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国民民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成31年3月12日 国土交通委員会

国土交通行政の基本施策に関する件について




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○青木愛

 国民民主党・新緑風会の青木愛です。
 私も、災害対策からお伺いをさせていただきたいと思います。
 近年、気候変動によります気象災害が激甚化及び頻発化しております。また、首都直下地震や南海トラフ地震に対する警告も発せられております。
 昨日は三月十一日、東日本大震災が発生してからちょうど八年が過ぎましたが、去る二月二十六日に政府が発表いたしました、青森県東方沖から房総沖にかけての日本海溝沿いで今後三十年以内にマグニチュード七クラスの大きな地震が九〇%の確率で起こると発表されました。八年前にあれだけの被害を出しました超巨大地震でありますので、もう当分の間はないだろうと思っておりましたけれども、この度の政府の発表、大変驚きました。
 異常気象、また巨大地震から国民の命と財産を守るというのは国の最も重要な使命であることは当然のことでありますが、そのための最も基本的なインフラを提供する、その責務を担っておられる国土交通省の大臣として、震災から八年を迎えまして、また今後に向けた御決意をまずお伺いをさせていただきたいと思います。


○石井啓一国土交通大臣

 昨日、東日本大震災の発生から八年になりました。生活に密着したインフラの復旧はおおむね終了しておりまして、住宅再建・復興まちづくりにつきましても、災害公営住宅と高台移転の整備が今年度末まででおおむね完了いたします。これらにつきまして、復興・創生期間内の完了を目指し、着実に取組を進めるとともに、持続可能な地域公共交通網の形成等、ソフト面での支援にもしっかりと取り組んでまいります。
 また、観光の復興につきましては、二〇一八年の東北六県の外国人宿泊者数は、震災前の約二・四倍の約百二十万人泊となっております。二〇二〇年に百五十万人泊にするという目標の実現に向けまして、各県の状況に応じてきめ細かく丁寧に取り組んでまいります。
 十年間の復興期間も残り二年となります。三月八日には、復興・創生期間における東日本大震災からの復興の基本方針の見直しが閣議決定をされたところであり、引き続き、復興の総仕上げに向け、国土交通省の総力を挙げ、被災者の皆様のお気持ちに寄り添いながら取組を進めてまいりたいと考えております。


○青木愛

 ありがとうございます。
 それでは、この二月二十六日に政府が発表しました青森県の東方沖から房総沖にかけての日本海溝沿い、今後三十年以内にマグニチュード七クラスの大きな地震が起きるということなんですが、その内容についてもう少し詳しくお聞かせいただければと思います。


○岡村直子 文部科学大臣官房審議官

 お答えさせていただきます。
 地震調査研究推進本部の地震調査委員会では、将来発生する可能性のある地震の場所、規模、確率について、例えば今後三十年以内といった長期評価を実施しており、二月二十六日に、日本海溝沿いで発生する地震活動について公表いたしました。
 今回の評価においては、平成二十三年に東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震後に得た新たな知見を取り込み、評価した結果、マグニチュード九程度の超巨大地震が今後三十年以内に発生する確率はほぼ〇%、マグニチュード七から八程度の地震につきましては、青森県東方沖及び岩手県沖北部のマグニチュード七・九程度の規模のプレート間巨大地震は五から三〇%、青森県東方沖及び岩手県沖北部のマグニチュード七・〇から七・五程度の規模の一回り小さいプレート間地震は九〇%程度以上、宮城県沖のマグニチュード七・〇から七・五程度の規模の一回り小さいプレート間地震は九〇%程度などと、場所と規模に分けて評価しております。
 日本は世界的に見ても非常に地震の多い国でありまして、日本国内では地震の揺れに見舞われる確率がゼロとなるところは存在しません。地震はどこでも発生する可能性があるということを念頭に置きつつも、国民の方々の不安をあおるのではなく、本評価を自治体等の防災対策や各御家庭での防災意識の向上に役立てていただくべく、丁寧に御説明するなど取り組んでまいります。


