり保証してくれるということではあるんですけれども、三十二年度の四月以降、これ、どのような財政負担になるのかということを教えていただきたいと思います。
 園の運営費とそして保育料で園は賄っておりますけれども、運営費の部分は変わらず、保護者からいただいている保育料の部分が無償になります。その保育料の部分の負担の割合というのは運営費の割合と一緒だと伺っておりますが、まず、それでよろしいんでしょうか。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 お答えいたします。
 基本的には、認可保育所等に係る負担割合と運営費と同様の割合という整理でございます。


○青木愛

 そうしますと、地方のこの負担が増えるということになるわけなんですけれども、この地方負担において、今後、次年度以降どのような形になるかというのは今のですよね。そうすると、例えば公立の園の場合、地方が十分の十持つことになっています。つまり、全額、公立の保育園、幼稚園、またもろもろの園については地方自治体が十分の十、満額負担をしなければならなくなります。
 保育料を全額負担をすることになりますけれども、それについて地方自治体からは大変懸念の声が上がっておりますので、その点については今後いかがお考えでしょうか。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、基本的には、認可保育所等に係る負担割合、これと同様に整理させていただいておりまして、現行でも、公立保育所、認可保育所は地方負担十分の十ということにさせていただいております。
 ただ、先ほど委員もお話しになりましたけれども、地方消費税の増収分が初年度は僅かであることを踏まえまして、初年度に要する経費につきましては全額国庫負担ということにさせていただいていることでございます。
 また、これらその負担割合、それから初年度を全額国庫負担にすることにつきましては、国と地方の協議の場を通じまして地方三団体からも御了解をいただいているところでございます。


○青木愛

 御了解とおっしゃいますけれども、地方自治体からは不満の声が今も届いております。
 消費税、地方の消費税の増税分をその無償に充ててもらうということなんですけれども、そこにまず問題点が幾つかあるんですが、この消費税で賄えない場合はどうなりますでしょうか。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 お答えいたします。
 今般の幼児教育、保育の無償化の財源につきましては、消費税率引上げに伴い国と地方へ配分される増収分を活用することとしてございまして、国の責任におきまして必要な地方財源をしっかりと確保していく所存でございます。


○青木愛

 地方消費税でまず賄うということなんですが、それで賄い切れない場合、その場合はどうなりますか。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官)

 お答えいたします。
 一部繰り返しになりますけれども、初年度に要する経費につきましては全額国庫による負担とさせていただくこととしてございます。
 その後でございますけれども、今般の幼児教育、保育の無償化に当たりまして地方団体の財政運営に支障が生じないよう、総務省としっかりと連携しながら適切に対応してまいりたいと考えてございます。


○青木愛

 その上乗せの部分は地方交付税で賄われるということでよろしいんですか。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 繰り返しになりますけれども、消費税率引上げに伴いまして国と地方へ配分される増収分、これは地方交付税とまた地方消費税があるというふうに認識してございますが、これらを活用することとしておりまして、国の責任においてしっかりと地方財源を確保したいと考えております。


○青木愛

 国の責任においてしっかりと財源を確保していただくという御答弁をいただきました。
 その際に、もう一点問題があるのは不交付団体ですね。不交付団体が全国に八十超ぐらいあるかと思うんですけれど、この不交付団体についての補助はどうなりますでしょうか。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 お答えいたします。
 地方交付税の交付団体、不交付団体を問わず、消費税引上げに伴い国と地方へ配分される増収分を活用することによりまして、必要な地方財源、しっかりと確保してまいります。
 また、不交付団体、交付団体問わず、繰り返しになりますけれども、初年度に要する経費につきましては全額国庫による負担ということも整理させていただいているところでございます。


○青木愛

 初年度は分かっているんですが、その次年度、三十二年度以降の負担についてお伺いしているわけなんですが、不交付団体についてはどうなりますでしょうか。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 次年度以降につきましては、基本的には認可保育所と同等の負担割合になってまいりますけれども、次年度以降につきましては、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、繰り返しになりますけれども、総務省と連携しながら引き続き適切にしっかりと対応してまいりたいと考えております。


○青木愛

 不交付団体、交付団体、公平に是非取り扱っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


○林崎理 総務省自治財政局長

 お答えいたします。
 先ほど来政府側からも答弁させていただきましたとおり、今般の幼児教育の無償化に係る財源の在り方、財政負担とその財源措置の在り方につきまして、国と地方で協議をして御承知のような形で整理されたところでございますけれども、そういった中で、初年度はもう先ほど来申し上げているとおりでありますし、また、二年度以降、地方消費税が平年度化して増収して、増収が見込めるという状態にもだんだんなってまいります。
 また、地方財政計画の策定で必要な経費についてしっかりと歳出にも計上し、歳入も見込み、その上で地方交付税を個々の団体について算定をしていく。
 そういった中で、今御懸念のような点につきまして財政運営に支障が生じるようであれば、適切に財政措置もまた私どもとして講じてまいりたいと考えているところでございます。


