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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年3月23日 国土交通委員会

・首都圏で相次ぐ大規模輸送障害について
・羽田空港の新規飛行ルートの安全性について




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。
 本日は、首都圏における交通機関の課題についてお伺いをさせていただきます。
 まず、鉄道の電気系統のトラブルについてお伺いをいたします。
 鉄道のダイヤの運転の見合せ、また遅れの原因、これまで人身事故ですとか大雨、強風など自然の影響が多かったと思いますけれども、最近は停電あるいは架線障害といった電気系統のトラブルが増えているということでございます。
 国交省のホームページで公表されています、平成二十九年度、主な輸送トラブルの影響についてというところを見ますと、平成二十九年六月二十一日、JR東海、新幹線トロリ線断線による輸送障害で影響を受けた人の数が五万一千人ということでございます。そして、九月五日、JR東日本、交流変電所停電、四万一千人が影響を受けております。十月十九日、東急電鉄、配電ケーブル損傷で十二万六千人が影響を受けております。十月二十三日、JR東日本、碍子破損により二十八万人が影響を受けております。等々、通勤通学客を始めとして多くの利用者が影響を受けているという実態がございます。
 原因といたしまして、この点検や工事を担う電気設備のお仕事が大変重労働であるというイメージが強く、また、夜間の作業にもなることから、若い方々が入職しない、集まりにくいという構造的な原因もあるようでございます。
 国交省は、こうしたトラブルの解消に向けて、各鉄道会社及び電気設備会社に対しましてどのような対策を講じておられるか、まずお伺いをいたしたいと思います。


○藤井直樹鉄道局長

 お答えをいたします。
 首都圏の鉄道におきましては、今委員御指摘のとおり、昨年から今年にかけまして、JR京浜東北線あるいは東急田園都市線などにおきまして電気設備に起因する大規模な輸送障害が発生するなど、鉄道の安全・安定輸送に支障を及ぼす輸送トラブルが相次いで発生をしたところでございます。
 多くの利用者の方々に影響を与える輸送障害が続発していることは誠に遺憾であり、国土交通省としましては、輸送障害を起こした鉄道事業者に対し、原因究明と再発防止対策の検討を指示しているところでございます。その結果、これらの事案につきましては、設備の新設あるいは改良工事の際の施工不良が主な原因であることが明らかになっているところでございます。
 これを受けて、各鉄道事業者におきましては、例えば電力のケーブルについて、接続部あるいは湾曲部などの通常点検を強化したり、あるいは精密点検を五年おきから二年おきにするなどの見直しを行っているところでございます。また、万が一輸送障害が発生した場合にその影響をできる限り少なくするために、駅間で停車をした車両からの早期救出のためのバスなどの確保、あるいは近隣の路線の駅までの徒歩ルートの案内の充実、こういった取組も進められているところでございます。
 また、国土交通省としましては、これらの輸送障害の背景に、労働力、技術伝承の不足といった構造的な要因があるのではないかという点についても分析、検討する必要があると考えており、本年二月、鉄道の輸送トラブルに関する対策のあり方検討会を設置し議論を行っているところでございます。
 このような鉄道事業者への指導あるいは検討を通じまして、鉄道の安全・安定輸送が確保されるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。
 どこの業種も今、人手不足が深刻な状況でございます。IoT、AIの活用なども合わせていく必要があるのかなというふうに理解をしておりますが、万が一のトラブルのときには、その利用者の混乱また影響を最小限にとどめていただけるような万全の対策をお願いしておきたいと思います。
 続きまして、羽田空港における飛行経路の見直しについて私も質問させていただきます。
 羽田空港につきましては、国際線の増便が不可欠であるということで、滑走路の運用と飛行経路の見直しが検討されています。現在計画中の新しいこの飛行経路は、南風運用ということで南風からの運用、東京湾、海から内陸に向けての南風の運用というふうに伺っております。
 この離着陸は風に向かって行われるということで、離陸については東京湾に向かっていきますので問題がないんですが、問題となるのはその着陸の場合ということだということです。これまで着陸については千葉県の木更津方面から着陸を行っておりましたけれども、増便をしなくちゃいけないということで、東京湾に向けた離陸を妨げないように北側からの着陸態勢、新宿方面から羽田に向かう着陸を行う、そうした経路が必要になってくるという理由だというふうに伺っております。そうなりますと、新宿、渋谷、目黒、品川付近の上空を飛行することになります。五反田駅は約四百五十メートルの上空、大井町駅は約三百メートルの上空、立会川駅は二百十から二百四十メートルの上空を飛ぶ、通過をするということになります。近くに中学校もあるというふうにも伺っております。
 二本の経路があって、一つの経路は一時間に三十便ですので二分ごとに一機通過するという感じだと思います。もう一つの経路が一時間に十四便ということなので四分ごとに一機通過をするというような感じなのかなというふうに思っておりますけれども、まず、この認識でいいかどうか、確認をさせてください。