○青木愛

 ありがとうございます。
 東日本大震災のマグニチュード九クラスはほぼゼロということで、若干は安心をいたしますけれども、今復興に向かって現地で頑張っておられますので、でも、それにしても、マグニチュード七クラスが来る可能性が九〇%の確率でこの三十年以内にあるということで、まだまだ油断はできないなというふうに認識をしたところでございます。
 そして、昨年は、七月には豪雨、台風二十一号、また大阪北部地震、北海道胆振東部地震、また四十度を超す猛暑、豪雪などによりまして、多くの被害者、被災者を出しました。住民の暮らしと経済は甚大な被害を受けたわけでございますが、それらの被害を受けて政府が、災害からの復旧復興、学校の緊急重点安全確保対策など、九千三百五十六億円の第一次補正予算を組みました。中身には賛成でございましたけれども、時期が十月十五日ということで、対応が遅かったことを残念に思っているところではございます。
 その後、十二月十四日、政府は、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を打ち出しました。防災のための重要インフラの機能維持及び国民経済、生活を支える重要インフラ等の機能維持の観点から、特に緊急に実施すべきハード、ソフト対策について三年間で集中的に実施をするということとしております。
 そこでお伺いしますけれども、国土交通省に関連する分野において講じるべき対策はたくさんあると思いますけれども、限られた予算の制約の中でどういう基準に基づいて事業を選定されたのかをまずお伺いをしたいと思います。例えば、緊急性の高いものを選んだのか、あるいは人命や経済に及ぼす被害の甚大性を優先したのか、そういった点でお伺いをしたいと思います。


○栗田卓也 国土交通省総合政策局長

 近年頻発しております激甚な災害で明らかとなった課題に対応するため、重要なインフラがあらゆる災害に対してその機能を維持できるよう万全を期していく必要があります。
 国土交通省では、国民の命を守り、暮らしと経済を支える重要インフラとして、所管する道路、鉄道、港湾などの交通インフラ、河川、砂防などの防災関係インフラ等を対象として総点検を実施し、これらの結果などを踏まえ、ソフト、ハードの両面から緊急対策を行うこととしております。
 この三か年の緊急対策を行うに当たりまして、その箇所抽出の基本的な考え方でございますが、幾つかございます。災害が地域住民等の人命に与える被害の広がりや程度、災害が重要インフラに与える被害の広がりや程度、社会経済や人々の暮らしなどに与える影響の広がりや程度、このような被害や影響が発生した場合の早期機能復旧の困難性、こういった事柄を総合的に勘案いたしましてリスクや緊急性が高い箇所を抽出し、三か年緊急対策を集中的に実施することとしております。
 近年大きな災害が頻発している状況を踏まえまして、災害から国民の命と暮らしを守るため、関係機関と連携の上、緊急対策を三年間集中で着実かつ迅速に実施してまいります。


○青木愛

 ありがとうございます。
 例えば、首都直下地震でありますとか、南海トラフでありますとか、万が一にも発生すれば多くの被害者を出し、また首都機能も大幅に制限を受けると。こうした人命、政治経済、国民生活に及ぼす影響は甚大をはるかに超える被害だと認識をしておりますけれども、これに対する対策は三か年緊急対策には入っているのでしょうか。


○塚原浩一 国土交通省水管理・国土保全局長  

 お答え申し上げます。
 三か年緊急対策におきましては、南海トラフ巨大地震や首都直下地震への対策につきましても、リスクや緊急性が高い箇所を抽出いたしまして、三か年で集中的に実施することといたしております。
 例えば、南海トラフ巨大地震につきましては、短時間で巨大な津波が押し寄せ、沿岸部を中心に広域かつ甚大な被害が想定されるということから、例えばゼロメートル地帯の堤防の耐震化、あるいは津波観測情報の提供の迅速化、高度化などを推進してまいります。
 また、首都直下地震につきましては、建物の倒壊や火災により特に密集市街地では甚大な被害が想定されることから、住宅、建築物の耐震化や不燃化、道路の無電柱化等を推進してまいります。


○青木愛

 この防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策について、疑問に感じる点を一点お伺いをさせていただきたいと思います。
 この対策が平成三十年度第二次補正から始まっております。事業に盛り込まれた内容は、補正予算ではなく本予算に計上して、十分な審議を経て決定すべき内容だと考えます。
 平成三十一年度当初予算では、一兆三千四百四十七億円が計上されております。個別事業の一つ一つが適正であるかどうかは別といたしまして、その効果として、消費税率の引上げに対応した新たな対策というものにも含ませております。
 この防災・減災、国土強靱化対策は景気対策として受け止めておられるのでしょうか。この点についてお聞かせいただきたいと思います。


