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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年7月11日 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会

公職選挙法の一部を改正する法律案




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○青木愛

 希望の会(自由・社民)を代表して質問をいたします。
 この間、何度も申し上げてまいりましたけれども、この参議院選挙制度につきましては、やはり専門委員会とそして参議院改革協議会との間の議論に差し戻すべきだということを改めて主張しまして、質問に入ります。
 まず、岡田直樹先生に、一言今の考えというか御感想をいただきたいというふうに思うんですが、専門委員会の委員長として大変御労苦されていた御様子は私もよく分かっておるんですけれども、この専門委員会の報告書の最後に、前回も申し上げましたけれども、その報告書を参議院改革協議会での議論に役立てて、成案が得られるよう参議院の在り方も踏まえた議論を参議院改革協議会にお願いしたいと委員長名で記されております。これは私どもは評価をしているんですけれども、実際、今はそのようになっていないこの状況に対して、岡田先生の率直な御感想といいますか、是非一言いただければと存じます。


○自民党 岡田直樹議員(発議者)

 私が専門委員長として報告書をまとめて、参議院改革協議会座長に提出をしたときには、先生御指摘のような文言で御要請をしたところでございます。
 我が党は、その十七回の先生方の各派の真摯な御議論の間に、この自民党案をまとめることできませんでした。提示することはできませんでしたけれども、その後、これはやはり速やかに改革協議会において、親会において参議院の在り方も踏まえた形で是非御検討を、成案を得るようにお願いをしたいというふうに申し上げて、そして行政監視機能の強化に関する合意が六月一日、全会派の一致をもって実現をしたことは、私、大変喜ばしいことであると思いますし、そうした参議院の在り方も踏まえた上で、やはり成案を得なければいけないという意味で、私どもの自民党案、改革協議会に提出をし、そして二度、大変厳しい御意見もございました。しかしながら、それに対して誠実にお答えをし、代表者懇談会においても同様に、先日申し上げた書面をもって、誠意を持ってお答えをした、そのこと。そして、私、本当に昨日、維新の石井章先生から柔らかな人柄と、そういうふうにおっしゃっていただきました。柔らかであることが政治家にとっていいことかどうか、ちょっとそれは判断が付きかねますけれども、極力丁寧に、公平公正にここまで取り運んできたつもりでございまして、今はこの倫理選挙特別委員会において各党案とともにどうか御審議を賜りますようお願いを申し上げます。



○青木愛

 やはり、今をもってしても、一年十七回にわたって大変な御議論を積み重ねてきた、その専門委員会にこの自民党案をまず提出するところから始めれば、たとえこの案が、まあ採決は困りますけれども、通ったとしても、その手続としては民主的な手続であっただろうと。これは選挙制度でありますから、参議院のこの進め方に本当に致命的な汚点を残す、そのことになりかねないというふうに考えております。
 質問時間は与えられていますので、この時間は活用するという意味で質問に移らせていただきたいと思います。
 先日の質疑を通して何点か伺いたいと思います。
 自民党にお伺いいたしますけれども、憲法には衆参の国会議員は全国民の代表というふうになっております。都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならないという規定はありません。そして、二〇一七年九月の最高裁判決でも、都道府県単位が足かせになって投票価値の平等を損ねてはいけないという趣旨が入っております。
 七月六日及び九日の質疑によりますと、自民党は抜本改正として憲法を改正した中で都道府県から国会議員を選出することを目指そうとしております。その場合、選挙区選出の議員は投票価値の平等に反して選ばれたということになります。
 全国民の代表というのは、人口比において一票の較差がないことが前提で選ばれたのが全国民の代表でありますので、投票価値の平等に反して選ばれた議員、これは国会議員と言えるのかどうか。国政を預かる正当性が見当たらないのでありますけれども、自民党の考えとすると、その辺は都道府県の代表ということになるのでしょうか。ちょっとその点を疑問に思ったものですから、お伺いをしておきたいと思います。


○自民党 磯崎仁彦議員(発議者)

 青木委員今御指摘のとおり、私どもの党は憲法四十七条の改正を検討しているところでございます。
 この改正におきましては、投票価値の平等、それと地域の民意の適切な反映、これを調和させていくという規定を置いた上で、参議院議員の選挙につきましては、合区を解消して各都道府県から代表者を出せるように、広域の地方公共団体のそれぞれの区域を選挙区とする場合には、改選ごと、三年ごとの改選ごとでございますが、各選挙区において少なくとも一人を選挙することが可能になるような、そういう改正を考えているわけでございます。これは、都道府県単位の選挙区とするために必要な限度で投票価値の平等の要請を緩和するものでございますが、委員言われるように一票の価値に反するというか、そういうものではないというふうに思っております。
 憲法上そのように規定したとしても、参議院議員が直ちに憲法四十三条に定める全国民の代表と矛盾するわけではございません。最高裁も述べておりますとおり、憲法第四十三条の全国民の代表につきましては、その選出方法のいかんにかかわらず全国民を代表するものであって、選挙人の指図に拘束されることなく独立して全国民のために行動する、そういう使命を有することを意味すると解釈されておりますので、そのような解釈を前提にする限り、事実上、都道府県代表的な意義ないし機能を有する要素が加わったからといって、これによって選出された議員が全国民の代表であるという性格と矛盾、抵触することはない、そのように考えております。



