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自由党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年11月7日 予算委員会

水道民営化反対の立場から水道法改正案について
建設現場の手すり先行工法の民間工事への採用促進について




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○青木愛

 希望の会(自由・社民)を代表いたしまして質問をいたします。
 まず、この臨時国会、参議院での継続審議になっております水道事業の民営化法についてお伺いをいたします。
 今年の地震、豪雨災害において、浄水場に土砂が流れ込み、機能が停止をいたしました。水道管が破裂をして、広範囲の住民が長期間にわたり不自由な生活を強いられました。安全な水は、人間が生きる上で食物と同様に絶対に必要なものでございます。
 しかし、現在、水道事業が大変厳しい経営状況に直面をしております。高度成長時代に敷設されました水道管が老朽化をし、更新するためには多額の費用を要します。また、人口減少に伴い料金収入も落ち込んでおります。その対策として、今回、政府提案されました水道法の改正案は、一部は評価をいたしますけれども、断固として認めることができない内容を含んでおります。
 まず、評価をする部分についてお伺いをいたしますけれども、これは広域連携の推進ということでございます。
 現在、水道事業は自治体単位で原則独立採算制で実施をされております。つまり、徴収した水道料金で運営をしております。しかし、自治体によっては人口も減少になり、原価割れの状態となり、実態として一般会計から繰り入れている自治体もあります。こういう状況ですから、隣接する自治体が連携をして水道事業を広域化、また統合化することによって無駄を省き、事業の効率が上がるという面では評価をするところです。
 ただ、ここにも問題がございまして、中規模自治体同士の連携は進むことが期待できますけれども、更に小規模の自治体がこの広域連携に参画できるのかどうかを大変懸念をしております。特に、こうした小規模自治体がこうした推進から取り残されないように、この広域連携に期待をするわけですけれども、どのような対策が取られているか、まずその点からお伺いをいたします。



○根本匠 厚生労働大臣

水道はまさに生活のインフラで、水道事業が抱える様々な課題、それは委員の御指摘のとおりだと思います。
 そして、水道事業は主に市町村ごとに経営されておりますので、多くの水道事業者は小規模で経営基盤が脆弱であります。このため、施設や経営の効率化、基盤強化、これを図るための広域連携の推進、これが重要だと考えています。
 今回の水道法改正法案、これは、都道府県が、小規模な水道事業者も含め、その区域内の水道サービスが将来にわたって維持されるよう、市町村を超えた広域的な見地から水道事業者等の間の調整を行い、広域連携を推進していることとしております。
 厚生労働省においては、都道府県による水道基盤強化計画の策定の支援、あるいは広域連携に取り組む水道事業者等への財政支援、こういうものを行うことによって、小規模な水道事業者も含め、広域連携を推進していきたいと思います。


○青木愛

 旗振り役の都道府県に責任を持ってもらうということで、是非とも国としてもしっかりとした対応をしていただきたいと思いますが、この人口の少ない自治体こそ生活インフラを何としてでも維持することが大切だというふうに思っております。やはり人の営みがあってこその国土の保全ということにもつながってくるだろうと思います。是非とも小規模自治体、広域連携、しっかりと参画できるような国としてもお取組をお願いを申し上げます。
 そして、問題なんですが、これは、施設の所有権は自治体に残しながら運営権を民間企業に売却をするというコンセッション方式というものの導入です。
 なぜ今、水道事業の民営化を進めなければならないのでしょうか。



○根本匠 厚生労働大臣

 まず、コンセッション方式ですが、コンセッション方式は、一般的には、民間ならではの経営のノウハウや高い技術力を効果的に活用できて、そして効率的な施設の整備、管理による安定的な給水サービスを受けることが可能となり、地方自治体や住民にとってメリットがあると考えております。
 その意味で、今回の水道法改正案においては、水道施設の老朽化の進行や人口減少などに伴う料金収入の減少など、厳しい経営状況にある水道事業者がコンセッション方式のメリットが大きいと判断した場合に、官民連携の選択の一つとして導入できるように今回法改正をしようとするものであります。
 ただ、今回の法改正においても、今、民営化という話がありましたが、これは、あくまでコンセッション方式は運営権ですから、地方自治体が引き続き水道事業の最終責任を維持する公の関与をしっかりと強化した仕組みとして対応したいと思っております。


○青木愛

 海外での事例を紹介をさせていただきます。
 この水道事業の民営化によりまして、料金が跳ね上がった、水質が悪化をした、安定供給が低下をした、企業の役員報酬や株式配当が優先され住民への水道サービスがおろそかにされたなど、深刻な問題が表面化をしております。そのため、二〇〇〇年から、パリやロンドンなど、三十五か国、百八十都市で水道事業が再び公営化されております。
 このような海外の事情をどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。



