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自由党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年6月12日 国土交通委員会

船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案について




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木です。
 船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案について質問をいたします。重なる部分ありますけれども、よろしくお願いをいたします。
 まず最初の質問になりますが、一九九〇年以降、地球環境問題が世界的にクローズアップをされ、海洋汚染や大気汚染が問題となってきました。
 日本の船舶建造量は一九五六年にイギリスを抜いて世界第一位となりましたが、近年は韓国と中国に次ぐ第三位であるものの、今日に至るまで海運大国として世界をリードしております。
 老朽船舶の解体は一時期国内でも実施をしてきましたが、その後、大半は海外での解体となっております。バングラデシュのチッタゴンの海岸など、船舶解体の海岸の汚染は大変ひどいものがございます。
 そのような中で、二〇〇九年五月にシップリサイクル条約が採択され、二〇一二年には条約の締結に向けて重要となりますガイドラインが採択されました。二〇一八年四月末の時点で、ベルギー、コンゴ共和国、デンマーク、フランス、ノルウェー、パナマの六か国が締結をしています。
 条約内容の検討やガイドラインの起草作業に関しまして、我が国は世界有数の海運・造船国として主導的な役割を果たしたと聞いております。主導的な役割を果たしたのであれば早期に条約に加入するのが望ましかったと考えますが、条約の批准に必要となります本法律案が今日まで時間を要した理由につきまして、まず伺っておきたいと思います。


○蒲生篤実 海事局長

 お答え申し上げます。
 シップリサイクル条約につきましては、二〇〇九年に条約が採択された後、二〇一二年に各種国際ガイドラインがIMOで採択されております。
 本法律案によりまして、船舶所有者、再資源化解体業者、また、間接的には、関係する造船所、舶用、船舶用の機械の製造事業者に対しても規制が掛かることになります。このため、シップリサイクル条約における国際議論の動向を踏まえまして、各種ガイドラインが出そろった上でこれら関係業界等と慎重に意見交換を行いまして、十分な調整を行った上で本法律案の提出に至ったものでございます。
 以上でございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 本法律案におきまして、総トン数五百トン以上でEEZ域外を航行する船舶の所有者に対して、船舶に含まれる有害物質の使用場所と使用量を記した有害物質一覧表を作成し、国土交通大臣の確認を受けることが義務付けられます。
 この有害物質一覧表の作成が大変な作業だと伺っておりますが、実際どのように誰が作成するのか、具体的に教えていただければと思います。


○蒲生篤実 海事局長

 お答え申し上げます。
 有害物質一覧表の作成は船舶所有者に義務付けておりますが、作成に当たりましては造船所等の協力を得て行うことになると思っております。
 以上でございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 所有者にその責任が課され、そして所有者が造船所に依頼をして作っていただくという状況になっていると認識をしております。
 そこで、まずお伺いいたしますが、この内航船の対応策なんですが、五百トン以上の内航船、まず現在何隻あるのか、そして、老朽化した後の処分の状況についてまずお聞かせいただければと思います。


○蒲生篤実 海事局長

 総トン数五百トン以上の内航船に関しましては約二千九百隻ほどございます。その大部分に関しましては老朽化する前に海外に売船されておりまして、国内の解体業者におきましての再資源化解体のための譲渡というのは年間で約三隻程度というふうに承知しております。
 以上でございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 内航船については、いずれはほとんどが売船という状況になっているということであります。
 本法律案におきましては、内航船については、その船舶の総トン数にかかわらず有害物質一覧表及びその確認証書の保持義務が対象外とされております。しかし、総トン数五百トン以上の内航船を海外に売船、売る場合は、排他的経済水域外を航行することになるために、有害物質一覧表及びその確認証書の保持義務の対象になるということであります。
 さらに、国内で解体する場合ですが、やはり労働環境及び環境問題の観点から、有害物質の一覧表はいずれ必要とした方がよいのではないかとも考えており、こうしたことを併せて考えますと、船舶を新しく建造する場合、その造船時にリストの作成を造船側に義務付けることの方がむしろ合理的ではないかと考えております。
 外航船、内航船を問わず、また国内で解体する場合も有害物質の一覧表は必要になろうかと思いますので、今所有者に課されている責任をむしろ造船側に課し、その船を販売する際に、所有者に対してその有害物質の一覧表も添えながら売船をするという方向の方がよろしいのではないかと考えましたけれども、その点についてはいかがでしょうか。


○蒲生篤実 海事局長

 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、本法律案におきましては、内航船につきましては、EEZ外を航行しないものであれば、総トン数にかかわらず有害物質一覧表の作成は義務付けておりません。一方で、総トン数五百トン以上の内航船を海外売船しようとするときには、その船はEEZ外を航行いたしますのでシップリサイクル条約が適用されることとなりますので、有害物質一覧表の作成及び確認が必要となります。
 そのため、本法律案におきましては、内航船に対しまして有害物質一覧表の作成自体は義務付けておりませんが、将来的に必要となる場合等に備えまして、負担の少ない新規建造等のタイミングで有害物質一覧表を作成し国土交通大臣の事前の確認を受けられる、そういった仕組みを取り入れております。
 このように、国土交通大臣による事前の確認が可能であることにつきましては、業界団体等を通じまして内航船を含む所有者等に十分周知してまいるとともに、できるだけそういった有害物質一覧表に係るものを作っていただくよう慫慂してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 義務にはなっていないが、任意で所有者が新しい船を所有する際に、造船所側からその有害リストを所有の際に入手することができるという確認をさせていただいたと思います。
 新しく建造する場合については、そういう、任意であってもそれが可能になっているということなんですが、この既存船の場合なんですけれども、既存船舶におけるその有害物質の把握についての対応策を具体的に教えていただきたいと思いますが、既存船を所有者が海外で売船したいとなったときに、有害物のリストは四種でよいのかということと、あと、大変な作業になりますけれども、製造する側がその有害リストを面倒がらずにきちんと作っていただけるものなのかというところの確認の意味でございます。