○黒田岳士 内閣府大臣官房審議官

 お答え申し上げます。
 そもそも、マクロの需要創出、すなわち景気対策のみを目的として不必要な公共事業を行うことはあり得ません。その時々の必要な事業を行うことは当然でございます。そういった意味では、災害対策と景気対策のどちらが主目的ということではなく、必要な公共事業が結果としてマクロの需要創出にも資するということであると考えております。
 今回の消費税率の引上げに伴う対応としては、軽減税率制度の実施のほか、中小小売業でのポイント還元、柔軟な価格設定のためのガイドライン策定など、きめ細かな支援策、また需要の平準化対策を講じるとともに、経済の下支えを図ることも重要と考えております。こうした観点から、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策による公共事業はマクロの需要創出効果も見込めることから、今回の消費税率引上げに伴う対応の一つとしても位置付けることとしたものでございます。


○青木愛

 防災・減災対策、これは必要な公共事業でありますので、だからこそ本予算で堂々と議論するべき内容だということを指摘をさせていただきたいと思っています。
 平成の時代を迎えましたとき、日本経済はバブルが崩壊をして、長期にわたって景気が低迷しました。その頃、景気対策として補正予算で公共事業がどんどん講じられましたが、期待する効果が得られず、いたずらに財政を悪化をさせました。
 公共事業は無駄、公共事業は悪者というイメージ、思いが世論に広まったのは、公共事業の乗数効果が薄くなっていたにもかかわらず、公共事業を景気浮揚策として位置付けたからだと考えます。それだけの予算を投入するのであれば、その当時から自然災害への対応やインフラ更新に投入すべきであったのではないかというふうに思います。現在も、公共事業をこのように景気浮揚策として、消費税対策として位置付けることによりまして、国民に間違ったメッセージを送ることになるのではないかというふうに考えます。
 本当は石井大臣にこの点お聞かせをいただきたいなと思いましたけれども、これは内閣府の方の管轄だということでありましたので内閣府の方から御答弁をいただきましたけれども、これだけの甚大な自然災害に見舞われている昨今でありますので、災害対策に対しましては国民は理解をするものと思っております。当初予算で堂々と議論すべき内容であり、景気対策と位置付けることによって、効果がなかったとき、公共事業はやはり悪というイメージを与えてしまうことを懸念をいたします。必要なものは必要として、本予算でしっかり議論すべきであるということを指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、荒川の決壊について再度お伺いをしたいと思っています。
 関東地域も、これまでに経験したことのない異常気象に見舞われる確率はゼロではありません。
 そこで、再度お伺いをいたしますが、異常豪雨によるこの荒川の決壊に対処するための対策はこの三か年緊急対策に盛り込まれているのでしょうか。


○塚原浩一 国土交通省水管理・国土保全局長

 荒川は、埼玉県と東京都にまたがり、我が国の中枢機能が集積する高密度に発展した地域を流れる河川でございます。これまで河川改修やダム建設等の治水対策を進めてまいりました。
 平成三十年七月豪雨におきまして西日本を中心に全国で多数の堤防決壊等により甚大な被害が発生したことも踏まえまして、この三か年緊急対策におきましても、荒川におきまして氾濫を防止するための樹木伐採、掘削あるいは堤防の強化対策などを実施する予定でございます。


○青木愛

 東京は、中でも墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区はゼロメートル地帯が広がっております。豪雨による大規模水害が発生した場合、広範囲にわたって浸水をいたします。
 万が一にも荒川が決壊した場合、浸水家屋、避難住民数、また被害想定額、また浸水が継続する期間などについてお伺いをしたいと思います。


○塚原浩一 国土交通省水管理・国土保全局長  

 お答え申し上げます。
 具体的な荒川の被害想定につきましては、例えば荒川右岸の河口から二十一キロの地点が決壊した場合で、最大で浸水家屋数は約六十一万、浸水区域内の人口は約百二十六万でございまして、うち孤立者数が五十四万人に上るという推計もございます。また、浸水区域のほぼ全域で二週間以上浸水が継続するといった被害が想定されております。
 また、同様の箇所が決壊した場合の被害の総額につきましては、平成三十年六月に土木学会のレジリエンス確保に関する技術検討委員会が公表した報告書がございまして、これによりますと、経済被害が二十六兆円、資産被害が三十六兆円などの被害が推計されております。


