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自由党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年5月24日 国土交通委員会

海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律案について




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。
 本日は、海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律案について質問をいたします。
 まず、本法律案の提出の意義についてお伺いをいたしますが、国交省が所管します様々な分野の海外インフラ事業につきまして、我が国事業者の参入促進を図るために独立行政法人等に新たに調査、設計などの海外業務を行わせることにしておりますけれども、現状におきまして既にこれらの機関において海外で様々な活動を実施しているようにも思えますが、あえて今回新法制定をして独立行政法人等に海外業務を追加する意義について、まずお伺いをしたいと思います。


○篠原康弘国際統括官

 お答えを申し上げます。
 現在、独立行政法人等は確かに海外業務を手掛けてはおりますけれども、あくまでも国内業務に支障のない範囲でということでございまして、主に専門家の派遣や国内への研修生の受入れといったところにとどまってございます。一方で、現在、大変競合国との競争も激化し、新興国でのプロジェクトも増加している中で、更に公的機関の積極的な関与が求められているところでございます。
 このためには、まず独立行政法人そのものの内部体制の強化、人材の採用、育成といったことも計画的に実施する必要がございまして、そういうためには、独立行政法人におきまして本来業務として海外業務を積極的、明確に位置付ける必要があって、今回新たに新法を制定するということに至ったものでございます。



○青木愛

 今御答弁にもございましたが、海外に目が向けられる余り国内の事業がまたおろそかにならぬよう国民生活をしっかりと支えていただかなければなりませんし、支障がない中でという御答弁でありましたので、その点、よろしくお願いいたします。
 次に、先ほど来質問が出ておりますけれども、この質の高いインフラ整備ということでありますが、一昨年の伊勢志摩サミットに先立ちまして質の高いインフラ輸出拡大イニシアチブが公表されて、我が国のインフラ輸出については質の高さが求められてきております。今回の法律案においてもこの質の高さという点については引き続き求められるものと思っておりますけれども、そもそもこの質の高いインフラとはどのようなことを指しているのか。競合国との差別化を図るものだという御答弁がございます。
 日本は少子高齢化を迎え、これから人口も減少していくという中で、インフラシステムも、メンテナンスは大事な点でございますが、ほぼほぼ整っているという状況の中でこれから経済成長を海外に求めていくということでありますけれども、やはり日本の都合で、相手国の自然環境ですとかあるいは伝統的な生活文化ですとか、こういった面がないがしろにされてはならないというふうに考えておりますが、その辺のところも踏まえて、この質の高さという具体的なことを是非お聞かせいただきたいと思います。


○篠原康弘国際統括官

 我が国が進めようとしております質の高いインフラと申しますのは、我が国のインフラ海外展開を進める際の基本的な考え方でございます。またそれが、競合国との差別化を図るという御指摘のような要素にもなろうかと思っております。
 具体的に申し上げますと、維持管理までを含めましたライフサイクルコストの低廉さ、使いやすさ、長寿命性、それから納期の遵守、さらには御指摘いただいたような相手国の環境、防災面への配慮といったことにも配慮をしたインフラ整備を進めるということかと思っております。
 さらに加えまして、ソフト面でも、人材育成を行って相手国の方々が自ら適切にインフラの維持管理、運用ができるようにするですとか、日本が積み重ねてきた優れた制度を相手国の方にも導入していただけるような支援をしていくといったようなことも含めたソフトインフラとともに、総合的な観点から相手国の持続可能な発展につながるようなインフラ展開を進めていくことが質の高いインフラであるというふうに考えてございます。



○青木愛

 相手国に合った形で、ハード面そしてソフト面も共に日本らしいやり方で提供していくことが大切だというふうに思います。
 そして、このインフラ受注を進めるに当たって、やはり現地情報の収集が不可欠でございます。今後、国土交通大臣が機構や我が国事業者に対して必要な情報及び資料の提供又は指導及び助言を行うものとなっております。実際、現地情報あるいは競合国の情報など、その収集あるいは提供についてはどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。


○篠原康弘国際統括官

 インフラ市場をめぐります競合国との競争が大変激化をする中、御指摘のように、関係者が最新の情報を共有するということが不可欠だろうと考えてございます。
 このため、まず国土交通省が得られた情報、例えば政府要人によるトップセールスあるいは政府間協議等で得られた情報などについては、その共有を図るために、御指摘いただきました本法案の規定であります、国土交通大臣が関係者に対して必要な情報、資料の提供、指導、助言を行うといった中で対応してまいりたいと思っております。
 また、これらの情報は、国だけではなく、大使館、JICA、ジェトロあるいは民間事業者の方にもそのような情報が蓄積されているかと思いますので、必要に応じてそのような情報も関係者間で共有できるように、これも本法案で関係者が相互に連携を図りながら協力しなければならないという規定を置いておりますので、こういった規定も活用しながら、情報の総合的な共有が図れるように努めてまいりたいと考えてございます。



○青木愛

 この情報収集について、競合国の情報についてお伺いをしたいと思いますけれども、先ほどもお話がございました中国の一帯一路という大きな構想がございます。海外へのインフラシステム展開において、中国、また韓国、我が国との競争国となっております。特に中国は、習近平政権となってから、一帯一路構想を掲げ、アジアインフラ投資銀行までをも設立をし、単なる経済開発だけではなくて、安全保障も関連付けた中でインフラ展開を行っていると思います。
 我が国の事業者が海外展開する上で、これらの競合国の情報は必要だというふうに考えております。中でも、過日、シンガポール、またマレーシアに参議院から派遣をいただいたときに、現地に日本から赴いている民間企業の方々が口をそろえて、中国の港湾の進出が大分進んでいるというお話を聞きまして、その点、中国が他国で進めている港湾の建設に関して、現時点で国交省が把握している情報をお聞かせいただければと思います。


