本文へスキップ

自由党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年 第196回国会(常会)国会報告

総括
権力を私物化し、国民の生命と生活を守ることを放棄した安倍内閣。

第196回通常国会は、2018年1月22日に召集され、32日間延長(7月22日まで)し、実質7月20日に閉会しました。今国会では、日本の政治史上最大級の行政による不祥事と、政府・与党による数を背景にした権力の私物化が、次々に露わになりました。


公文書改ざんと虚偽答弁で、国会を騙し続けた行政


 今年3月2日、財務省が作成した森友学園側との交渉記録や特例扱い文書が、問題発覚後に書き換えられていることが判明しました。改ざん作業は、昨年2月17日に安倍首相が「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と発言した直後から、財務省理財局が中心になって行われました。公文書改ざんは日本の政治史上前代未聞の不祥事です。1年間以上もの間、佐川理財局長(当時)は国会で虚偽答弁を繰り返し、国会を騙し続けました。
 森友より少し遅れた昨年3月に、加計学園疑惑が浮上しました。獣医学部の新設を国家戦略特区に位置づけ、官邸が「加計ありき」で推し進めた疑惑です。京都産業大学が構想を提示した後に応募条件を変更し申請を断念させ、文部科学省には「総理のご意向」という指示を出していました。柳瀬首相秘書官(当時)が学園関係者及び愛媛県職員と官邸で面談していたことが今年になって明らかになり、秘書官が「首相案件」と発言したメモも見つかりました。
 モリカケ問題は官僚一存の忖度を超えた不祥事です。誰の指示で何のために行ったのか、首相及び自民党が疑惑解明に否定的なため、真相は未だに明らかになっていません。そのため、国民の8割は今なお疑念を抱いています。



大企業の要望に沿った「働かせ方改革」

 首相はこの国会を「働き方改革国会」と名付け、関連法案を提出しました。しかし、根拠となる労働時間データの2割が偽造された異常値であったため、政府は法案の一部を削除しましたが、その後もデータの不備が見つかりました。法案を撤回し、正しい実態調査に基づいて再提出すべきですが、強引に成立させました。
 法案の中身は、年間の残業時間の上限を「720時間」、忙しい1カ月の上限を「100時間未満」にするというものです。しかし、実際にはそれ以下でも過労死が発生しており、今後は100時間以内なら過労死に認定されず、企業の責任も問われないことになります。
 もう一つは、高度プロフェッショナル制度の導入です。 専門職で年収の高い人を労働時間の規制から外し、残業代も支払われません。際限のない長時間労働が強いられ、過労死しても自己責任とされます。現在は年収1075万円以上としていますが、かつて経団連は400万円を提言していました。次は、対象職種の拡大と年収基準の引き下げに向かいます。
 この法律は、働く者の処遇改善と健康維持のための「働き方改革」ではなく、経済界の要望に沿い、経営者側が労働者を安価で都合よく働かせるための「働かせ方改革」なのです。



国民の生命と財産を守ることを放棄

 7月上旬、西日本は記録的な豪雨災害に見舞われ、200名以上の死者を出す平成最悪の災害となりました。 5日夜、気象庁は異例の緊急会見を開いて西日本豪雨への警戒を呼びかけました。しかし、まさに未曽有の水害が起き始めている時に、首相や防衛相らは、仲間の政治家と「赤坂自民亭」と称する酒席会合で宴を愉しんでいました。迫りくる自然の猛威から住民を守ろうとする責任意識が見られません。
 災害は初動対応が重要です。野党は、与野党政府が一体となって災害対応に当たることを申し入れましたが、与党・政府は一切応じませんでした。河川や道路を管理し、被災者の救出・救援と被災地の復旧・復興の先頭に立って指揮すべき国土交通大臣は、カジノ法案(IR法案)の審議を優先し、強引に成立させました。政府は、人命よりカジノを優先しました。
 災害対策だけではありません。昨年は主要農作物種子法を廃止しました。この法律は、コメや麦、大豆などの種子の安定供給を支えてきた法律です。種子法の廃止により、巨大多国籍企業が種子ビジネスに参入し、日本の主要農産物が外国企業に独占される危険性があります。また、水道法を改正し、水道事業の完全民営化を目論んでいます。民営化されれば、老朽化インフラの更新費用は水道料金に上乗せされ、過疎地からは撤退、被災時に復旧を優先する保証はありません。食料と水の安全・安定供給は切り捨てです。



委員会での質疑(要旨)


 国土交通委員会で9本の法案、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会(倫選特)で2本の法案を審議した他、国土交通委員会で大臣所信に対する質疑1回、予算委嘱審査で1回、一般質疑4回、決算委員会で1回、農林水産委員会で1回の質疑をしました。行政監視委員会は1回開かれ、大臣報告を受けました。参議院改革協議会に毎回(昨年発足以降16回)及びその下の選挙制度に関する専門委員会に1回出席し、見解を述べました。主な発言要旨を記載します。