○青木愛

 対策のこの策定におきましては、関係者が綿密に打合せを重ねていただきまして、現実的に可能な方策を練り上げてもらいたい。住民が安心できる対策をお願いいたします。
 そして、この決壊を防止するという観点から有効な対策といたしまして、調整池の整備がございます。
 荒川の上流地域に第一調整池が既に整備をされています。これが果たした過去の状況をまず教えていただきたいと思います。


○塚原浩一 国土交通省水管理・国土保全局長  

 お答え申し上げます。
 荒川第一調節池につきましては、荒川の中流部の広い高水敷を活用いたしまして、洪水を貯留し、下流の安全度を高めるとともに、首都圏の水道用水の補給を目的といたしました整備をいたしました。面積五百八十ヘクタール、洪水調節容量三千九百万立方メートル、また利水のための有効貯水容量一千六十万立方メートルの施設でございまして、平成十六年に完成をしております。
 これまでに、建設中の平成十一年八月に洪水が流入いたしますとともに、施設完成後の平成十九年九月の洪水におきましても洪水調節を行い、効果を発揮しております。特に、近年で洪水の規模が大きかった平成十一年八月の洪水におきましては、この第一調節池におきまして約二千万立方メートルの洪水を貯留いたしております。


○青木愛

 効果があるということでありますが、今後予想されます異常気象に対しましてはこの第一調整池だけでは安心できないということでありまして、現在、第二、第三の調整池が整備されつつあると伺っております。その整備状況及び課題についてお聞かせください。


○塚原浩一 国土交通省水管理・国土保全局長  

 荒川におきましては、今年度より、新たに更に多くの洪水を貯留し、下流の安全度を高めるという目的で、面積約七百六十ヘクタール、洪水調節容量約五千百万立方メートルを計画をしております荒川第二、第三調節池の整備に着手したところでございます。
 現在は、関係住民や自治体等に対して事業計画を丁寧に説明するとともに、現地の測量や土質、環境等の必要な調査を実施しているところでございます。当該空間の河川敷の利用が多くなされていること、橋梁の架け替えが伴うことなどの課題がございますので、丁寧に調整を図ってまいりたいというふうに考えております。

○青木愛

 また、この荒川氾濫のシミュレーションでは、主として東京二十三区東側の浸水被害を想定していますが、山の手側の東京都西部も決して安心できないという専門家の方がいらっしゃいます。妙正寺川、善福寺川、神田川などの流れるところは、昔の谷筋に洪水が起こりやすい地域だと伺っています。渋谷も地名に谷と付いているように雨がたまりやすい、また新宿も、新宿駅から都庁方面にかけて土地が低くなっております。そうした地域の上空で積乱雲がとどまって激しい雨が続く、いわゆる線状降水帯と呼ばれる気象現象が起きた場合、都市型洪水に見舞われる可能性を否定できません。
 平成二十七年九月九日から十一日にかけて、関東、東北地方を中心に発生しました線状降水帯は豪雨を記録し、多くの河川で水があふれ、一万棟を超える家屋が床上・床下浸水をいたしました。こうした対策状況をお聞かせいただきたいと思います。


○塚原浩一 国土交通省水管理・国土保全局長  

 御指摘の河川につきましては、東京都が管理をいたしておりますけれども、これまで一時間当たり五十ミリ程度の降雨により生じる洪水に対して安全を確保することを目標として整備を進めてまいりました。しかしながら、近年、これまでの目標を超えるような集中豪雨が増加をしているということから、御指摘の妙正寺川や善福寺川を含む神田川流域などの河川につきましては、平成二十四年に目標を時間当たり七十五ミリの雨、これを目標としたところでございます。
 この整備に当たりましては、洪水を安全に流すための河道拡幅や洪水を一時的に貯留して下流の負担を軽減させるための地下の調節池などを組み合わせながら対策を実施しております。
 国土交通省といたしましては、防災・安全交付金によりまして支援を行っているところでございますけれども、引き続き、東京都の御要望等も伺いながら必要な支援を行ってまいります。