○蝦名邦晴航空局長

 御指摘のとおり、あらゆる方策を技術的に検討した結果、先生が今御説明いただきましたような飛行経路を選択する以外にないということで、南風時、年間の約四割でございますけれども、そのうちの十五時から十九時の実質三時間で新飛行経路を導入したいと考えております。
 今おっしゃられたように、着陸の関係でございますけれども、時間値としては最大四十四回でございまして、A滑走路の方が一時間当たり最大十四回でございますので四分に一回、C滑走路の方が最大三十回でございますので約二分に一回ということになります。



○青木愛

 ありがとうございます。
 昼間の午後三時から夜七時までの間の実質三時間、離陸、着陸合わせて一時間当たり九十回の飛行というふうに伺っております。
 懸念されるのは、やはり、先ほども室井委員からも御質問がありましたけれども、落下物の対策でございますが、最近、航空機からの落下物、部品脱落が問題となっております。国交省の資料によりますと、平成十九年から平成二十八年度までの過去十年間で、これ成田空港周辺ですけれども、十九件発生しているということであります。また、昨年、記憶に新しい九月二十三日、関西空港を離陸した飛行機の部品が大阪市の中心部に落下をしまして、道路からの跳ね返りで乗用車を直撃をいたしました。幸いにも乗車をしていた二名の方は無事ではありましたけれども、大変ショッキングな事故が発生をしております。
 まず、これまでのこうした落下物による被害の状況をまずお聞かせをいただけますでしょうか。


○蝦名邦晴航空局長

 お答え申し上げます。
 固定翼の民間航空機からの落下物につきましては、今年四月に、千葉県の成田市で発見されましたVHFアンテナを含めまして、平成二十年度から平成二十九年度までの十年間において二十一件を確認しております。このうち二十件が成田空港周辺、一件が関西空港周辺ということでございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 この新しい飛行経路が運用されますと、新宿、渋谷、目黒、品川付近は人口密集地でありますので、万が一にも部品ですとかあるいは氷の塊だとか、こういったものが落下をして人々あるいは建物を直撃しますとその被害は甚大なものになることが予想されるわけですが、その安全対策について私も質問させていただきます。


