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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成29年5月30日 国土交通委員会

千葉県を含む首都圏の高速道路ネットワークの整備に関する件について




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。
 本日は、千葉県の道路整備について順次お伺いをさせていただきたいと思います。資料を参考までに配付をさせていただいております。これまでの先人の御努力に感謝をいたしながらの質問をさせていただければというふうに思います。
 まず、首都圏を囲みます環状道路の建設状況についてお伺いをいたします。
 環状道路は、都心部への流入抑制や交通分散、また都市間の連携を図るなど、都市のあるべき交通網として今や世界の常識となっているということであります。パリやロンドンなどの欧州諸国はもちろんのこと、アジア、ソウルなどでも都市の基本的な骨格として既に整備をされていますけれども、我が国におきましてはいまだ整備が立ち遅れている状況にあります。特に首都圏の環状道路につきましては、二〇二〇年の東京オリパラの開催も契機として近年急速に整備が進んではきていると認識をしておりますけれども、千葉県においては他地域に比べて整備状況が遅れているのではないかと、そのように思っております。
 まず、東京外郭環状道路についてお伺いをいたします。
 いわゆる外環道は、東京都大田区から埼玉県を経て千葉県市川市に至る延長約八十五キロの道路であります。通称千葉外環と呼ばれている埼玉県三郷市から市川市高谷の間が現在建設中となっております。その区間に位置する松戸市、市川市、は、土日のみならず平日も含めて日常的に渋滞が発生しており、そのために生活道路を抜け道に使うことが当たり前のように行われております。物流や観光など渋滞により失われる経済損失は大変大きなものがありますし、通学路などに交通が流れ込むことによって子供たちや高齢者の事故の危険性が高まるなど、市民生活の安全も脅かされる状況にあります。
 こうした状況を一日でも早く改善させるために千葉外環の早期開通を求めるものですが、今後の開通の見通しと期待される効果についてまずお聞かせください。


○石川雄一君 道路局長

 お答えいたします。
 東京外郭環状道路は、首都圏三環状道路の一つといたしまして、都心から半径約十五キロメートルの環状ネットワークを形成する延長約八十五キロメートルの路線でございます。
 このうち、三郷南インターから高谷ジャンクションの延長約十六キロメートルの区間については、現在国土交通省とNEXCO東日本によって事業を進めているところでございます。
 当該区間の整備により、東京外郭環状道路のうち首都高速湾岸線から関越道までの約四十九キロが開通することとなり、都心への通過交通の分散、抑制による交通状況の改善などが見込まれます。
 具体的には、市川市や松戸市の一般道路における渋滞緩和や、県内の平均事故率の約三倍となっております交通事故の抑制、常磐道から首都高速湾岸線の所要時間が約四十分から十五分短縮することによりまして内陸部から湾岸エリアへの連絡強化などの効果が見込まれます。
 現在、今年度の開通に向けまして、国土交通省とNEXCO東日本におきまして鋭意工事を進めているところでございますが、引き続き、安全に留意の上、早期整備に向けて全力で取り組んでまいります。



○青木愛

 ありがとうございます。
 東京湾岸道路にも接続が可能となり、かなりの時間的な短縮が見込まれるということであります。私も、今大規模な工事の様子を横目に見ながらいつも通過をしているわけですけれども、千葉県の皆様と一緒に完成の日を待ち望みたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
 次に、首都圏中央連絡自動車道、いわゆる圏央道についてですが、お伺いをいたします。
 これは、外環道の更に外側にあって、延長約三百キロメートル、都心から半径でおよそ四十から六十キロメートルの環状線上に位置しています。横浜、厚木、八王子、川越、つくば、成田、木更津などの中核都市を連絡をして、東京湾アクアラインや外環道などと一体となって首都圏の広域的な幹線道路網を形成をしています。
 今年二月の二十六日に茨城県の境古河インターチェンジからつくば中央インターチェンジ間が開通をしました。沿線の物流立地や観光振興など、地域に大変大きな効果をもたらしていると伺っています。
 一方で、千葉県の成田市の大栄ジャンクションから山武市の松尾横芝ジャンクションの間がいまだ未開通でありまして、他地域に比べて遅れている状況にあります。この区間がつながることによって圏央道整備の効果が更に高まっていくと期待されているわけですけれども、地元から早期の開通が要望されておりますが、事業の進捗状況についてお教えいただければと思います。