○青木愛

 その際、一点ちょっと疑問に思いますこともありますので、お尋ねしたいと思います。
 この消費税なんですが、消費税増税で上乗せされるこの地方の消費税、この財源を幼児教育、保育の無償化に充てるということなんですけれども、これ、一般財源であってひも付きではないわけなんですが、この地方消費税を国がこうしたことに使いなさいということを指示していいのかなというふうに思うんです。
 この地方消費税は地方団体の判断で自由に使えるお金ではないかなと、ほかにもいろいろ充てたい部分ありますよね。でも、これを国が一方的にこれは保育の無償に使いなさいと地方自治に指示することは、これは問題なのではないかなというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。


○林崎理 総務省自治財政局長

 お答えいたします。
 御指摘のとおり、地方消費税の増収分につきましては、地方税法で社会保障に要する経費に充てるものとするとは規定、おりますけれども、その範囲内で地方の自主的な判断で使える一般財源でございます。
 それで、一般財源であるという言葉の意味ですけれども、例えば、その反対側にあります特定財源として国庫補助金といったものがございます。国庫補助金であれば、この事業に財源として使わないといけませんよということがもう事業事業で言わばひもが付いている、そういったものが、特定財源、国庫補助金などが典型ですけれども、そういったものがあるわけでございますが、一方で、委員御指摘のとおり、地方消費税の増収分、一定の社会保障に要する経費に充てるものとするとは書いていますけれども、どの事業にということまでは規定されていない。そういう意味では一般財源でございます。
 他方で、今般の幼児教育の無償化を実施していく上で必要となる財源につきましていろいろ議論していく中で、幼児教育の無償化実施に伴う地方負担につきまして、これ地方財政全体としては地方消費税の増収分が平年度化すれば十分賄える、こういうことになるわけでございまして、必要となる一般財源、先ほども答弁一部ありましたけれども、今般の地方消費税の増収分、あるいは毎年度確保する地方交付税、入ってくる地方税もございます。そういった必要となる一般財源総額の中でこの地方消費税の増収分というのはこれはカウントできるということで議論があったわけでございまして、先ほども御紹介あったように、国と地方で協議を進めまして、今回の財政負担とその財源措置、御了解をいただいた、こういうことでございます。


○青木愛

 できれば大臣にお伺いしたいと思いますけれども、これ閣議決定で決まったということなんですが、やはり地方自治は憲法にもそれが尊重されているわけですよね、地方自治は尊重されているわけなんですが、この一般財源である地方消費税を国の指示でその使い道を決めていくということは許されるのかどうかということなんですけれども、どなたか大臣にお伺いしたいと思いますが。


○宮腰光寛少子化対策担当大臣

 この幼児教育、保育の無償化に伴う地方財源の問題につきましては、昨年、地方三団体の皆様方と何度も何度もお会いをいたしまして、また地方三団体を私も訪問をさせていただきまして、丁寧に議論を重ねてまいりました。
 この幼児教育、保育の無償化そのものについての御理解は既に十分いただいておりましたけれども、地方財源につきましても、丁寧な議論の結果、地方三団体の方々から御理解をいただいたものというふうに考えております。(発言する者あり)


○麻生太郎財務大臣

 よろしいですか。
 今の御質問ですけれども、国と地方の協議段階で、市町村協議会、また市町村会等々からこのお話があって、市町村会の会長と、今の大臣の答弁にありましたとおり、私どももこの問題につきまして、総務省関係の話と私どもの話といろいろ関係いたしましたので、いろいろ協議を、これ大分協議をさせていただきました結果、御納得をいただき、御了解をいただき、円満に解決したと思っております。(発言する者あり)


○青木愛

 済みません。じゃ、ひも付きではないこの地方消費税を、使い道を国が地方自治体に指示していいかどうか、それが適切かどうかということを伺っております。


○宮腰光寛少子化対策担当大臣

 財務大臣からも御答弁があったとおりでありまして、私どもは決して指示をいたしたわけではありません。最終的には国と地方の協議の場で御理解いただいたということでありますし、また、その前段として、この問題における国と地方の役割分担ということで私どもの方から協議をお願いをして、御理解をいただいて合意に至ったということであります。


○青木愛

 協議をされたということでありますけれども、いまだに私のところには懸念の声もありますし、この地方消費税ということを、では、例えばこの地方消費税、これをほかの政策に充てたいと、今後、自治体の方から要望があったときには、それはまた協議に応じていただけるんでしょうか。


○宮腰光寛少子化対策担当大臣

 この件については、その財政負担の問題というよりも、引き続き、例えば地方三団体の皆さん方が御懸念を持っておいでになりますこの保育の質の問題等々については、引き続き協議の場を設けて進めていくというふうなことになっておりまして、必ずしも、今委員御指摘いただいた財政負担の問題について、この後引き続きということにはなっておりません。


○青木愛

 どうすればいいですかね。
 地方自治体からは、国が大変聞こえのいいこの無償化という政策を一方的に決めてしまったと、大変慌てているということで、その後協議の場も設けていただいたのかもしれませんが、決して納得をしているわけではないと思います。そして、この地方消費税、地方自治体が自由に本来使えるその財源を国の指示で固定化してしまうというのは根本的な問題があると、私はそう思っております。
 これは引き続き答弁を求めていきたいと思います。また機会を改めたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
 この保育の無償化について、今の点が一番今回の私が質問したかった部分でございますが、ほかにも様々課題がありますので、伺っていきたいと思います。
 この無償化によりまして、待機児童がまた増えることが予想されております。平成二十八年度、独自に第二子以降の保育料無償化を開始しました兵庫県の明石市、入所希望者が予測を大きく上回りまして、平成三十年には待機児童数が全国で最多となったということでございます。
 この保育所費用の無償化によりまして、更に受皿を整備しなければなりませんし、また保育士の不足も心配されております。この点に対する国の支援はどのように考えておられますでしょうか。