○青木愛

 ありがとうございます。
 それでは、話題を変えまして、人口減少下での国づくり、まちづくりについてお伺いをしていきたいと思います。
 日本はこれまで人口が増加する状況の中で国づくり、まちづくりを進めてきました。しかし、二〇〇八年頃をピークにして日本は人口減少時代に向かっています。人口減少下での国づくり、まちづくり、人口増加時代以上に難しい課題に直面をしております。放置をいたしますと、地方は過疎化が進み、いずれ消滅する可能性がございます。また、一定の地方都市で高度成長時代に拡大をいたしました公共施設やインフラを人口減少時代に維持することは財政的に困難です。
 そこで掲げられた政策がコンパクトシティー・プラス・ネットワークということであります。それぞれの地域内において各種機能をコンパクトに集約すると同時に、各地域がネットワークでつながることによって一定の圏域人口を確保し、生活に必要な機能を維持することを可能とするまちづくりだと伺っています。
 その成功事例としてよく取り上げられますのが富山市であります。富山市は、全国有数の薄く広く拡散した町を集約しなければならないという危機感から、既存の鉄軌道のLRT、次世代型路面電車化を軸とした居住誘導のためのインセンティブをいち早く設けました。
 二年半前、私も富山市を訪問し、成功の様子は直接伺ってきましたけれども、その後、富山市は順調にまちづくりが進んでいるのか、あるいは予期せぬ課題に直面しているのか、その辺の状況をお聞かせいただきたいと思います。


○青木由行 国土交通省都市局長

 お答えいたします。
 御指摘のとおり、人口減少あるいは高齢化が進む中で、地域の活力を維持増進させるとともに、福祉、医療等の生活機能が確保された安心して暮らせる町を実現いたしますためには、各種の都市機能をコンパクトに集約をいたしましてネットワークでつなぐコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりを進めることが必要と考えてございます。
 お話ございました富山市では、平成二十九年に富山市立地適正化計画を策定しておられますけれども、これに基づきまして、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりの実現を目指しておられます。具体的には、御指摘ございましたように、鉄軌道を始めとする公共交通を活性化させまして、その沿線に居住、商業、文化、業務等の都市の諸機能を集積させるなどの取組を実施してございます。
 その結果、中心市街地及び公共交通の沿線地区の人口の割合が、平成十七年が約二八%でございましたが、平成三十年でこれを見ますと、約三七%に増加をいたしております。また、路面電車の利用者数の増加あるいは地価の上昇など、徐々にではございますけれども、一定の施策効果が現れてきているものと承知をしてございます。
 富山市にお伺いをいたしますと、これまで順調に施策展開が行われているというふうに認識しておるものの、この施策の継続性、一貫性を確保していく、更に施策を深化、充実させていくためには、より企業や市民に対してまちづくりの理念の共有を広げていく、これが課題と認識しているというふうに伺っているところでございます。
 以上でございます。


○青木愛

 地域にはそれぞれの歴史、風土、また特有の産業がございます。また、住民性も異なる点があろうかと思います。
 一つの都市での成功例がそのまま他の地域で成功するかどうか分かりませんけれども、このコンパクトシティー・プラス・ネットワーク政策を進める上において、それぞれの自治体に対しまして国としてどのようなアドバイス、また関わりを持っておられるのか、特に注意している点などがございましたら教えていただければと思います。


○青木由行 国土交通省都市局長

 お答えいたします。
 コンパクトなまちづくりを進めるに当たりましては、御指摘のとおり、歴史や風土、地域それぞれの状況に照らし合わせまして、きめ細やかな対応を行っていく、これが重要なことというふうに思ってございます。このため、国土交通省といたしましても、職員の現地訪問等によるコンサルティング、こういったものを通じまして、地域の実情に応じた適切な支援、これを行ってきたところでございます。
 また、関係省庁でコンパクトシティ形成支援チームという枠組みをつくっているわけですが、この枠組みを通じまして、他の市町村の参考にしていただくことを目的といたしまして、人口規模、あるいは重点テーマ別に類型化したモデル都市を選定をさせていただきまして、こういった先行事例の共有、取組の横展開を図っているところでございます。
 一例を申し上げますと、集落などの周辺地域を考慮した好事例といたしまして、このモデル都市の一つでございます新潟県の見附市でございますが、こちらでは、中心三地区の集約エリアに外出したくなるような施設、これを集積させますとともに、どの地域に住んでいても自家用車に頼らず暮らせるように、集約エリアとそこから比較的遠方なエリアも含めてデマンドタクシーや地域コミュニティーが運行するワゴンでつなぐ、こういった取組を行いまして成果を上げているところでございまして、こういった事例の横展開にも努めてまいりたいと思っております。
 加えまして、昨年六月に、立地適正化計画に取り組む市町村等を会員としたコンパクトなまちづくり推進協議会、これが設立されたところでございますが、この協議会とも連携を図らせていただきながら、地域の状況に応じた支援に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