○石川雄一君 道路局長

 お答えいたします。
 圏央道は、首都圏三環状の道路の一番外側の環状道路といたしまして、特に千葉県におきましては、埼玉県、神奈川県から都心を通らず成田空港や千葉県南部へのアクセスを確保するルートとしても重要な道路であると認識をしております。
 御指摘の大栄ジャンクションから松尾横芝インターチェンジ間につきましては、平成二十年に都市計画決定を行いまして、平成二十六年より用地買収に着手したところでございます。現在、千葉県と連携しながら、用地買収及び埋蔵文化財調査を進めているところでございまして、今年度より工事に着手する予定でございます。
 引き続き、関係自治体の協力を得ながら、早期整備に向け、全力で取り組んでまいります。



○青木愛

 ありがとうございます。
 高速道路の建設には時間も掛かるし、いろいろな御苦労があろうかというふうに思います。途中区間の分断が解消されることに意味がありますので、いよいよ今年度から工事着手ということでありますので、是非前向きなお取組を今後ともよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、これまでの千葉県における高速道路ネットワークの整備によって得られた効果についてお伺いをいたします。
 まず、東京湾アクアラインについてでありますが、これは、御承知のとおり、神奈川県川崎区と千葉県木更津市の間を結ぶ東京湾を横断する道路であります。一九九七年十二月に開通をいたしました。開通当初、通行料金は四千円とされておりましたけれども、大変高額のため何度も引下げが行われ、現在は社会実験割引としてETC普通車に限り八百円となっております。今や、土日の渋滞はもとより、毎日多数利用されるようになりました。
 さらに、このアクアラインに加えて、四年前の二〇一三年四月に開通しました圏央道の東金ジャンクションから木更津東インターチェンジ間、この効果と相まって房総半島に大きな恩恵をもたらすものと期待をされています。
 これらの整備により得られたこれまでの効果と、そして今後のアクアラインの料金割引、この見通しについて是非お伺いをさせてください。


○石川雄一君 道路局長

 お答えいたします。
 東京湾アクアラインは、東京湾を横断し、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結びます延長十五・一キロメートルの道路でございまして、湾岸地域の交通混雑緩和や沿道環境の改善、地域間連携を図る重要な路線でございまして、平成九年に開通をしております。開通以降交通量は毎年増加しておりまして、平成二十八年度の日平均交通量は開通当初から約四・六倍の四万六千台となっております。
 また、圏央道東金ジャンクションから木更津東インター間は、首都圏三環状の一部として、アクアラインと一体となり、首都圏の道路交通の円滑化や都心や房総地域の沿線都市間の連絡強化を図る路線でございまして、平成二十五年に開通をしております。
 これらアクアラインや圏央道の整備、活用等によりまして、アクアラインと圏央道が連結いたします木更津市では、現行料金割引の開始前の平成二十年度から比較をいたしまして、平成二十七年度で約七・五%の人口増が図られております。また、圏央道の開通前の平成二十四年度から比較をいたしまして、平成二十七年度では、九十九里地域で観光入り込み客数が約一四%の増、全国有数水揚げ高を誇ります千葉県のイセエビにつきましても、都心の築地市場での取扱金額が約二三%の増などのストック効果を発現しているところでございます。
 現行のアクアラインの料金割引につきましては、これまで毎年、国と千葉県の負担の下に行われているところでございまして、平成二十九年度においても同様の形で割引を継続することとしております。その後につきましては、毎年、千葉県と対応について協議をするということにしております。



