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国民民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成30年5月23日 国土交通委員会

船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案について




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○青木愛

 国民民主党の青木愛です。
 早速質問に入ります。
 日本は四方が海に囲まれた海洋国家でありまして、貿易量の九九・六%を外航海運が担っております。船舶による海洋事故、また海洋汚染はまず軽減に努めるべきですが、同時に、万が一の事故への対処として、被害者及び海洋環境を保護する仕組みをしっかりと構築しておかなければなりません。
 燃料油汚染損害の民事責任条約は二〇〇八年十一月に、また難破物除去ナイロビ条約は二〇一五年四月にそれぞれ発効しておりますが、我が国がこの両条約に締結するのは今回ということになります。
 この両条約に関します国内法制化が遅れた理由については先ほど御答弁ありました。加盟国がまだ少ないこと、内航船舶への配慮など御答弁がありましたが、加えて、更に理由があれば教えていただきたいと思います。


○水嶋智 海事局長

 お答え申し上げます。
 繰り返しの内容が含まれているかもしれませんけれども、改めて整理をしてお答えをさせていただきます。
 我が国は、まず両条約が発効する以前の二〇〇四年に油賠法を改正いたしまして、一定の外航船舶に対する保険加入の義務付けなど、事実上、両条約の内容の一部を実施してきたところでございます。この結果といたしまして、日本近海での放置座礁船事案が大幅に減少したということもございまして、両条約の発効時点では、その国内法制化に際して新たに保険加入を義務付ける必要のある内航船舶の所有者への経済的影響の可能性や、条約締結のメリットを総合的に考慮して、両条約の締結の判断には至らなかったということでございます。
 しかしながら、近年、船舶所有者が保険に加入しているにもかかわらず、保険契約違反を理由に船舶所有者に保険金が支払われず、結果として被害者に補償されない事例が発生をしておりまして、被害者保護のために更なる対応が求められる状況になってきているところでございます。
 この法案によりまして両条約を国内法制化いたしますと、被害者が保険会社に対して損害賠償額の支払を直接請求することができるということでございまして、被害者の手厚い保護が図られるということになります。
 また、先ほども申し上げましたが、内航船舶の保険加入率は二〇〇四年の時点では七割未満でございましたが、現在では九割以上まで高まっているということでございまして、現時点での保険加入義務付けによる経済的影響は限定的と考えられますので、内航事業者の皆さんからも条約への加入と国内法制化について御理解を得ることができたということでございまして、今般この法案を国会にお諮りする次第でございます。


○青木愛

 ありがとうございます。
 今御答弁にありましたように、両条約の対象になります内航船舶について、この条約に基づく保険金額を満たしている保険加入率が既に九〇%に及んでいるというふうに伺っています。本法律案の施行に伴いまして、あとの残りの一〇%もこれ強制加入ということになろうかと思います。その実施方法について伺いたいと思いますのと、また、既に保険に加入をしている船主についてもまた新たな申請が必要になると伺っておりますが、その際の書類の作成ですとか手続など負担にならないのかというところを心配しておりますが、いかがでしょうか。


○水嶋智 海事局長

 お答え申し上げます。
 私どもが二〇一七年に実施をいたしましたアンケート調査では、内航船舶の九割弱が改正後の油賠法で求められる金額を満たす保険に加入をしているということでございました。また、保険金額自体は条約が求める額を下回る場合であっても、保険に加入している船舶全てということであれば、既に九割を超える船舶が保険に加入している状況にございまして、これは荷主さんからの要請によるところも大きいというふうに聞いております。
 今般の油賠法の改正によりまして、適切な保険金額の保険に加入をしなければ内航船舶は運航が認められないということでございますので、内航船舶の所有者の方々におかれましては自主的に当然保険に加入していただくということが期待されるわけでございますけれども、法の施行まで十分な余裕を持って、この法律案の趣旨及び内容について引き続き関係者の皆様に周知を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
 また、委員御指摘の証書の件でございますけれども、本法案では保険に加入していることを証する証明書を国土交通省が交付をすることとしておりまして、この証明書が備え置かれていなければ内航船舶を含む日本籍船舶は航海に従事することができません。したがいまして、既に保険に加入していらっしゃいます船舶所有者におかれましても、国土交通省に対して証明書の交付申請を行っていただく必要が生じることとなります。
 この具体的な手続などにつきましては、今後、政省令の整備において詳細を決定していくということでございますけれども、その際には、関係業界の皆さんの御意見も伺いながら、過度な負担が生じぬよう準備を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。