○浜谷浩樹 厚生労働省子ども家庭局長

 お答えいたします。
 まず、幼児教育、保育の無償化によります保育の潜在ニーズへの影響でございますけれども、次の理由から限定的ではないかというふうに考えております。
 一つは、今回の無償化の対象としております三歳から五歳児でございますけれども、基本的には既にほとんどの子供が認可施設を利用できております。また、ゼロ歳から二歳児でございますけれども、これは住民税非課税世帯に限定しております。こういった理由から、限定的ではないかというふうに考えております。
 また、保育の受皿整備でございますけれども、子育て安心プランによりまして三十二万人分を整備する計画でございますけれども、これは二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二二年度末に他の先進国並みの八割まで上昇することを想定いたしまして、必要な整備量を推計したものでございます。したがいまして、今後、様々な要因によりまして保育ニーズの増大があったといたしましても、十分可能なものとなっているというふうに考えております。
 また、保育の人材確保でございますけれども、受皿の拡大と同時に、それを支える保育人材の確保が不可欠であるというふうに考えております。処遇改善、累次行ってまいりましたけれども、こういったもののほか、新規の資格取得の促進、就業継続、離職者の再就職の促進といった観点から、総合的な支援に力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。


○青木愛

 保育士の新規資格取得支援ということでありますが、子育てを経験された主婦の方の活用ということも考えていくことも大事かなというふうに考えています。
 地方ではいろいろな創意工夫でなされておりますけれども、保育士の資格をもう少し緩くしていただいて、子育ての経験があればしっかりと子供を見ることができると思いますので、何か講習などを受けながら、そうした施設で働けるという道も考えていってもいいんじゃないかなというふうに思っております。
 もう一点でございますが、せんだって、委員会でも取り上げられておりました給食の副食費についてですけれども、保育料が無償になりますことにより、保育料は無償、原則無償なんだけれども、この副食費については別途徴収するというふうに伺っておりますけれども、自治体によっては、もう既にその副食費も含めて保育料全体を無償にということで先駆けて取り組んでいる自治体もございまして、ちょっと心配の声がございますが、その点についてお伺いします。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 お答えいたします。
 幼児教育、保育の無償化に当たりまして、食材料費につきましては引き続き保護者に御負担いただくこととし、あわせまして、副食費の免除対象をこれまでの生活保護世帯と一人親世帯から年収三百六十万円未満相当の世帯に拡充した上で、給食費として施設に徴収いただくこととさせていただく方向でございます。この取扱いにつきましては、先ほど申し上げました副食費の免除対象となる世帯はもちろんのこと、免除対象とならない年収三百六十万円以上相当の世帯におきましても、国の定める基準どおりの保育料となっている世帯では負担増にはならないと考えてございます。
 また、これまで、先ほど委員お触れになられました市町村が単独で国基準よりも減免して保育料を徴収されておられる、減免されておる部分につきましては、今般の幼児教育、保育の無償化によりまして、国、都道府県も負担を行うということになりますので、市町村の財政負担はそういう意味では軽減されるものと考えられると承知してございます。
 こうしたことから、各自治体におきましては、昨年末、幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針ということで閣僚合意してございますけれども、その中におきまして、今般の無償化に当たり、自治体独自の取組の財源を地域における子育て支援の更なる充実等に活用することが重要とされてございまして、この趣旨を踏まえまして、自治体におかれましては対応に御配慮いただきたいというふうに考えているところでございます。


○青木愛

 三百六十万未満の世帯においては更に無償が逆に広がるという認識でよろしいんですよね。
 そして、三百六十万以上なんですけれども、今の御答弁の中で、先駆けてその副食費を含んで保育料も無料にしている自治体についても、そこは補填、補填というか、国と都道府県が責任を持つと先ほどおっしゃいましたでしょうか。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 お答え申し上げます。
 市町村が独自で国基準より保育料を減免しているような場合には、それは、今、市町村が独自で無償化をされて、減免されておるわけでございますけれども、その部分に、今般無償化ということで、まさに国、都道府県の負担割合が入ってまいります。それまでは市町村独自だったのでございますけれども、国と都道府県が何らかの負担割合の下で入ってまいりますので、その部分、市町村の財政負担は軽減されるというふうに我々は理解しているところでございます。


○青木愛

 よく分かりました。それは三百六十万以上の世帯であってもということですね。じゃ、地方自治体の負担割合、市町村の負担は減るということになりますね、割合で。ありがとうございます。それ、是非よろしくお願いいたします。
 次に、認可外施設のことですが、認可外施設も無償の対象になるということなんですが、認可外施設といいますと、やはり割高になります、保育料が。ですので、上限があるということなので、上限額を超過した分はやはり保護者が自己負担をしなければなりませんが、そこにちょっと不公平感を感じます。
 その点と、あと、今後この認可外施設を認可施設に移行する何か施策をお持ちだというふうに聞いておりますが、その点について、二点お伺いをさせてください。