○菊地身智雄港湾局長

 お答えいたします。
 中国は、いわゆる一帯一路構想の下、国営企業を中心に積極的に海外の港湾の建設及び運営に参画をしていると承知をしてございます。
 例えば、スリランカのハンバントタ港につきましては、中国輸出入銀行からの借入れによりまして港湾の整備が行われてきたところでありますが、スリランカ政府が、対中債務負担軽減ということから、中国企業とスリランカ港湾公社との合弁会社に対しまして、債務の返済に代わって土地及び港湾施設を九十九年間リースするとともに運営権を譲渡したと承知をしてございます。また、このほか、パキスタンのグワダル港やあるいはギリシャのピレウス港などにおきましても中国企業が港湾の建設や運営を行うなど、海外展開を積極的に図っているものと承知をしております。
 我が国インフラシステムの海外展開の推進に向けましては、外務省、在外公館等、関係省庁とも連携をいたしまして、競合国企業の動向について情報収集を行った上で、海外展開を図る本邦企業に対しまして情報提供を行ってまいりたいと考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。
 次に、大臣にお伺いしたいと思いますが、この海外への協力とともに、今のような競合国の育成という面、一見相矛盾するようなこの両面についてどのようにお考えになるかお聞かせをいただきたいのですけれども、独立行政法人等がこれから海外展開を積極的に進めるに当たりまして、これまで蓄積した知識、ノウハウ、技術などを活用していくということになりますが、それによって現地の国づくり、あるいは人づくりに大きく貢献することにもなります。
 このことは、地域の経済発展、また住民の生活向上を牽引をして、かつ日本の国際的評価も高めることにつながると思い、その意味では、広い意味で安全保障でもあろうかというふうに思います。しかし、一方で、日本にとっての競合国を生み育てるということにも、過去の経験からそういう面もあろうかと考えるわけであります。
 この相矛盾する結果について大臣はどのように捉えていらっしゃるか、お聞かせをいただきたいと思います。


○石井啓一国土交通大臣

 相手国が自ら適切にインフラの維持管理、運用を行えるようにするための人材育成は、我が国のインフラシステム展開の強みとしているところであります。また、日本が高度成長を遂げる中で蓄積してきた知見を活用して相手国の課題解決に貢献することも重要と考えております。
 海外インフラ展開を通じて、相手国の課題解決や人材育成に貢献することによりまして、相手国における我が国の質の高いインフラへの理解が深まり、我が国と同様の基準や制度等を導入する意欲を高めたり、更なる案件の受注にもつながることが期待をされます。また、相手国の企業の技術レベルが向上することで、日本企業と相手国企業が補完的なパートナーシップを組みながら第三国へ展開する可能性も考えられるわけであります。
 以上のように、国土交通省といたしましては、相手国に対する課題解決や人材育成を通じまして、相手国とのウイン
・ウインの関係を築きながら質の高いインフラの海外展開を推進してまいりたいと考えております。


○青木愛

 ありがとうございます。
 続いて、石井大臣にもう一点お伺いをさせていただきたいと思います。
 この度の連休中の海外出張の成果についてお伺いしたいと思いますが、大臣を始め政務三役が海外出張をされております。また、せんだってというか、過日質問をさせていただいたマレーシア―シンガポールの高速鉄道の入札の状況でありますけれども、当時のお話からするとちょっと遅れているようにも感じておりますけれども、現在どのような状況になっているか。また、マレーシアでは五月の選挙でマハティール政権が誕生する、政権交代が行われたということで、日本に対する影響なども踏まえて御答弁をお願いしたいと思います。


○石井啓一国土交通大臣)

 四月から五月にかけましての連休中の出張につきましては、私がフィリピンとシンガポールに出張したほか、あきもと副大臣がロシアとミャンマー、秋本政務官がインド、簗政務官がフランス、高橋政務官が南アフリカに出張をいたしまして、それぞれの出張先で相手国政府の幹部と会談等を行いまして、インフラシステムの海外展開に向けたトップセールスや協力関係の強化に取り組んできたところであります。
 私の出張について申し上げますと、フィリピンでは、社会資本整備に関する協力覚書を結ぶとともに、現在フィリピンにおいて進行中の鉄道を始めとするプロジェクトの進捗を図る観点から、関係大臣と意見交換を行わさせていただきました。
 また、シンガポールでは、現在入札公示が行われておりますシンガポールとクアラルンプールを結ぶ高速鉄道プロジェクトにつきまして、新幹線方式が導入されるよう働きかけ等を行ったところであります。マレーシア―シンガポールの高速鉄道につきましては、応札のスケジュールが半年延期されまして本年十二月末までの期限となっておりまして、現在、日本を含む関係国において応札に向けた準備が進められているところであります。
 五月九日のマレーシア連邦下院の総選挙において、マハティール元首相率いる野党連合が勝利をいたしました。政権幹部からは、大型プロジェクトについては見直しを行うとの発言が報道されておりますが、マレーシア―シンガポール高速鉄道プロジェクトへの影響は明らかではございません。
 国土交通省としましては、引き続き情報収集に努めまして、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。



○青木愛

 質問を終わります。ありがとうございます。





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