○青木愛

 今後、毎年の申請になるというふうに伺っておりますので、今おっしゃったように、過度な負担にならないようによろしくお願いしたいと思います。
 次の質問ですが、燃料油汚染損害の民事責任条約、これについて、条約締約国の裁判所が下す判決の締約国間の相互承認が規定されるわけですけれども、日本の裁判所が下した判決がほかの締約国においても承認をされるということになりまして、日本の被害者にとっては外国で再度裁判するという負担がなくなりますので、賠償の確保が図られます。
 この改正は被害者保護というところに重点を置いているということで、これは大変良いことだというふうに思うんですが、他方で、外国で下された判決が日本にも効力を及ぼすことにもなります。他国での判決を受け入れるということにおいて、裁判制度の違いですとかあるいは国情の違いなどによって日本にとって不利な判決が下される心配はないのかなというところを懸念いたしますが、万が一の場合、どのような対処ができるのかというところをお伺いしておきたいと思うのと、それから、この燃料油の汚染損害についてはこの相互承認、適用されるんですけれども、難破物除去に関しては適用されないこととなっておりまして、この難破物除去、難破物被害に関しての裁判の場合、これはどうなるのか、その二点、併せてお伺いをしたいと思います。


○松浦博司 外務大臣官房審議官

 お答え申し上げます。
 初めに、燃料油汚染被害の方でございますけれども、この条約上、どのような汚染損害であれば賠償請求が可能かということについては条約の上で明確に定義されておりまして、極めて範囲が限定されておるところでございます。それから、同じく、船舶所有者や保険者がどのような場合に責任を免れるかという免責事由、こちらの方も条約上明確に規定されているところでございまして、締約国は、条約に規定する免責事由以外を免責の理由として認めてはいけない、また逆に、これらの事由に該当する場合には必ず免責しなければいけないということが条約上の義務として定められているところでございます。
 これらの条約の規定に従いまして、各締約国としては、それに則した国内法を整備するということになってございます。この整備が進んでいるということが考えられますために、統一的な国際ルールが適用される結果、問題のある判決が下されるリスクというのは低いというふうに考えてございます。
 さらに、それに加えてでございますが、燃料油汚染被害に関わる賠償の債権につきましては、船舶所有者等の責任を一定額まで制限するという制度が国際的に認められているところでございます。この制限を超えるような賠償が請求されるということは非常に考えにくいところでございまして、したがいまして、法外な賠償額が請求されるというリスクは低いというふうに考えています。
 万一、政治的事情とか制度の違いに基づいて条約とそごのある判断が下されるといった場合があるとすれば、その場合には、その判断を下す、判決を下した国の側が条約違反を行っているということでございまして、そのような訴訟はこの条約に基づく損害賠償請求訴訟には該当しないという整理ができると思いますので、日本は、したがって、そのような判決を承認したり執行したりする義務を負うものではないというふうに考えてございます。
 次に、難破物の除去でございますけれども、これは委員御指摘のとおりでございまして、ナイロビ条約上、締約国の判決を承認するという義務が課されているものではございません。したがいまして、通常の外国判決と同様に、各国の国内法に従って個々の事例ごとに判断するということで、必ず承認されることが確保されるわけではございません。
 しかし、このナイロビ条約も油汚染の条約と同様に、保険者に対して被害者が直接請求するという制度がございまして、この規定は条約上の義務として置かれているところです。実際に、国際航海に従事する船舶の多くは、条約に則した対応を保険約款等にあらかじめ規定している、言わばひな形でございますが、そういうひな形を採用している国際保険団体に加盟している保険会社と契約しているというのが趨勢、実態でございまして、そのような現実を踏まえますと、保険者に直接請求する道が確保されてございますので、この結果、費用の支払が確保されないようなリスクは現実には低いというふうに考えてございます。


○青木愛

 ありがとうございます。
 やはり日本は四方を海に囲まれておりますので、近隣諸国とのいろいろなトラブルが可能性としてあるかなと思ったので、国際的なルールにのっとって公平な判断が下されるということを今確認させていただいたので、よかったかなというふうには思っております。
 次の質問に移らせていただきます。
 難破船や難破物、この所有者を特定できない場合なんですが、この難破物を処分をして得た費用、これを撤去費用の一部に充てることも考えられるということでありまして、その場合の手続について、細かい点ですが、教えていただきたいと思います。