○根本匠 厚生労働大臣

 海外の事例、我々も調べました。委員が御指摘のように、海外においては、水道料金の高騰や水質悪化等の水道施設の管理運営のレベルの低下、あるいは設備投資の不履行などの問題が生じた事例があると承知しております。
 ですから、今回の法改正の立案に当たっては、こういう海外の事例も参考にしながら、こういうことが起こらないようなきちんとした制度設計をすべきだという構えで臨んでおります。
 具体的には、コンセッション方式はPFI法に基づく事業の一類型でありますけど、例えば利用料金については、PFI法で地方自治体が条例で基本的な枠組みを定めるということにしておりますが、これに加えて、水道法において、今回の改正案においては、厚生労働大臣も適切な料金設定となっているかを確認した上で許可する仕組みといたしました。
 このほか、サービス水準については、PFI法では、地方自治体がコンセッション事業者の業務、経理の状況を監視することとなっておりますが、これに加えて、今般の水道法改正案、これにおいては、厚生労働大臣が自治体の監視体制が適切かを確認した上で許可する、さらに、厚生労働省から直接、コンセッション事業者に対して報告徴収、立入検査を実施するということにしておりますので、海外ではいろんな問題が起こりましたが、我が国ではそれを踏まえてしっかりと官の関与の仕組みを強化をしておりますので、この今の御指摘のお話に対しては我々はしっかりと対応していきたいと思っております。


○青木愛

 この海外のようなことが起こらないようにということなんですけれども、起こる可能性があるようなものをわざわざ導入することはないと思うんです。
 この水道民営化の背景ですが、先ほど申し上げましたけれども、水道管が老朽化をして、人口減少でなかなか更新がままならないという地域の対策だというふうに思っております。
 でも、そういうところには、当然のことながら、採算合いませんので利益が上がりませんから、当然、民間企業はそこに参入することはないと思うんです。なので、この法案の背景、理由とやっていることが大変ちぐはぐだというふうに感じております。
 そして、この民間企業が持つその技術を導入をしたいということであれば、わざわざ運営権、経営権を売却などしなくてもその技術の導入は図ることはできるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。



○根本匠 厚生労働大臣

 今回の改正の眼目は、一つは、小規模自治体、これについては広域連携できちんと基盤を強化して、そして都道府県に役割を果たしてもらうということで対応しようと。もう一つのコンセッション方式は、一般的には、民間ならではの経営ノウハウや高い技術力を効果的に活用できて、そして効率的な施設の整備、管理による安定的な給水サービスを受けることが可能となって自治体や住民にとってメリットがあると、こういうことでコンセッション方式を導入しようと。いいものは導入しようと思っていますが、これは、あくまでもコンセッション方式のメリットが大きいと判断した場合に官民連携の選択肢の一つとして導入できるようにする、そしてあくまで自治体は引き続き水道事業者の最終責任を維持する、公の関与を強化した仕組みとして導入することとしております。


○青木愛

 そのコンセッション方式のメリットと人間の命とどちらが大事かということだと思います。水道料金は延滞してはいけませんけれども、すぐに蛇口を閉めることはないのも、やはり直接生命に関わるから水道だけは別扱いとなっているというふうに聞いております。そして、トイレの水も、またお風呂の水も、日本の場合は飲める水が蛇口から出るということも海外からも大変評価が高く、高い評価をいただいているところであります。
 このような水です。水道事業の民営化、この最大の問題は、人間の生命維持にとって不可欠なこの水の供給を営利を目的とする民間企業に委ねるところにあります。空港や高速道路であればまだしもですが、この水の供給を民間企業に委ねるということは、私は国として取るべき判断ではないというふうに思っております。そして、そこには外資の制限がないとも聞いております。ですので、日本人の生命が外国企業に握られるということにもつながります。
 政治の最大の役割、安倍総理もいつもおっしゃっております国民の生命と財産を守ること、まずは国民の生命を守ることが国の最大の役割だというふうに私も認識をしております。この観点からいえば、この度の安倍内閣が進めます水道法の改正は、国民の命を守るという国の責務、使命を放棄することになりませんでしょうか。総理の御見解を伺わせていただきます。



○安倍晋三 内閣総理大臣

 今回の水道法改正法案において創設するコンセッション方式は、地方自治体が引き続き水道事業の最終責任を維持する等、公の関与を強化した仕組みでありまして、民営化ではないということはまず申し上げておきたいと思います。
 また、あくまでも官民連携の選択肢の一つでありまして、住民サービスの向上や業務効率化等のメリットが大きいと判断した自治体のみが導入するものでありまして、言わば自治体が自主的にこうやって、今までの方式よりも民間の知恵、効率化を生かした方が住民サービスにも資するなと考えた場合はそういう選択肢を取ると、こういうことでありますし、それを判断する自治体自体も選挙で住民の判断を得るわけでありますから、そういう中で正しい判断をされるんだろうと、こう思います。
 国民にとって欠くことのできないサービスである水道を将来にわたり持続可能なものとするため、今回の水道法改正法案により基盤強化を図ってまいりたいと、こう考えております。