○蝦名邦晴航空局長

 落下物対策についてでございますけれども、国土交通省におきましては、従来から、未然防止策の徹底及び万一事案が発生した場合の対応の強化の両面からその対策に取り組んできております。
 昨今の落下物の事案が続いたことを受けまして、落下物対策を各般にわたって充実強化するために、昨年十一月より有識者や実務者から成ります落下物防止等に係る総合対策推進会議を開催するなどして関係者が一丸となって今検討を進めております。
 まずは、点検整備を徹底するなど未然防止策の徹底ということが重要になりますけれども、その観点からは、本邦及び日本に乗り入れる外国航空会社が遵守すべき落下物防止対策基準の策定、あらゆるチャネルを通じた未然防止策の徹底、空港管理者によります駐機中の機体のチェック体制の構築等に取り組むこととしております。特に、落下物防止対策基準は世界的にも類を見ないものでございまして、落下物の未然防止に有効な対策や現場の整備士等への教育訓練等を盛り込むこととしたいと思っております。
 また、事案が発生した場合の対応の強化という観点からは、警察等の御協力もいただきまして、落下物に関する情報収集の強化、落下物の原因者である航空会社に対して行う処分等の具体的な内容や手続の検討、関係する航空会社によります補償制度の充実などに取り組むこととしたいと考えております。
 来週二十六日には推進会議を開催いたしまして、会議として落下物対策の強化策を取りまとめていただくとともに、国交省から、その取りまとめを踏まえた国としての総合的な落下物対策を報告する予定としているところでございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 新しい飛行経路の眼下には、閑静な住宅地の地域を多く含むわけでございます。この新経路が運用されますと、今まで全く感じることのなかったその騒音を、午後から夕刻にかけて飛行機が低空を飛行することによって、その音に悩まされることになる方がいらっしゃるということであります。
 地域の住民の理解、これを得られるのかどうか、得られなくても強行していくのかどうか、その辺りの今の状況を教えていただきたいと思いますのと、そして、これまで閑静な住宅地域が今度騒音地域になりますので、当然住宅価格の低下も予想されます。特に高層マンションなどでは、高層階ほど値段が高いと思いますけれども、飛行機の騒音が原因となって上層階ほどうるさくなって、またその価値が下がるということも考えられますけれども、こうした公共施設だけではない、住宅に対するこの補償などもやはり必要になってくるのではないかなというふうには思うんですけれども、今後の見通し等々、教えていただければと思います。


○蝦名邦晴航空局長

 現在、羽田空港では比較的騒音の小さな中・小型機が全体の七割を占めているというところでございますが、新飛行経路の実現に当たりましては騒音影響をできる限り軽減することが重要であると考えております。
 平成二十八年七月に、関係自治体からの御要望や住民への説明会での皆様の御意見を踏まえまして、環境影響等に配慮した方策というのを策定をいたしております。飛行方式を検討いたしまして、高度を最大二千フィート引き上げていく、それから、羽田空港の国際線の着陸料も見直しまして、騒音の要素も組み合わせた着陸料金への見直しによって低騒音機の導入を促進する、それから、学校や、防音等の、防音工事の助成制度の対象施設を拡大をするといった方策に取り組むこととしております。さらに、更なる対策として昨年九月に、滑走路の着陸地点を海側にずらすということによります飛行高度の引上げなど更なる対策の充実を決定をしております。
 住民の皆様に御理解をいただくために騒音対策をしっかりと進めていかなければいけないと考えておりますけれども、不動産価格という御指摘もございました。この不動産価格自体は、交通の利便性でありますとか周辺の開発状況など様々な要因で決定されるものと認識しておりまして、国際線の増便に向けた新経路の設定が直ちに不動産価値を低下させるとは一概には言えないのではないかというふうにも考えておりますが、先ほど申しましたような対策を講じまして航空機の騒音の低減などの対策を講じることによりまして、可能な限りマイナス面の影響を極小化をし、住民の皆様の理解が得られるように努めてまいります。
 今後とも、羽田空港の機能強化につきまして、より多くの住民の皆様や関係自治体の御理解をいただけるように取り組んでまいりたいと考えております。



○青木愛

 御丁寧な御答弁、ありがとうございます。
 来週の月曜日に取りまとめ、公表の予定だということで、その内容に期待をしたいと思いますけれども、またこれからも住民に対する丁寧な説明会などを開催をしていただけるものと思いますが、やはり住民の理解が不可欠でありますので、住民の側からまた大きな要望があれば、今後ともまた柔軟な対応が必要かなというふうに思っておりますので、是非、丁寧な対応と実質的な対策を強くお願いを申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。





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