○水嶋智 海事局長

 お答えを申し上げます。
 海域の管理に関する法体系では、それぞれの区域における座礁船等に対しまして、各管理者等が必要な撤去命令を発出することができることとなっております。
 当該船舶の所有者が自ら撤去を行わない場合、管理者が座礁船等を撤去することとなりますが、所有者が特定できない等の理由から撤去費用の回収ができないときにつきましては、関係法令の規定に基づきまして、一定の条件を満たせばこれを売却して撤去費用に充てることができるようになっております。


○青木愛

 その場合の手続についてもお聞かせいただいてよろしいですか、どのくらい保管しておかなくちゃいけないかとか。お願いします。


○水嶋智 海事局長

 手続でございますけれども、先ほど申し上げましたように、海域の管理に関する法体系がそれぞれございます。例えば、港湾区域でございますと港湾法でございますとか、あるいは海岸区域でございますと海岸法でございますとか、それぞれの海域を管理する法令がございます。
 それぞれの法令に基づきまして処分権者が除去の命令を出すような法体系になっておる次第でございますけれども、この法律の中に詳細なそれぞれ手続が規定をされておりまして、内容が相当細かくなってしまうんですが、一定の期間等を経過した場合にはその売却等ができ、その売却については、売却した代金については売却に要した費用その他に充てることができるという具体的な規定が各法体系の中で規定されているところでございます。


○青木愛

 承知しました。
 今回の改正によりまして、損害を受けた被害者が保険会社に対して損害賠償額の支払を直接請求できるということになります。また、保険会社は船舶所有者の契約違反を理由に被害者からの請求を拒めないということになります。
 被害者救済の観点からは評価すべき改正ではありますが、その分、保険会社のより多くのリスクを背負うということにもつながります。保険会社は、経営上、保険料を値上げするのではないかという心配の向きもございます。また、保険加入の審査が厳しくなるのではないかということも考えられます。そのことがひいては船舶所有者のまた負担増にもつながってくるということになりますけれども、その点についてお伺いをさせてください。


○水嶋智 海事局長

 お答えを申し上げます。
 今般の改正によりまして、燃料油による汚染損害や難破物除去等の費用による損害について、被害者が保険会社に保険金の支払を直接請求できるようになるということでございまして、その際、保険会社は船舶所有者との間の保険契約に基づく免責を主張した支払拒否ができなくなるというのは委員御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、保険業界に聴取をいたしましたところ、両条約を既に締結済みの国へ入港する船舶への保険付保の実績などから勘案して、我が国で条約に基づく直接請求を措置した場合の影響は限定的であり、現時点において、当該措置に伴う保険料の引上げも想定していないということでございました。したがいまして、保険料の値上がりによる船舶所有者への負担増も生じないものと考えておるところでございます。
 また、この条約の国内実施につきましては、関係業界を構成員とする検討会などを通じまして保険業界や内航海運業界の皆様からも御理解を得ながら、この国内法制化を進めているところでございます。


○青木愛

 この日本に寄港します外国船舶、加入する保険会社は様々と思いますけれども、いずれも信頼に足る会社なのかどうかというそもそものところでありますけれども、直接損害賠償請求をしても支払われない可能性もあるのではないかというふうに懸念をするわけなんですが、この保険会社の選定については何か取決めなどがあるのでしょうか。


○水嶋智 海事局長

 お答えを申し上げます。
 この法律上の義務を満たすためには、有効な保険に加入していることを示す証明書を保持していただく必要がございますが、現行法上、我が国が船舶所有者への保障契約証明書の交付を判断するに当たって、保障契約を締結する保険会社に要件を設けているところでございます。具体的には、日本船主責任相互保険組合や日本漁船保険組合のほか、保険業法で認められている損害保険会社を要件を満たす保険会社として定めているところでございます。
 また、このほか外国の保険会社につきましては、保険の付保実績や事故時の支払における問題の有無等について確認の上、保障契約に係る業務を的確に遂行できると認められる保険会社についてのみ証明書を交付しているところでございます。
 これらの対応によりまして、適切な保険会社を選定していただくことができるものと考えております。


○青木愛

 分かりました。ありがとうございます。
 保険者等への直接請求についてなんですが、先ほども質問にございました、第三十九条二の中で免責事項がございます。その中で、異常な天災地変、あるいは悪意、この点について具体的に御説明をいただきたいのと、またテロはこの免責条項に含まれるのかどうか、確認をします。