(国土交通委員会)「建築基準法」
断熱性と快適性に優れた木製サッシの普及促進
 一般的な住宅では、窓などの開口部を通して、夏は冷房の約70%、冬は暖房の約60%の熱が移動します。省エネ住宅は窓が重要です。現在、日本では窓の約9割がアルミ製サッシですが、アルミは木材に比べて熱伝導率が1200倍も高いため、省エネの観点からは極めて不経済です。
 ヨーロッパではアルミサッシの普及率は約3割で、米国では24州で使用を禁止しています。また、CLT(直交集成板)など最近の木材加工技術は目を見張るものがあり、防火性の高い木製サッシが製造されています。国交委員会で、快適性、省エネ等の観点から建築における木材利用の推進と木製サッシの意義について質問しました。



(国土交通委員会)「都市再生特別措置法」「所有者不明土地利用法」
空き地・空き家の活用
 人口減少と高齢化の進展で、地方は過疎化が進み、空き家・空き地や所有者不明土地が増えています。都市部でも、未利用・所有者不明の土地や家屋・空き店舗が点々と発生しています(都市のスポンジ化)。放置すれば、倒壊の危機や景観の悪化を招き、犯罪の温床にもなります。
 所有者探索のため、市町村が個人情報保護の観点に立ち、固定資産税課税台帳や地籍調査票を利用、空き地の公共性の高い活用については収用委員会を簡略化されることになりました。空き家の活用については「空き家バンク」制度への支援などが考えられます。


(国土交通委員会)
首都圏空港の整備
 外国人観光客の増加に伴い、成田・羽田の首都圏空港の機能強化の計画が進行しています。
 成田空港は、周辺地域の産業振興、インフラ整備、生活環境の整備に取り組み、地域との共生を目指すこととしています。羽田空港は、離発着便を増加する計画の中で、午後の4時間、新宿、渋谷、目黒、品川の人口密集地の上空から羽田に向かう新経路が検討されています。
 問題は航空機からの部品や氷塊の落下です。五反田・大井町・立会川の各駅周辺ではかなりの低空を2~4分毎に飛行します。閑静な住宅街は航空機の騒音で悩まされ、住宅価格の低下も心配されます。住民の理解が不可欠です。


(政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会)
自民党の「特定枠・定数6増」案は民主主義の否定
 選挙制度は、専門委員会で各党各会派が1年間17回にわたり真剣に討議してきました。しかし、自民党はその努力と成果を一切無視し、1回も審議したことのない案を唐突に提出し、強行に審議を進め、自民党案を成立させました。
 法案は、比例を4増し、非拘束名簿の上位に「特定枠」をくっつけ、また、埼玉選挙区を2増やす内容です。特定枠は、合区でもれた候補者救済の自民党のための制度であり、特定枠候補者は、民意に関係なく国会議員に選出されます。格差も3倍で最高裁が厳しく求める投票価値の平等は達成されません。
 選挙制度は民主主義の土台です。しかし、自民党は選挙制度も私物化し、民主主義を踏みにじりました。


(参議院改革協議会)
参議院の行政監視機能の強化を提言
 国会の重要な機能として、法律の制定と行政の監視があります。特に後者は参議院に期待される役割であり、参議院の存在意義でもあります。行政の不祥事が山積する今こそ参議院行政監視委員会が本領を発揮すべきです。
 ところが、委員会開催は大臣報告の1回だけです。委員長が与党議員だからです。行政の公正性と透明性を厳正に監視するためには、英国議会と同様、委員長は野党から選出すべきです




(質問主意書)
木更津オスプレイ暫定配備に関して質問主意書を6回提出

 オスプレイを木更津に暫定配備するという報道を3月27日に知り、早速、安倍内閣に質問主意書を提出し、真偽を質しました。「暫定配備先は、いつ、誰が、どのような手続きを経て決定するのか」「地域住民に対する説明は実施するのか」「暫定配備が長期に及ぶことはあるのか」「配備先が決定するまでアメリカに留め置くことを検討すべき」「一時的な処置を検討する法的根拠は何か」など、6回の質問を続けています。
 答弁書はひどいもので、「現時点では何ら決定していない」「仮定の質問には答弁できない」「米国との信頼関係が損なわれる」「国の安全が害される」などを理由に全く答えません。住民の了解なしに配備を断行すれば、それは地方自治の否定です。重要なのは、住民の結束した行動です。


青木愛事務所

国会事務所
〒100-8962 東京都千代田区永田町
参議院議員会館 507号室

TEL 03-6550-0507
FAX 03-6551-0507

東京事務所
〒114-0021 東京都北区岸町1-2-9
電話/FAX 03-5948-5038

千葉事務所
〒295-0004 千葉県南房総市千倉町瀬戸2070-1
電話/FAX 0470-44-2307