○宮腰光寛少子化対策担当大臣

 私の方からは、やむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない方々について、無償化の対象とすることにいたしております。
 なお、こうした方々に対しまして認可保育所の月額保育料の全国平均額が上限として設定されておりますのは、認可外保育施設は利用料が自由に設定をされておりまして、認可保育所の利用者との公平性の観点から上限を設けるということにいたしております。
 認可保育所への移行支援については厚労省の方から。


○浜谷浩樹 厚生労働省子ども家庭局長

 お答えいたします。
 認可外施設の認可施設への移行支援でございますけれども、例えば、移行をするために障害となっている事由を診断し計画書を作成するための費用とか、あるいは認可基準を満たすための必要な改修等に要する費用、それから移行を希望する認可外保育施設の運営費、こういったものに関しまして補助を行っております。
 なお、運営費につきましては、この平成三十一年度予算案におきまして補助基準額を引き上げました。これまでは公定価格の三分の二相当でしたけれども、公定価格に準じた水準までの引上げを行いました。また、公定価格に準じた各種加算の創設等の拡充も行ったところでございます。


○青木愛

 先ほど大臣の御答弁の中で、大抵は認可保育所に入りたいと御希望される方が多いかと思いますが、やむなくこの認可外保育施設を利用することになったと。認可外保育施設でもきちんとやっていらっしゃるところももちろんあるんですけれども、その場合、その上限が決まっていますので超過してしまいますよね。そこのところが、やむを得ず認可に入れず無認可になったがために、保育料が高いので、その上限が決まっていますから、その上乗せの部分だけは保護者が払わなくちゃいけないですよね。そこは不公平だというふうに思いませんか。


○宮腰光寛少子化対策担当大臣

 いろんな観点があると思いますけれども、認可外は基本的に利用料が自由に設定できているということで、実は大変高い利用料のところもあります。
 保育の質ということで、例えば認可保育所であれば一定の質がきちっと確保できている。そういう中での平均的なこの価格を上限としてセットをさせていただく方が、私どもとしては不公平感がないのではないか、公平ではないかというふうな考え方の下でそういうふうにさせていただいているわけでございます。


○青木愛

 私が申し上げているのは、その保護者の立場から見ると、認可保育所に入れば無償なのに、無認可にしか入れなくて自己負担が生じてしまうということの不公平感はお認めいただけますか。


○宮腰光寛少子化対策担当大臣

 今回、五年間、認可外であってもこの無償化の対象とするということにさせていただきましたのは、認可外であっても五年の間に認可保育所に移行していただきたいという考え方も含めてということでありまして、それらを含めて、待機児童対策として、今、これから五年間、認可外についても無償化の対象とするということでございますが、この間に是非認可に移行していただきたいというふうに考えておりますし、厚労省の方から御答弁ありましたとおり、受皿整備三十二万人、それから認可外保育施設の認可保育所への移行支援の仕組みも含めて後押しをさせていただきたいなというふうに考えております。


○青木愛

 保護者から見た不公平感を一刻も早く払拭していただくために、是非認可保育所へ移行しやすく、国としてもしっかりとした支援をお願いをしておきます。
 続きまして、これもニュースでもありましたけれども、全都道府県にあります私立幼稚園百園を対象にした、これは共同通信の調査ですけれども、約四割が来年度に保育料を値上げをするということであります。
 幼児教育の無償化を見越した便乗値上げの可能性が懸念されておりますけれども、この点についてもどのように対応されているのか、お伺いします。


○永山賀久 文部科学省初等中等教育局長

 近年の人材不足等に伴います賃金の上昇等を受けまして、私立幼稚園の保育料は上昇傾向が続いてございます。また、今般、消費税率の引上げに伴うコストの増加も予想される中で、私立幼稚園の保育料の引上げ自体が一概に不適切なわけではないと考えております。
 一方で、今般の幼児教育、保育の無償化は、保護者の経済的負担の軽減を目的としておりますので、質の向上を伴わない保育料の値上げが助長されることがあってはならないと考えております。
 このため、私学幼稚園団体からも質の向上を伴わない保育料の引上げが行われることのないよう呼びかけていただいているところでございますが、政府といたしましても、引き続き、事業者に対する周知徹底を図るとともに、関係団体や都道府県、市町村等とも連携し、実態の調査、把握等についても検討してまいりたいと考えております。


○青木愛

 もう一点、企業主導型保育所についてもお伺いしたいと思いますが、閉鎖に追い込まれた保育所も多いというふうに伺っておりますけれども、倒産や閉鎖に追い込まれた件数、そしてその問題は何だったのか、そして今後の改善策、その点をお聞かせください。


○小野田壮 内閣府子ども・子育て本部統括官

 お答えいたします。
 企業主導型保育事業でございますけれども、休園の施設は今月一日現在で一施設となってございます。また、閉園につきましては、閉園後に、助成決定を取り消して閉園に至った施設が一施設ございます。
 この企業主導型保育事業、制度創設から三年をたちまして様々な課題が出てきてございます。質の確保、事業の継続性の問題、自治体との連携の問題など様々な課題が出てきているところでございまして、現在、有識者から成る検討委員会で実施体制の強化に向けた議論を進めているところでございます。
 去る二月二十五日には取りまとめ骨子案を示させていただいたところでございまして、特に課題が指摘されている保育事業者設置型に関する審査、運営の強化、財務面等の指導監査の充実、必要な場合の国による直接の指導監査、さらには、実施機関が行う相談支援の充実、実施機関と自治体との連携体制の構築への支援といった内容が含まれている、示されているところでございます。
 今年度内に一定の取りまとめを行っていただき、まずはその検討結果をしっかり踏まえまして、内閣府としてしっかりと改善を図ってまいりたいと考えてございます。