○水嶋智 海事局長

 お答えを申し上げます。
 委員御指摘の事項につきましては、条約の規定を受けまして、改正後の法第三十九条等におきまして、異常な天災地変や、専ら当該船舶所有者及びその使用する者以外の者の悪意などによって生じた損害の場合、船舶所有者は免責となる旨を定めておるところでございます。
 この異常な天災地変でございますけれども、どういう場合を想定しているかということでございますが、例外的で不可避的かつ不可抗力的な性質を有する自然現象を意味しているということでございまして、具体的な事例といたしましては、突然の海底火山の噴火などが該当すると考えられるということでございます。一方で、例えば台風などのように予測できるものにつきましては、ここに言う異常な天災地変には該当しないと考えておるところでございます。
 また、次に、第三者の悪意でございますけれども、これは害意という意味であると理解をしておるところでございまして、具体的には、船舶所有者のコントロールの及ばない者が積極的に損害をもたらすことを意図した行為として船舶の燃料油を故意に流出させるような事例が該当するというふうに考えます。
 また、委員御指摘のテロということでございますが、これ、実際にどのような行為が行われたのかということが分かりませんと、あくまで仮定の議論というふうになりますのでお答えしにくいところでございますけれども、先ほど申し上げましたような第三者の悪意により生じた損害として免責事項に該当する可能性が一般論としては高いのではないかなと考えるところでございますけれども、最終的には、いずれにいたしましても、個別具体の事案として裁判所が判断を行うものであろうと承知しているところでございます。


○青木愛

 ありがとうございます。
 続きまして、こういう場合はどうなのかなというところをお伺いしておきたいと思いますが、船舶と船舶の衝突事故などで破損した難破物被害あるいは燃料油の流出被害が発生した場合に損害賠償はどこに請求するのかというところなんですが、例えばその被害を与えた船舶にはその衝突の主たる責任がない場合、相手の船舶に衝突の責任があるというふうな場合はどうなるのでしょうか。その点についてお聞かせください。


○水嶋智 海事局長

 お答えを申し上げます。
 本法案では、複数の船舶が衝突した場合において、委員御指摘のような、その衝突については非のない船舶が座礁、沈没などをいたしまして、又は燃料油汚染損害などを生じさせたような場合、こういった場合につきましてもその当該船舶の所有者が除去等の費用や損害の賠償について責任を負うこととなりまして、陸側の被害者が請求する相手方はこの当該船舶の所有者ということになるということでございます。
 他方、この法案におきましては船舶所有者が第三者に対して求償する権利を否定しておりませんので、被害者に損害賠償を支払った船舶の所有者は、衝突について相手側の船舶に非がある場合には、当該船舶所有者等に対しまして除去等に要した費用や燃料油による汚染損害について損害賠償を請求することになると考えられます。


○青木愛

 分かりました。あくまでも、まず第一義的には被害者保護ということが優先されるということだと思います。
 次に、海上保安庁の船舶について伺いたいと思いますけれども、海上保安庁の船舶が過失が認められて沿岸ですとか漁業者に対して被害を与えた場合はどうなるのか、また、それが異常気象であったり、例えば万が一第三国からの攻撃などで海上保安庁の船舶が破損し沿岸に被害を与えた場合などを想定したときの損害賠償というのはどうなるのかということについてお聞かせいただきたいと思います。


○岩並秀一 海上保安庁長官

 お答えいたします。
 海上保安庁の船舶が損害を与えた場合の損害賠償としましては、国家賠償法に基づき損害賠償を行うことが考えられるところでございます。国に国家賠償法上の責任が生ずるか否かにつきましては、個別具体的な事案に応じて裁判所が判断すべきことでございますので、一概に申し上げることは困難でございますが、一般論としましては、国の公権力の行使に当たる公務員がその職務を行うにつきまして故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合には国家賠償法の責任が生ずると考えられるところでございます。


○青木愛

 分かりました。海上保安庁に過失がない場合、異常気象であったり、あるいは万が一攻撃に遭ったりといった場合に、例えばそれで被害を受けた自治体ですとか、あと漁業者というのは損害を請求する先がないということになろうかと思うんですが、それでいいのでしょうかというところなんですけれども、国としては何らかの救済策も併せて考えておくべきではないかというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。


○岩並秀一 海上保安庁長官

 いずれにいたしましても、海上保安庁の船舶が損害を与えた場合に国家賠償法に基づく責任が生ずるか否かにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、国の公権力の行使に当たる公務員がその職務を行うにつきまして故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合には国家賠償法上の責任が生ずるということでございます。