○青木愛

 様々なデータを示していただきまして、ありがとうございます。
 千葉県民のみならずと思いますが、このアクアラインの料金割引、これについては是非維持、継続をしていただけるように、また国としても前向きな取組をお願いをさせていただきます。
 以上、このアクアラインあるいは圏央道の開通によりまして、千葉県房総地域の半島性が緩和をされ、首都圏との物流効率の向上、また経済産業の発展や両岸地域の相互の文化交流にも寄与されていると考えておりますが、この半島性の緩和という意味では、更にその先の南房総地域につながります館山道も実は大変重要な役割を果たしております。
 館山道が結ぶ南房総地域は、温暖な気候と海あり山ありの様々な顔を持つ豊かな自然と食の資源があり、我が国有数の絶好のドライブ観光地としても評価をいただいているところであります。また、農産物や海産物などの物流にも寄与しているところでございます。
 この館山道の多くの区間が片側一車線の対面通行区間となっておりまして、これでは前に遅い車がおりますと追越しができないために十分な走行性を発揮することができません。そして、何よりも、反対車線からの正面衝突事故の危険性を考えますと、大変危ない状況が続いていると言えます。
 せっかく整備をいたしました高速道路の役割を十分発揮をするためにも、この館山道において片側一車線の対面通行区間を早期に解消するべきと考えておりますけれども、現在の進捗状況と今後の見通しについてお聞かせください。


○石川雄一君 道路局長

 お答えいたします。
 東関東自動車道千葉富津線、いわゆる館山道は、千葉県千葉市から富津市に至ります総延長約五十一キロメートルの路線でございます。平成十九年に全線開通したことによりまして、千葉―館山間の所要時間が約四十分短縮するとともに、君津、安房地域の観光振興や地域経済の活性化等に重要な役割を担っているところでございます。
 館山道の木更津南ジャンクションから富津竹岡インターチェンジまでの約二十一キロメートルの区間は、現在、御指摘のとおり、暫定二車線で供用をしておりまして対面通行区間となっておりますことから、四車線以上の区間と比較いたしまして走行性や安全性などの課題を有しているところでございます。
 このため、平成二十四年度より当該区間の四車線化の事業を進めているところでございまして、現在、橋梁や土工部の工事を実施しているところでございます。平成三十年度の開通に向け、引き続き鋭意工事を推進してまいります。



○青木愛

 ありがとうございます。
 過疎化が進む南房総地域においては大変重要な道路でありまして、是非、富浦、館山までに至るまで四車線化に向けてのまた国としての御努力をお願い申し上げます。本当にこれまでの取組に感謝を申し上げたい気持ちでいっぱいであります。
 最後に、石井大臣にお伺いをいたしますけれども、以上質問で明らかになりましたように、千葉県では、圏央道またアクアライン等の開通によりまして、首都圏との交流が便利になり、観光に訪れる人が増えるとともに、物流も増加し、地域の活性化に大きな効果を発揮いたしております。今後、首都圏において外環道また圏央道などの整備が更に進んで高速道路がネットワークとしてつながることにより、周辺の地域の活力も更に増大するものと考えられます。
 現在、社会インフラのメンテナンスの時期を迎えておりまして、将来への安全対策も重要であります。また、それとともに、地域の活性化に大きく寄与することが見込まれるこうした高速道路の整備についても是非一層の推進をお願いしたいと改めて考えておりますけれども、この点につきまして、石井大臣の御所見をお聞かせください。


○石井啓一 国土交通大臣

 高速道路はつながってこそ本来の機能を発揮するものであり、早期にミッシングリンクを解消することで拠点を結ぶ広域的なネットワークが形成をされ、企業の立地、観光の交流が進むほか、リダンダンシーの確保により防災機能が強化されるといった多様なストック効果が発揮をされ、我が国の国際競争力の強化や地域の活性化に大きく寄与をいたします。
 首都圏におきましては、引き続き首都圏三環状道路を始めとする高速道路ネットワークの整備を進めまして、例えば成田空港と各都市、観光地等とのアクセス時間を短縮することなどを通じ、多様なストック効果を早期に発揮させるべく取り組んでまいりたいと考えております。
 国土交通省といたしましては、今後とも、重点化や効率化を図りつつ、一日も早くネットワークがつながることを目指しまして高速道路の整備を着実に進めてまいりたいと考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 質問を終わります。






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