○青木愛

 しっかり運営していただいているところは、勤め先に保育所があるのは大変便利なことでもありますけれども、当初、かなり安易に設置していったなというちょっと印象も受けておりますので、大分急がれていたというふうに思いますので、今の問題点しっかりと改善につなげていただきたいと思います。
 続いて、育児休業についてお伺いをしたいと思います。
 今、育児休業は原則一歳まで取れることとなっております。保育所に入れない場合は一歳六か月まで取れると。更に保育園に入れない場合は二歳まで延長になりました。
 これもニュースでありましたけれども、最近わざと保育園を落ちるというケースがあると聞いております。保育園に入れないという証明書がないと会社に育児休業を取れないということになっておりますが、わざわざこんなことをお母様方にさせなくても安心して子育てができる様々なメニューをやはり用意していくべきだというふうに思っておりますけれども、この育児休業制度については今どのような対策が行われていますでしょうか。


○小林洋司 厚生労働省雇用環境・均等局長

 お答え申し上げます。
 今先生御指摘いただきましたように、育児休業制度につきましては、平成二十九年十月から、保育所等に入れなかった場合に最大二歳まで延長するという制度を行っておるところでございます。こうした中で、御指摘のような行動についても地方分権の場等で取り上げられたこともこれは事実でございます。
 その上で、育児休業制度を更に拡充していくかどうかという問題でございますけれども、今現状、育児の負担というのは非常に女性に偏っておりまして、また、育児休業の取得につきましても女性に偏っているという状況がございます。そうした中で制度の拡充だけを進めていくということになりますと、女性活躍という観点からそれはそれでまたどうかという問題もございますので、保育所の整備あるいは男性の育児参加の促進というようなことを進める中でこの育児休業制度の拡充についても今後検討してまいりたいというふうに考えております。


○青木愛

 お母様方が安心して子育てができる環境整備、いろいろなメニューを用意する必要があろうかと思います。
 あともう一点ですが、今回の毎月勤労統計の不正が発覚をいたしまして、本来受けるべき育児休業の手当も少なく給付されていたことも発覚をいたしております。
 今後、追加給付を受ける人数とその追加給付額、一人当たりのそして平均額、この育児休業の手当についてはちょっと遅くなるというようなことも聞きましたけれども、スケジュール感を教えていただきたいと思います。


○土屋喜久 厚生労働省職業安定局長

 お答え申し上げます。
 今御指摘のございました雇用保険の育児休業給付の追加給付につきましては、試算をいたしましたところ、まず総額で約四億四千万円、対象となる方々は現時点で延べ約十四万人、一人当たりの平均追加給付額は、この総額を対象となる方々の数で単純に割り算をいたしますと、約三千百円ということになっております。
 今後の追加給付のスケジュールにつきましては、二月の四日に公表させていただきました工程表に基づき進めてまいりたいと考えておりますが、現在、育児休業給付を受給中の方については四月から順次お支払を開始をしたいと考えております。また、過去に育児休業給付を受給した方につきましては、八月頃からお知らせを申し上げ、また十一月頃から順次お支払を開始をするということを予定してございます。


○青木愛

 この幼児保育の無償化については質問を終わりますけれども、最後にその点についてお伺いしたいと思いますが、待機児童を抱えた家庭にはこの無償化の恩恵は全くないわけであります。希望しても入園できないで仕方なく在宅育児を選択している世帯においては、入園もできないし、しかも無償化の恩恵もないという二重の不満を与えることになります。幼児教育、保育を抱えた同じような世帯にこのような不公平があるのは、大きな問題だというふうに思っています。
 今後、育児休業制度を更に充実をしたり家計の可処分所得を増やす方策を講じたりなど、子育て世代が不公平感を抱くことなく、経済的にも安心して子育てできるメニューをそろえ、各家庭の判断でできるようにすべきと考えますが、この点について最後お願いいたします。この問題について。


○宮腰光寛少子化対策担当大臣

 在宅で子育てをされる方々につきまして、家庭で子育てされる方々への支援も重要でありまして、一時預かり事業の実施、あるいは親子の交流や子育てに関する不安、悩みなどを相談できる場としての地域子育て支援拠点、さらに妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行う子育て世代包括支援センターの整備などを進めてまいります。
 なお、少子化対策大綱については、今見直しの作業に入ったばかりでありまして、全体的な少子化対策等については新年度内にしっかりとした、新たな視点を持った大綱を作成をしてまいりたいというふうに考えております。


○青木愛

 ありがとうございます。
 それでは、ちょっと課題を変えます。消費税増税についてなんですけれども、これまで消費税増税は、三%導入時は平成元年四月、五%への引上げは平成九年四月、八%への引上げは平成二十六年四月でした。全て新年度が始まる四月でございました。今回は十月ですけれども、それはなぜでしょうか。