○青木愛

 ありがとうございます。いろいろ事例を挙げていただきました。
 この富山市の例では、やはり鉄道を廃線せずに路面電車として活用したというところにやはりポイントがあろうかと思います。
 そこで、鉄道駅についてお伺いをしたいと思いますけれども、人口が減少しますと、鉄道を利用する人数が減少し経営が難しくなり、ダイヤを間引きする、そしてますます利用客が減少し、ついには廃線また撤退に追い込まれていきます。民間が経営しているとはいえども、鉄道の公共交通としての役割を考えますと、やはり簡単には納得できません。第三セクターが運営したり、上下分離の方式を採用したり、地方では血のにじむような努力を重ねております。
 鉄道が廃止されますと、当然、駅がなくなります。代替交通として地域内でバスが運行したとしても、バス停は鉄道駅が果たしてきたその町の中心としての役割を代行できないというふうに私は考えます。また、再度鉄道を復活させたとしても、鉄道への復帰は以前のようには復活しないという報告もございます。
 今、乗降客が少ない無人駅では、駅を物販に利用したり、また地域を愛するボランティアの方々が駅舎の活用を考えたりして努力している事例も聞いております。この鉄道駅は、学校や病院、あるいは役場などと同様に、町にとっては必須の公共施設であり、また公共拠点であると考えます。
 この町形成における鉄道駅の意義について、是非お聞かせをいただきたいと思います。


○蒲生篤実 国土交通省鉄道局長 

 お答え申し上げます。
 一般的に、鉄道駅は鉄道サービス提供の拠点であるのみならず、様々な交通機関や多数の人が集まる施設であり、地域社会にとってまちづくりや地域の交流拡大、観光振興の拠点として重要な役割を担っているものと承知しております。
 国土交通省といたしましては、このような観点から、地域の活性化を図るため、引き続き、地方自治体を始めとする地域の関係者の連携の下、まちづくりや観光振興等の地域戦略と一体となった鉄道駅の活用を推進いただきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。


○青木愛

 ありがとうございます。
 私も房総を中心としていろいろと鉄道について取上げをさせていただきましたけれども、JR東日本が昨年の一月六日、B・B・BASEを開始をしていただきました。大変有り難いことと思っております。
 B・B・BASEとは、愛車の自転車を、千葉県の南、千葉県の内房線、外房線、成田線、総武本線を利用して房総をサイクリングで駆け巡ることができるという旅行プランです。日帰りコースや宿泊コースもございます。
 この地域一帯は温暖な気候に恵まれており、また平たんであるために、海沿いをサイクリングしたり、海岸や、また中には丘陵コースもあって、御当地のグルメや温泉も楽しめるということであります。景観も良く、歴史や文化遺産に触れることもできますし、絶景の犬吠埼、東洋のドーバーと呼ばれる屏風ケ浦など、思わず写真を撮りたくなり、インスタ映えもするかと思います。これは、鉄道に期待をする地元の要望を受け止めていただき、JR東日本がアイデアを出して始めたプランだそうです。
 B・B・BASE利用者からは、B・B・BASEを利用しましたと、電車と自転車を使い、離れたエリアを楽しく旅することができるので、とても良い取組だと思いますですとか、自転車愛好家にはとても魅力的な取組で、今後は房総だけではなくて対象路線などを増加をさせていただきたい、期待をしておりますという様々な意見が寄せられております。
 こうした好評を受けまして、今年から乗降駅を増やしたり、また、群馬県の人気イベント、第七回榛名山ヒルクライム・イン高崎の開催に合わせてまた実施も予定されているということでございます。
 鉄道は、廃止に向かうのではなくて、このように地元の住民やまた自治体、観光団体、そして鉄道会社が知恵を出し合って盛り上げていくべきだというふうに考えます。有り難いことです。国土交通省の御意見を是非お伺いしたいと思います。