○蒲生篤実 海事局長

 お答え申し上げます。
 本法律案では、シップリサイクル条約に基づきまして、有害物質一覧表に、新造船につきましては十三物質、既存船につきましては四物質の記載を義務付ける方向で検討しております。
 これは、シップリサイクル条約におきまして、既存船の場合、建造終了後に時間が経過しており、所有者が変わり得ることなども踏まえれば、船内に存在する十三物質全てを正確に調査することは現実的ではないということで、特に新規積載が禁止されている四物質に限りまして記載することとしたものでございます。また、既存船における有害物質の把握につきましては、各種検査のタイミングに合わせまして物質のサンプリングにより作成するため、船舶所有者等の負担は非常に小さくなるものと考えておるところでございます。
 さらに、このような有害物質一覧表をミスがなく、かつ作成者の負担を軽減して作成するためには、船舶の設備や材料に関する有害物質の情報をデータベース化し、抽出できるシステムの構築が極めて重要になると考えております。そのため、事業者の負担を減らす観点から、海運会社、造船所、設備メーカー、認証機関等関係者に対しまして、広くデータベースの構築、利活用を働きかけることが必要だと認識しているところでございます。
 以上でございます。



○青木愛

 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、大臣にお伺いをしたいと思います。
 鉄鉱石を始め様々な資源を輸入に頼る我が国におきましては、鉄資源の有効活用の観点から、国内において船舶再資源化を進める必要もあると考えております。また、地方において船舶再資源化を行うことができれば、雇用の拡大など、地方活性化にもつながることも考えられます。
 二〇一〇年に先進国型のシップリサイクルシステム構築ということで調査が行われました。北海道室蘭市において行われたと伺っていますが、この調査の概要とその結果はどのようなものだったのか、また、この調査によって得られました先進国型シップリサイクルシステムの構築に関する今後の課題、そして国内施設の可能性についてお伺いをしたいと思います。


○石井啓一国土交通大臣

 いわゆる室蘭プロジェクトにおきましては、国内の岸壁において大型商船の解体を行うことが技術的に可能であることが確認をできました。一方で、コスト面に課題が残ったと認識をしております。このような中で、地元の関係者から国土交通省に対して、室蘭プロジェクトの成果を世界に発信したいとの御要望もいただいております。
 国土交通省といたしましては、関係者の更なるコスト低減に向けた取組について注視しながら、船舶解体の事業化に意欲ある方に対して室蘭プロジェクトで得た成果を提供する等の支援を行うとともに、船舶解体国に対し我が国のノウハウを積極的に提供して、シップリサイクルが世界的に安全かつ環境保全が図られた形で実施されるよう、引き続き努めてまいりたいと考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。
 引き続きまして、もう一点質問させていただきたいと思います。
 二〇二〇年以降、船舶の排ガス規制が実施をされます。硫黄成分を除去した油、また脱硫装置など、船舶の改修という方法もありますけれども、この際、環境負荷の少ないLNG船舶への買換えも増えるのではないかとも考えられます。
 それに伴って解体が増えるのかどうか分かりませんけれども、解体のキャパシティーの問題など、対応策をお聞かせいただければと思います。


○蒲生篤実 海事局長

 お答え申し上げます。
 二〇二〇年から始まる船舶で使用される燃料油中の硫黄分濃度規制は、船舶からの排出ガス中の硫黄酸化物、SOxでございますが、それによります健康や環境への影響の低減を全世界的に行うものでございます。この規制によりまして、排出ガス中にSOxをほとんど含まず、CO2排出量も少ないLNG燃料船が注目されておりまして、今後、新造船を中心にLNG燃料船が普及することが予想されます。
 一方で、世界における船舶の解体量は二〇一二年をピークに減少しておりまして、二〇一六年にはピーク時の約八割にまで減っております。それを受けますと、今回の燃料油の規制によりましてLNG燃料船の建造が増えたとしても、そのことによって直ちに解体施設の能力が不足することにはなりにくいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、シップリサイクル条約では、締約国の船舶が条約要件に適合し、締約国の許可を受けた施設でのみ再資源化解体を行うことを認めておりますので、主要解体国の解体施設を一つでも多く条約要件に適合させることが重要であると考えているところでございます。
 以上でございます。



○青木愛

 時間になりましたので、海外での解体は公害の輸出でもあるという指摘をする意見もございますが、日本船舶を受け入れていただいている解体する国に対しまして、日本は今後とも、また経済的、技術的にも貢献すべきだということを申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。





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