○麻生太郎財務大臣

 この一〇%への今度の引上げの時期の話ですけれども、一六年六月の二度目の延期の判断の際に、これは総理がおっしゃっているとおりなんですが、世界経済がリスクに直面しているという国際的な共通認識の下で、内需が下振れしかねない状況で経済再生、デフレ脱却というものを完全に期すため、できるだけ長く延期すべきという御意見が当時あったと。
 しかし、他方、二〇二〇年度まで、当時、プライマリーバランスを黒字化するという財政健全化目標の実現を損なわないようにも併せてしなければならぬという必要があったことから、ぎりぎりのタイミングとして十月に実施することにしたということであります。


○青木愛

 私どもは、やはり四月の統一地方選挙、そして七月の参議院選挙、それを意識したのが本音ではないのかなというふうに受け止めておりますけれども、消費税引上げを四月にするのと十月に実施しますのと、それぞれメリット、デメリットがあろうかと思いますが、その点についてお伺いいたします。


○麻生太郎財務大臣

 メリット、デメリットで、例えば駆け込み需要とか反動減とかいうようなことを考えておられるのかもしれませんけれども、これはどちらになりましても、メリット、デメリットということに関して言わせていただければ、四月でも十月でも同じことであります。


○青木愛

 四月は年度初めで全てが切り替わる時期であります。十月というのは、やはり年度途中のちょっと中途半端な時期だというふうに思いますけれども、どちらも変わらないという認識でよろしいんでしょうか。


○麻生太郎財務大臣

 はい。基本的には、駆け込み需要、それから反動減という点に関して言わせていただければ、ほぼ同じことだと思います。


○青木愛

 ただ、国民生活上はいろいろと支障を来すのではないかなというふうに思います。
 消費税増税をいたしますと、景気は必ず後退をするものでございます。総理は、平成二十六年四月、消費税を五%から八%へ引き上げたときの反省から、今度は二兆二百八十億という臨時特別措置を組んでおります。GDPに占める家計消費の割合、約六割でございますが、統計不正でも実質賃金が上がっているか下がっているのかまだ断定できていない状況でございますけれども、こうした状況下で消費税を増税をいたしますと、家計消費は更に後退をして日本経済に悪影響を与える可能性があろうかと思っております。
 家計消費が元気でない今この時期に消費税は増税すべきではないと私たちは考えておりますけれども、増税を実施をするというその判断の根拠をお伺いしておきたいと思います。


○麻生太郎財務大臣

 これは、今の消費税というものの大前提は、これは少子高齢化というこれは国家的な大問題なんですけれども、これに対応していくためには、いわゆる社会保障制度等々を、一部の所得のある方だけに偏るようなことではなくて、全世代型でこれを対応していかなければならぬという大前提に立ちますと、これは何といっても、私どもとしては、社会保障制度の充実とか、またそれの安定化に向けた意味ではこの消費税というものは避けて通れない問題だと、これは大前提であります。
 その上で、現在の経済環境というものを見ますと、これは少なくともデフレーションというものにありましたということははっきりしております。先ほど、二度延長させていただいたあの時代とは今明らかに違っておりまして、企業収益見ましても過去最高になっておりますし、いわゆる所得等々、雇用を見ましても同様な形になっておりますので、やはり経済というのは緩やかに回復しておるということになっているというのは、これは間違いないと思っております。
 また、アメリカとか世界経済見ましても、これ全体としては緩やかな回復基調が続いているという認識に立っておりますので、私どもとしては、今の状態、状況というのは前回の二回のときとは違っているというように判断をいたしております。


○青木愛

 まあ認識の違いなんだと思います。
 複数税率ですね、この複数税率そしてインボイス、この導入についてなんですが、中小の飲食店や食料品店にレジの対応ですとかあるいは税務申告など大きな負担を強いることになりますけれども、このインボイス制度を導入しない小規模事業者が取引先から排除されるのではないかという心配の声が多々届いております。日本の九九%は中小企業、個人経営でございます。それらが日本経済と日常の国民生活を支えておりますけれども、なぜこうした弱小の店舗を国がいじめているという印象を受けておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。