○青木愛

 憲法の改正をするしないにかかわらず、人口比で、先ほども申し上げましたけれども、一票の較差がないということが前提で選ばれたのが全国民の代表という認識でおります。各都道府県から一名必ず当選をさせるという考えでは、何ていうんでしょうね、一票の較差がないことが前提で国民に選ばれるのが全国民の代表であり、各都道府県から選出されたということは都道府県の代表となり、それは知事と一緒になるのではないかなという感じもしているんですね。
 都道府県からの代表、人口比ではなくて都道府県からの代表ということになりますので、人口比で選出されている議員ではない。もっと言うと、参議院は、都道府県の知事とかそういう経験者を参議院議員として、また首長経験を踏まえた方々が、何ていうんでしょうね、相談役といいますか御意見番といいますか、そういう役割を担うということで、参議院の位置付けそのものを変えるというのであればまだ分かるんですけれども、自民党が言っている今のその主張は、憲法改正云々ではなくて、矛盾をしているというふうに思うんです。いかがでしょうか。


○自民党 磯崎仁彦議員(発議者)

 お答えを申し上げたいと思います。
 青木委員が一票の価値の平等というのをどの程度、一対一というふうに考えているのかどうなのかというのはちょっと分からないところでございますけれども、現行におきましても最高裁は三・〇八について合憲という判断をされました。また、衆議院におきましても、これは法律によって一対二以内にということでございますので、これも一対一ということではないということでございます。
 今回、私ども、憲法四十七条の改正ということでございますけれども、これにつきましては、一つは一票の価値の平等ということとともに、やはり各都道府県から出していく、こういうことを憲法改正に入れたいということでございますので、憲法上、確かに一つは一票の価値ということを言われておりますが、やはり同じ憲法という土俵の中で各都道府県から少なくとも一名以上出しているということでございますので、憲法上やはり二つの価値というのも認めた上で、私どもは都道府県代表として出していくということでございます。
 ただ、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、最高裁の判決におきましても、それをもって全国民の代表でないということではない、全国民の代表であるという性格は疑わないということでございますので、委員の御指摘は当たらないと、そのように考えております。



○青木愛

 もう一点お伺いをしたいと思います。
 投票価値の平等だけを追求しますと、人口の少ない地域の声が反映されにくくなるということの批判において今回の法案も出されているんだと思いますけれども、しかし、同じ地域の中にも様々な意見あるいは利益の対立がそもそもあるわけです。
 現在、一人区というものが三十二全国にあります。ここでは、その地域の多様な意見というのを国政に反映することは、一人区ですから、多数党の意見だけが反映され、多様な意見を国政に反映するということはそもそも困難だと考えます。それに対して、日本全国複数区というのが今十三ありますけれども、ここに関しては、有権者が自分の意見をより近い候補者に投票して国政に反映することができます。
 このように、参議院の選挙区制度には、いわゆるその一人区の小選挙区制度とそして複数区の中選挙区制度、これが混在をしているという今の状況自体が有権者に不公平を生んでいるのではないかというふうに考えるんです。そうしたときに、今回の自民党案、また都道府県から一名は必ず選出をしていくというその方向性は、この一人区枠というのを固定していく方向だと思うんですね。これはそもそも有権者に対して不公平を生んでいる今の状況を更に進めることになるのではないかと考えたんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。


○自民党 磯崎仁彦議員(発議者)

 お答えを申し上げたいと思います。
 まず、我が党は、都道府県単位の地域の声、これを国政にしっかり届けることの重要性に鑑みまして、選挙区選挙におきましては都道府県単位の選挙区、これを維持すべきであるというふうに考えております。
 都道府県単位の選挙区におきましては、定数を人口に比例して配分するというふうになれば、委員御指摘のように、改選定数が一となる選挙区と改選定数が複数となるいわゆる小選挙区と中選挙区制、これが混在するということはおっしゃるとおりでございます。また、改選数が一となる選挙区におきましては多様な民意を国政に反映することが困難であるという、そういう指摘がなされていることも承知をしております。ただ、もっとも、この改正の後におきましても、選挙方法として見れば、地方区というか、選挙区とともに比例代表選挙が同時に行われるということでございますので、この比例代表選挙によりましてより多様な民意を国政に反映することは可能であるというふうに思っております。
 加えて、特定枠の制度を今回導入をするということでございますので、それによって、人口的に少数派ともいうべき条件不利地域の声を国政に届ける等、多様な民意の反映がより図られることから、参議院議員選挙全体として見れば多様な民意を国政に反映することは可能である、そのように思っております。



○青木愛

 国会には、重要な機能といたしまして、法律の制定と行政の監視がございます。行政監視は参議院に期待されている役割であります。そしてまた、大きな存在意義でもあります。
 行政監視委員会が最初に開かれたのは、一九九八年一月十二日に召集されました第百四十二回国会で、今年でちょうど二十周年を迎えております。当時、薬害エイズ、官官接待、KSD汚職問題など行政による不祥事が相次いで明るみとなり、国会が行政に対して監視、監督、統制を強めるべきという世論を背景に発足をしたものでございます。
 昨年来から、森友学園への国有地の売却、また国家戦略特区における加計学園問題、そして南スーダンのPKOに派遣された陸上自衛隊の日報隠蔽など不祥事が続いている中、現在、行政監視委員会、そのような問題を取り扱うことがこの国会では一度もございませんでした。そのような状況下の中で定数増を目指す今回の自民党案に対しまして反対の意を表明し、またその手続についても民主的なルールにのっとっていないことを改めて遺憾の意を表し、断固抗議をいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。




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