○青木愛

 私は、この法案の趣旨からも、広域連携で踏ん張っていただきたいというふうに思っております。何でも規制緩和、民営化に期待するのは短絡的と思っております。水道事業は原則独立採算ということにはなっておりますけれども、空港や高速道路とは違いまして人間の生命に直結する水でありますので、私は、ここは国の税金を投入してでも公営を維持するべきだというふうに考えます。
 次の質問に移ります。
 災害対応と、そしてこの度の外国人の人材受入れと関連をいたしまして、建設現場の安全対策について伺います。
 建設業は、国民生活と、そしてあらゆる産業活動の基礎を築く要の産業であります。そしてもう一つは、このような災害に見舞われたときに、いち早く被災地に駆け付け、昼夜を問わず働き、復旧作業をしていただいているのも建設業の方々であります。
 このような重要なお仕事をされている方々にもかかわらず、この労働環境が今なお厳しい状況にあります。それゆえ、若い方々の職場への参入が見込まれず、作業員の高齢化とともに技術の継承もままならないという、国としても大変深刻な問題を抱えていると認識をしております。特に建設現場は命に関わる危険に遭遇する場面が多く、死者数も全産業の約三分の一に上ります。中でも、墜落、転落による事故が多いというのが現状であります。
 建設現場の安全確保、最重要課題でありまして、一昨年、超党派、全会一致で建設職人基本法が成立をし、基本計画に基づき、今鋭意検討会が開かれているという状況です。
 この足場からの転落事故を防止をする大変有効な方法として、手すり先行工法、二段手すりと幅木の設置というのがございます。私も足場に上がってみましたけれども、作業床を取り囲むように幅木が設置をされていますと、安全であることはもちろんですが、作業員がとても安心感を持って作業を進めることができる。また、地上への落下物も防ぐことができます。
 しかしながら、実際は、国が発注をしている公共工事では九割この工法が実施をされているんですけれども、一方、民間においては一割程度しか採用されておりません。ゆえに、国発注の工事では死亡事故はゼロに対して、民間工事では一日に一名が命を落とすといった状況がこれまで続いてまいりました。今も死亡事故が後を絶ちません。
 こうした建設現場の安全を確保するために、この手すり先行工法、幅木の設置、これ大変有効であるということは数字からも明らかだと思うんですけれども、所管の厚労大臣の御認識をお伺いをしたいと思います。



○根本匠 厚生労働大臣

 今、委員は、手すり先行工法についての義務化をすべきだということでしょうか。(発言する者あり)認識、有効であるかどうかの認識、はい。
 厚生労働省においては、本年五月から開催している建設業における墜落・転落防止対策の充実強化に関する実務者会合を開いております。そして、実務者会合の委員の皆様が手すり先行工法の有効性を認識された上で御議論されていると承知をしております。
 これでよろしいですか。(発言する者あり)有効性を認識された上で御議論されていると承知しております。


○委員長

 青木さん、もう一回質問してください。


○青木愛

 はい。
 もう一度、ちょっと聞き取れませんでしたので、もう一度明確にお答えをお願いいたします。



○根本匠 厚生労働大臣

 手すり先行工法の有効性はあると専門家は認識しておりますので、私も、技術の専門家ではありませんが、一定の有効性があるものと思います。


○青木愛

 ありがとうございます。御認識をいただいているということは分かりました。
 今後、それを実効性あるものにするために、やはりその裏付けとなります安全衛生経費というものはしっかりと下請の現場まで届くような仕組みをつくることも大事だというふうに思っておりますし、東京スカイツリーは事故死がなく完成をしたというふうに聞いております。それは、足場のみならず、その足場をチェックする機能がきっちりと働いていたということを現場から伺いました。日本のシンボルとしてやはり価値あるものに映るのは、そうした事故がなかったということの裏付けだというふうに思います。是非とも、安全対策、お願いしたいと思います。
 このタイミングで私質問をさせていただきましたのは、この度、入国管理法を改正して大幅な外国人人材を受け入れるということでありまして、まずは、この建設現場においては、受入れを進める前にこうした安全対策が最優先だということを指摘をしたかったのであります。そして、建設のみならず、農業あるいは介護、こうした業種になぜ人が集まらないのか、深刻な人手不足になっているのか、これをまず徹底的に検証することが必要だというふうに思います。まずは日本人の労働環境を改善をすることだと思います。



○委員長

 時間が来ております。


○青木愛

 外国人人材に対しても日本人と同等の労働環境でという御答弁ありますけれども、まずは日本人の労働環境を整えることで、外国人人材に対しても同等のそれに準じた労働環境を整備することができるというふうに確信をしておりますので、その点をお忘れなきように、拙速な判断になりませんようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。









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