○麻生太郎財務大臣

 このインボイス制度というものの導入につきましては、これはいわゆるVAT、VATというのは、付加価値税等々の間接税を導入しております欧州諸国においてもこれは幅広く利用されておりますのは御存じのとおりです。これは税額が明確になりますので、中小企業者にとりましても、これは価格転嫁が行いやすいということになろうと存じます。
 また、複数税率の中におきまして、いわゆる売手が軽減税率で申告、そして買手の方は標準税率で仕入れ額控除をするといった、いわゆる食い違いを防ぐということにも意義があると思っております。
 今御指摘のありましたように、いわゆるインボイス制度を導入すれば、いわゆる免税されておられる事業者が取引から排除されるのではないかという御指摘なんだと思いますが、私どもは、例えばBツーC、BツーCというのは消費者と事業者との取引のことですが、事業者間の取引ではなくて事業者が消費者にという取引の場合なんですが、いわゆるBツーCと言われる、この小売業者がお客である消費者からインボイスと言われることを求められることはありませんから、そういった意味では排除されることはないということがまず第一点。
 まあ、いろいろ個々の免税事業者の影響は様々だとは思いますが、したがいまして、政府として、免税事業者が課税事業者との間の転換の要否というのが、これはやるかやらないかというのを決めるという期間を、いわゆる業者が自分で判断をしていただくという必要があろうと思いますので、そういったことを考えて四年間の準備期間を設けることに加えまして、さらに六年間、免税事業者からは仕入れについては一定の仕入れの税額控除を認めるというやり方をさせていただいており、全体からしてここではなくてというような、手間を省くというやり方であります。
 また、課税に転換する事業者の事務負担というのが大変だという御指摘なんだと思いますが、この点につきましては、いわゆるレジ、レジの補助金というのを拡充させていただきまして、少なくともインボイスに対応するためという機械、機械というか、レジの機械の話ですけれども、この機械の機能改修に対する補助というのを行わさせていただきます。また、簡易課税制度という制度もありますので、そういった意味では事務負担は大きく軽減されるものと考えておりますので、課税に転換をする事業者に対してもその支援はしっかりさせていただければと思っております。
 いずれにいたしましても、この周知、広報というのを努めていかぬといかぬという御指摘なんだと思います。全くその点はおっしゃるとおりなので、丁寧に更に説明させていただきたいと思っております。


○青木愛

 ありがとうございます。
 次に、キャッシュレス決済についてお伺いしますが、ポイント還元五ポイント、二ポイント、ゼロポイントを予定されております。そして、消費税は八%と一〇%でありますので、組み合わせますと、実質の消費税負担は一〇%、八%、六%、五%、三%と、五パターンになろうかと思います。税の簡素という原則に反するのではないかと思いますが、その点、まずお伺いをさせていただきたいと思います。


○世耕弘成経済産業大臣

 今回行うポイント還元制度というのは、これはあくまでも消費税引上げに伴う駆け込み需要とその反動減、そこの平準化を図るということと、キャッシュレス化を、世界に比べて遅れている日本のキャッシュレス化を進めるという形でこのポイントを付けさせていただくという政策でありまして、これは、何も消費税を何か値引きするとか、あるいは消費税分を還付するといった制度ではありません。あくまでもお店でお支払いいただく消費税というのは一〇%、あるいは軽減税率対象であれば八%ということになりますので、そういった面での混乱は起きないのではないかというふうに思っております。
 しかし一方で、やはり消費者の皆さんが少し混乱するとしたら、お店によってこのポイント還元制度に参加しているところとしていないところがある。ですから、これは、分かりやすい全国統一のポスターを我々の方で作って、それをしっかりお店の入口に掲示をしていただき、また、レジの手前のところにはしっかりと同じ統一のマークを出していただく。あるいは、参加しておられる店舗でも、一般の中小・小規模事業者は五%還元になりますが、いわゆるコンビニ等のフランチャイズチェーンは二%ということで、ここ、値引き率が、還付率が、還元率が変わってきますので、それもこの統一的ポスターの中で五か二かというのははっきりするようにしていくことによって、消費者が混乱をしないように努めてまいりたいというふうに考えております。


○青木愛

 混乱は避けられないのではないかなというふうに思っておりますけれども。
 世耕大臣にもう一問お伺いしますが、やはり日本人の場合、このキャッシュレスというのになじまないように思うんですが、そういった、地方への対応ですとか高齢者に対する何か対処ですとか、その辺はいかがお考えでしょうか。


○世耕弘成経済産業大臣

 キャッシュレスは、確かに日本は全支払に占める比率が二〇%ということで、まだキャッシュレス体験したことのない人がかなりいらっしゃるんだろうと思います。これ、韓国はもう九〇%行っていまして、非常に差が付いている。
 ただ、これ、私も実はこれでキャッシュレス、この時計でキャッシュレスなんですけれども、もう、一回やると癖になります。やめられません。ポケットから財布を出し、お金を出して、そしてお釣りをもらって、それを財布にしまって、その財布をポケットにしまうという行為がいかに面倒だったかというのは、一回やってしまうとすごく痛感をするわけであります。
 今これ、高齢者に分かりにくいんではないかというようなお話もありました。例えば、これクレジットカード限定ですと、信用調査があったりして、例えばもう今所得の少ない高齢者の方がなかなか入りにくいというような点はあるかもしれませんけれども、今いろんな、我々は今回いろんな支払手段を対象といたします、QRコード決済ですとか、あるいはポイント付きの電子マネーカード。これは、特にポイント付きの電子マネーカードというのは割と地方の中小のスーパーでも今普及していまして、一万円チャージするだけで五十円ポイントが付くということで、みんな割と争ってやっているという面もあります。
 また一方で、最近は、特に全国にチェーン展開している最大手スーパー複数社の中では、シニア向けの電子マネーカードというのをつくって、例えば毎月十五日はそのカードを持っている人だけポイント倍増とか値引きとかいろんなサービスが出ています。高齢者の消費をいかに囲い込むかというのが、逆に小売業界では今大きなポイントになっています。最大手が発行しているシニア向けのカード、これちょっと企業によって、六十歳以上だったり六十五歳、いろいろあるんですけれども、シニア向けカード、合計しただけでももう数百万枚出ているという状況でありますから、必ずしもこのキャッシュレスが高齢者と全然離れているということは私はないんではないか、逆に今回のこの国が主導するポイント還元で……