○石井啓一国土交通大臣

 自転車の分解等を行わずにそのまま列車内に持ち込むことができるサイクルトレインは、自転車を利用する地域の住民、サイクリングを楽しむ地域外からの訪問者の双方にとって有用であり、委員御指摘のように、鉄道の利用促進と地域観光の活性化に資するものであると考えております。昨年度は五十の鉄道事業者において運行されておりまして、B・B・BASEのようにサイクルトレイン専用車両を新たに導入した例もございます。
 国土交通省といたしましては、サイクルトレインの実施状況や優良な取組事例につきまして各鉄道事業者に広く横展開を図りまして、その実施に向けた検討を促すほか、周遊観光ルートへの組み込みを検討するなど、自転車活用に係る他の取組とも連携をしつつ、サイクルトレインの一層の普及促進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。


○青木愛

 石井大臣は自転車の活用を推進をされておりますので、今後の取組に期待をさせていただきたいと思います。
 時間がありますので、もう一点だけ、ちょっと懸念しているところをお伺いしたいと思います。
 大都市部の課題でございますが、東京、横浜、川崎、そして埼玉、大阪などの大都市部で六十メートルを超えるタワーマンションが乱立しております。タワーマンションの耐久年数は約百年と言われておりますが、今から百年後には日本の人口は五千万人を割り込むと言われています。また、そこまで至らなくても、二十年、三十年後には大幅の修繕工事が必要となり、その修繕費用の高額が今問題となっています。
 まちづくりは五十年、百年を見据えての計画が必要でございますが、タワーマンション建設に関して長期的な見通しはどのように考えておられたのか、また、途中のこの大規模修繕には多額を必要といたしますけれども、タワーマンションの管理についても併せてお伺いをしたいと思います。


○青木由行 国土交通省都市局長

 まちづくりの観点から、まず私の方から御答弁申し上げます。
 今後、人口減少が進みます中では、将来にわたって持続可能なコンパクトなまちづくりを進めていくことが必要でございます。そういった中では、御指摘のタワーマンションなどの高層住宅に限らずでございますが、それぞれの都市の将来像に合わせまして、都市の居住密度、用途、あるいは形態を適切に設定していくことが重要な課題でございまして、これは都市計画決定権者が各都市の状況、見通しなどを踏まえまして適切に判断していただく必要がございます。
 例えば、東京都の中央区におきましては、これまで定住人口の維持、回復を目指しまして全区的に住宅に対する容積率の緩和制度を運用してまいりましたが、近年の人口回復を踏まえまして地区計画を変更しまして、住宅に対する容積率の緩和内容を大幅に縮減したところというふうに伺っております。
 国土交通省といたしましては、今後の人口減少あるいは高齢化への見通しを踏まえて、都市計画決定権者が交通インフラへの負荷、市街地環境への影響にも留意しつつ、総合的かつ中長期的なまちづくりの見地から適切な判断が行えるよう、技術的な助言あるいは優良事例等の情報提供などの支援をしてまいります。
 以上でございます。


○羽田雄一郎委員長

 時間が来ておりますので、簡潔に。


○石田優 国土交通省住宅局長

 はい。
 維持管理についてお答え申し上げます。
 維持管理に関しましては、所有者の合意形成の円滑化の観点から、組合に対しまして助言を行いますマンション管理士の育成、普及、また公益財団に窓口の相談の設置など、管理組合のサポートをしております。
 また、必要な修繕費の確保を図ります観点から、ガイドラインに基づきまして、規模に応じました修繕費の額の積立ての目安を示しますとともに、また、実態調査を行いまして、規模別の工事費の分布など実態に関する情報提供を行っております。さらに、住宅金融支援機構では融資制度を設けているところでございます。
 さらに、三十一年度予算にも、管理が不十分なマンションに対する実態調査の支援やマンションの管理、再生に関しますモデル的な取組のための予算を入れているところでございます。
 引き続き、適切な管理の確保に向けまして、関係公共団体と協力して努めてまいりたいと考えております。


○青木愛

 質問を終わります。ありがとうございます。








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