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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年6月13日 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会

公職選挙法の一部を改正する法律案




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。
 本日は、公職選挙法の一部を改正する法律案に対しまして質問をさせていただきます。
 まず、今回の改正案で、参議院の選挙区の選挙の政見放送において持込みビデオ方式を導入するということでありまして、手話あるいは字幕を付与できるようにするという、その趣旨については理解するものでございますけれども、やはり政党所属あるいは推薦の候補者と完全無所属の候補者に差別をつくってはならないと私どもも考えております。全ての候補者に、手話また字幕を付与した政見ビデオを持ち込むことができる、その選択を与えるべきだというふうに考えております。
 まず質問をいたしますけれども、今回、完全無所属候補者をこのビデオの持込みについて対象外とした理由につきまして、政見放送の品位保持という点が挙げられていますけれども、この品位保持とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。


○自民党 石井正弘議員(発議者)

 お答え申し上げます。
 先ほど御質問ございました、完全無所属の候補者、これを対象外とした理由としての品位保持ということについての具体的には何を指すのかというお尋ねと存じます。
 御案内のとおり、公職選挙法の第百五十条の二という規定がございまして、これによりますと、政見放送をするに当たりましては、他人や他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ、善良な風俗を害し、特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をするなど、いやしくも政見放送としての品位を損なう言動をしてはならないと、このように規定されているところでありますが、この品位保持ということは、こういった内容の放送がされないことである、このように考えているところであります。
 より具体的に申し上げますと、これまでもあった事例といたしましては、候補者が差別的な発言をするとか、あるいは性的な発言をした、それをそのまま放送してよいのかどうかと、こういったことが問題になった事例がございました。そのほか、暴力的な表現を内容とするものとか、さらにはヘイトスピーチを内容とするもの、こういったものも懸念されるところであると、このように承知しております。

 以上です。


○青木愛

 まさに今、石井先生おっしゃいました公職選挙法の第百五十条なんですが、日本放送協会、また民間基幹放送事業者は、スタジオ収録であれビデオの持込みであれ、録音したもの、また録画したものはそのまま放送しなければならないという規定があります。
 ただ、そのまま放送しなければならないとありながらも、今先生がおっしゃったその百五十条の二で、ただし書といいますか、本則でありますけれども、繰り返しますが、「他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする等いやしくも政見放送としての品位を損なう言動をしてはならない。」とここで定められております。
 そして、この違反者に対しましては、この選挙後、事後に公職選挙法あるいは刑法で処罰の対象になるというふうになっておりますので、これは公認、推薦、無所属にかかわらず一定の品位保持は可能ではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。


○自民党 石井正弘議員(発議者)

 お答えいたします。
 確かに、議員御指摘のとおり、そのような規定があるわけでございます。百五十条の二を御指摘をいただいたところでございます。
 ただ、具体的に、罰則が設けられているのはどういうことかということで、御案内のとおり、これは虚偽事項を公表した場合とか、あるいは営業に関する宣伝をした場合などに限られているところであります。一方、刑法の規定を見ておりますと、わいせつ物陳列罪あるいは名誉毀損罪、これはございますけれども、品位を欠く行為というものは実は多様なものが考えられるところでありまして、刑法上、その全てが処罰の対象となるというわけではないところであります。
 このように、品位を欠く行為のうち罰則の対象となるものというものは限られているということから、罰則だけで品位保持ができるとは言えないのではないかと、このように考えているところであります。



○青木愛

 私はこの百五十条の二を、選挙の事前にこの趣旨を徹底をして行うということが大事だというふうに思っております。
 そして、ビデオの持込みが可能となっている衆議院の小選挙区の選挙においては、これは候補者届出政党が持ち込むことになっていて、候補者個人ではありません。今回の参議院選挙区選挙、この改正案においては、候補者個人がビデオの持込みを可能とするものでありますので、政党に所属している者であれ完全無所属の者であれ、候補者自身がビデオを持ち込むという原案になっておりますので、なおのこと、これは政党に所属しているから品位を保持できる、無所属だから品位を欠くという判断にはならないのではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。


○自民党 石井正弘議員(発議者)

 お答えをいたします。
 今回の改正、結論から申し上げれば、無所属の候補者は品位を保てないと、こういった発想によって行うものではございません。
 御説明申し上げますと、持込みビデオ方式でありますけれども、これは、収録をしているときに放送事業者などの周囲の目がありますスタジオ録画方式、これとは異なりまして、収録時には必ずしもその周囲の目があるとは限らないということがまず一点言えるかと思います。もう一つ、スタジオ録画方式と比べますとこれは自由度が高いということなどを踏まえますと、著しく品位を欠く表現がされる懸念がより高まるというように考えているところでありまして、これは政党の公認とか推薦を受けない候補者であるかどうかということにかかわらず生じる懸念であると、このように考えております。
 また一方、テレビという媒体は強力な影響力を有しております。また、品位を欠く政見放送が行われた場合におきましては、もう放送されてしまうわけでありますから、被害回復ができないといったことを踏まえますれば、品位を欠くものが放送されることはこれは避けなければならないと、このように考えるところでございまして、こうしたことから、政見放送の品位保持のために、品位を損なうようなことが考えにくい場合に限って持込みビデオ方式を認めることが適切であると、このように考えているところであります。
 こういった点、政党要件を満たす確認団体又は推薦団体の所属候補者又は推薦候補者については、政党に所属している者であればその政党の規律が及んでいると、このように考えられるところでありますし、また政党の推薦候補者でありますれば、実際上は政党が持込みビデオを確認した上で推薦団体となると、このように考えられるわけでありまして、こういった形で国民の一定の支持を受けている政党が関わることで品位を欠く表現がされる懸念を解消することができると、このように考えた次第でございます。



○青木愛

 時間がありませんので。
 無所属だから品位を欠くという明確な理由はなかったと思っております。そして、参議院選挙は衆議院選挙と異なりまして、参議院の良識の府、再考の府にふさわしい候補者が選ばれる制度でなければなりません。政党所属候補者と無所属候補者に選挙における有利不利があってはならないと考えます。
 先ほど、事例、事案があったということの御紹介もありましたけれども、やはりこうした候補者に、その選挙の条件に差があること、不公平な選挙を行うことの方がむしろ問題だということを指摘申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。




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