○委員長(金子原二郎君)

 答弁は少し簡潔にお願いします。


○世耕弘成経済産業大臣

 あっ、済みません、高齢者の方も、いや、ちょっと時間余っているかなと思って、済みません、高齢者の方も是非経験をしていただきたいと思う。
 ただ、地方の中小企業がなかなか参加しにくいという点はありますから、これは端末の補助ですとか手数料の補助で地方の零細な小売店もしっかり今回のプロジェクトに参加していただけるように支援してまいりたいと思っております。


○青木愛

 大変分かりやすい説明ありがとうございます。私もチャレンジしてみたいなと思いますけれども。
 あともう二問ほどお尋ねしてしまいます。
 プレミアム商品券なんですが、過去の効果と今回の効果と違うというお話を伺ったんですが、その点についてもう少し詳しく教えていただければと思いますが。


○委員長(金子原二郎君)

 答弁は簡潔に分かりやすくね。


○田川和幸 内閣府地方創生推進室次長 

 はい。お答えいたします。
 まず、前回の効果でございます。
 前回のプレミアム付き商品券の発行でございますが、消費喚起に加えまして、地域の創意工夫を直接的に引き出し地方創生に貢献することを目的として、平成二十六年度補正予算、地域住民生活等緊急支援のための交付金により実施をされたものでございます。全ての地方自治体がこの交付金を利用しまして、消費喚起、地方創生のためのプレミアム付き商品券の発行などの事業を実施しまして、国費としては二千三百七十二億円を支出を行ったものでございます。
 この交付金を、この交付金事業を行いました地方公共団体が実施しましたアンケートによりますと、この事業全体としては総額九千五百十一億円の商品券が利用されまして、そのうち、この商品券があったから新たに消費をしたという消費喚起効果でございますけれども、につきましては金額が三千三百九十一億円とされているものでございますが、その金額から国の財政支出二千三百七十二億円を控除いたしますと千十九億円となります。ただし、ここにはいわゆる需要の前倒し効果なども含まれておりますので、そこを考慮いたしますと、実質的な消費喚起効果は一千十九億円の内数というふうに推計をしているところでございます。


○井上裕之 内閣官房内閣審議官

 今回の目的、効果でございます。
 今御説明ありました前回の商品券は、消費喚起、それから地方創生という目的で、それから所得、年齢によって対象者を限定せずに、一定の予算の範囲内で、先着順でありますとか予約抽せん制などの販売方法で実施されたものと承知をしております。
 一方で、今回実施するプレミアム付き商品券につきましては、一義的には、消費税率引上げの影響が相対的に大きいと考えられる低所得者の方々、それから小さな乳幼児がいる子育て世帯の方々に対象を限定いたしまして、税率引上げ直後に生ずる負担増などによる消費への影響を緩和することを目的として実施するものでございます。
 したがって、二〇一五年に実施した事業と異なりまして、経済効果を主要な目的としているものではございませんけれども、現金給付である場合は使用期間ないしは使用地域を限定することができないほか、消費されずに貯蓄される可能性も否定できないことに対しまして、消費税率引上げ後の一定期間、地域を限定して使用できる商品券とすることによって、駆け込み需要、反動減を平準化する効果でございましたり、地域の消費の下支えにつながるものと考えております。


○青木愛

 御答弁ありがとうございます。
 いずれにしましても、ポイント還元は九か月、そしてプレミアム商品券が使えるのは半年ということでありますので、駆け込み需要、反動減への対処と言われればそれまでなんですが、一時的にそこをしのいで、その後は増税になると、税収は増えるということが透けて見えるわけでございますけれども、あともう一問お願いしたいと思います。
 この消費税増税……


○委員長(金子原二郎君)

 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。


○青木愛

 はい。いいですか、済みません。
 直接は関係ないかもしれませんが、麻生大臣にお伺いいたします。
 ガソリン、酒、たばこなど、この二重課税が存続している理由と、あと金融商品の分離課税、今後の対応について御検討の状況を、もしこの時間で御答弁いただければお願いいたします。


○麻生太郎財務大臣

 時間なんで早口で恐縮ですけど、消費税と揮発油税等々にも掛かっている、二重課税になっているという御指摘なんだと思いますが、これは個別間接税というものは原価の一部を成すものであるということで、消費税の標準課税であります価格に個別間接税を含むという取扱いは、これは国際的に確立した共通なルールであるというのはまず御指摘を申し上げたいと思います。
 それから、金融所得課税の話ですけど、これはいわゆる金融商品の種類によらず一律二〇%の分離課税としておりますけど、これは、税制というものが金融市場にゆがみを与えないとか、また金融取引のタイミングというのを調整して、いろいろ損益の発生時期を選ぶということによって、なかなか調整をして租税を回避するという行為を抑制するというためにもこれは極めて有効な手段だと思っておりますので、この分離課税の下では特定口座制度によりまして、納税者により自分で申告しなくても基本的には納税をさせられるということになりますので、そういったことに考えまして、私どもは貯蓄から投資へ等々、家計の資産形成にも役立っていると思っておりますので、私どもとしてはそういった形で思っている。
 また、上場の利益等々につきましては、三年前だから平成二十六年でしたか、分離課税が、倍にしたんですから一〇%から二〇%、二倍にさせていただいたということであります。







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