○青木愛

 過失がある場合は国家賠償法の適用が考えられるということなんですが、過失がない場合の状況についても今後検討していく必要があるのではないかということで申し上げました。
 次に、日本海側の海岸に北朝鮮籍と思われる木造の漁船が漂流、漂着する映像をよく見るわけですけれども、こうした漁船が我が国に漂着、漂流した最近の件数をまずお聞かせをいただきたいと思いますのと、そうした小型の木造船あるいは木片等の漂着物についてはどのように処理をするのか、また撤去費用は誰が負担をするのか、あるいは、北朝鮮もこの条約に批准はしておりますけれども、大きな船舶、百トン以上、持っているとは思うんですけれども、そもそも日本とは国交がないわけでありますけれども、こうしたケースについてもどのように考えておられるのか、併せてお聞かせいただければ有り難いなと思います。


○政府参考人(岩並秀一君)

 件数につきましてお答えさせていただきます。
 北朝鮮からのものと思料されます漂流・漂着木造船などは、昨年一年間で二百二十五件確認されております。また、今年に入りましてから五月二十二日正午までに五十九件確認されております。


○水嶋智 海事局長

 この処理の問題についてお答えを申し上げます。
 漂着した北朝鮮からのものと見られます漂着木造船などが所有者不明のごみとして扱われる場合には、海岸管理者である市町村や道府県がその処理を行っているものと認識をしております。そうした処理に係る費用の負担につきましては関係する地方自治体が負担することとなりますが、環境省の補助制度によりまして、実質的に地方自治体の財政負担が生じないような措置が行われているものと承知をしております。
 また、一般論でございますけれども、我が国の行政機関が、関連する国内法令に基づきまして、小型木造船等の漂着物の処理に係る行政代執行を行い、その費用の支払命令をその所有者に対して発出するということは可能でございますけれども、その支払命令の効力はあくまで国内において法的な効力を有するということでございますので、北朝鮮を含め国外においてその命令に基づいて費用を徴収することは困難ではないかと考えておるところでございます。


○青木愛

 今、環境省の海ごみ補助金の一部として、補助金で対応しているというふうに伺っております。今後、海洋国家日本として、様々なケースを勘案しながらまた検討していくべき点もあろうかなというふうに思っております。
 時間となりまして、最後の質問とさせていただきたいと思います。
 既に外国船舶に対しましては、いわゆるポートステートコントロールにおきまして、保障契約証明書の備置きの確認が行われているものと承知をしております。この度の改正に伴いまして、また負担も増えるのではないかなというふうに推察いたしますけれども、外国船舶監督官の人数が、平成三十年と平成三十一年で比較しますと、関東運輸局は二十六名から二十五名に、また中部運輸局は十五名から十四名に、中国運輸局は十七名から十六名に、それぞれ一名ではありますけれども減少の状況になっております。
 このような定数減でよいのかどうか、また、内航船舶に対しましても、今後、保障契約の締結義務やまた証明書の船内の備置き義務が加わることになりますので、どのようにこの義務付けの実効性を確保するのかという点におきまして、この職員増員などの体制強化の必要もあるのではないかと思いますが、その点について最後お伺いをさせてください。


○水嶋智 海事局長

 お答えを申し上げます。
 ポートステートコントロールの実施に当たりましては、従来より必要な人員の確保に努めてきているところでございます。
 現在、地方運輸局等に配置されておりますポートステートコントロールを実施する外国船舶監督官、この数でございますけれども、現在は百三十六名ということでございまして、その人員により適切に執行する体制を整えておるところでございます。
 委員御指摘のとおり、本法律の施行に伴いまして、ポートステートコントロールを行う際に確認すべき事項が増加するということでございますけれども、現在行っておりますポートステートコントロールの業務量の全体から見ればその影響は限定的なものではないかと考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、ポートステートコントロールの執行に当たりましては、この外国船舶監督官の研修、訓練によりまして、その技術の向上を図るとともに、効率的な体制の確立を進め、今後とも適切なポートステートコントロールの執行に努めてまいります。
 また、今回の法案で導入される措置の実効性をどうやって上げていくのかという御質問をいただきました。
 内航船舶に対する保障契約締結義務や保障契約証明書の船内備置き義務の実効性確保のための措置といたしましては、まず国土交通省による船舶の立入検査により証明書の確認をすることが可能ということでございますし、違反が確認されましたら保険への加入等の是正措置命令や航行停止命令の発出をするということになります。
 また、内航船舶につきましては、国土交通省が保険に加入していることを証する証明書の交付を行うこととなりますため、証明書交付の記録から我が国として保険加入状況の確認を容易に行うことが可能となると考えております。こういった枠組みによりまして、改正油賠法の規定の遵守を確保してまいりたいと考えております。
 最後に、保険加入事務の実効性確保や円滑な証明書交付事務を行うための必要な人員の確保等についても努めていることをお答え申し上げます。
 以上でございます。


○青木愛

 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。





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