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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

令和2年5月28日 環境委員会

大気汚染防止法の一部を改正する法律案について
○青木愛

 立憲・国民.新緑風会・社民の青木です。
 まず、冒頭ではございますが、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、病床にあられる皆様方に心からお見舞いを申し上げます。そして、医療の最前線で御尽力いただいている皆様方、また様々な現場で御尽力をいただいている全ての皆様方に敬意と感謝を申し上げます。
 それでは、法案の審査に入らせていただきますが、私も初めてこのアスベスト関連の質疑に立たせていただきましたけれども、本当に大きな問題を抱えているということを改めて認識をいたしたところであります。順次質問に入らせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、このアスベストは、安価で耐火性、また断熱性に優れているということで、かつては建設用資材など様々な製品に使われて、奇跡の鉱物とまで呼ばれていたそうです。しかし、アスベストを吸い込みますと、御承知のとおり、中皮腫、肺がん、石綿肺など、大変深刻な病気を引き起こすことが判明しており、しかもその潜伏期間が二十年から五十年と非常に長いために、今では静かな時限爆弾とも言われるほどに恐ろしいものでございます。
 資料に用意をさせていただきましたが、厚生労働省の統計によりますと、この中皮腫というのは、これは石綿特有でありますのでもう石綿原因ということが判明しているものでございますが、この中皮腫の患者が一九六〇年代に石綿輸入量が増加したその時期から平均しておよそ四十年を経た最近において急増しているという状況にございます。二〇一七年、中皮腫で死亡された方が一千五百五十五人、一九九五年の五百人から約三倍以上ということになっており、これまでの輸入の経過を見ますと、少なくともこれから十年はまだまだこういう状況が続くのではないかなと推察するところでございます。
 このアスベストの発がん性についてなんですが、次の資料にもありますが、一九七二年に国際機関でありますILO、またIARCから報告がありました。ヨーロッパではいち早く規制強化、また使用禁止に向かいました。資料にありますが、イギリスでは一九七三年をピークに大きく輸入を減らしております。ドイツも一九八一年から急激に輸入量を減らしました。
 一方、日本では、一九八八年、四度目のピークを迎えて、その後、輸入を減らしているという状況であります。日本の対応は欧米に比べて十年から十五年遅かったという指摘がございます。このように、日本の対策が不十分であったということは輸入量の変化から見ても明らかでありまして、アスベスト訴訟においても、裁判所は行政の規制の遅れを指摘をしております。
 当時におきましてヨーロッパ並みにいち早く強い規制を掛けておれば犠牲者はここまでにはならなかったと考えておりますが、なぜもっと早い時期に強い規制、輸入を禁止するというそうした強い規制を掛けられなかったのか、当時のことをまずお伺いをさせていただきたいと存じます。


○村山誠 厚生労働省労働基準局安全衛生部長

 お答え申し上げます。
 アスベストによる労働者の方々の健康障害を防止する観点からの規制につきましては、その時々における有害性に関する科学的知見等に基づきまして必要な規制の強化を図ってきたところでございます。
 委員御指摘の点についてでございますが、具体的に、アスベストの種類によって経過がやや異なりますので、それぞれについて、ただいま委員から資料の御紹介含めて御指摘のございましたイギリス、ドイツと対比してお答え申し上げたいと思います。
 まず、クロシドライト、青石綿に関してでございます。クロシドライトに関しましては、日本で法令上、この製造、輸入、使用等を禁止したのは一九九五年でございます。一方、御指摘のございましたイギリス、ドイツにおきましては一九八六年から段階的に禁止されてきたという経緯がございますが、一方で、我が国の実態を見ますと、代替化に向けた行政指導等によりまして一九八九年には既に使用の実態がなくなっていたことを確認しておりまして、実態面でイギリスやドイツに大きく後れを取ってはいなかったものというふうに理解をしております。
 また、アモサイト、茶石綿についてでございますが、例えば、御指摘のうちドイツにおきまして一九九三年に禁止をされておりまして、日本では法令上一九九五年ということで、こちらも大きな差はなかったということでございます。
 一方、先ほど委員御指摘の点と絡みますのが、クリソタイル、白石綿についてでございます。こちらに関しましては、ドイツでは一九九三年に、またイギリスでは一九九九年に段階的な禁止が始まっていたわけでございますが、日本における製造、輸入等が二〇〇六年まで継続していたというところが、先ほど委員から御指摘のございましたそのグラフの差のところに表れている一つの大きな要因かと存じます。
 その上で、日本においてクリソタイルの製造、輸入、使用等禁止の規制の時期が二〇〇六年となった理由といたしましては、その代替品でございます断熱性のグラスウールでございますとかロックウール等に発がん性の可能性があるということが当時のWHOの専門機関、委員からも御指摘のあったIARCの分類がございまして、安全に使用できる代替品が存在しなかったという判断の下に、クリソタイルについては使用を認めつつ、使用する際の管理規制を強化する方向で対応したものでございます。
 一方で、二〇〇一年にはWHOが断熱性グラスウール等の代替品の発がん性の評価を人に対するがん原性として分類され得ないと変更したことを受けまして、石綿製品の代替化の検討を行った上で、二〇〇四年から建材、摩擦材等の主要なアスベスト関係製品の製造、輸入、使用を原則禁止し、さらに、二〇〇六年からジョイントシート、シール材等も含めてアスベスト関係製品の製造、輸入、使用等を全面禁止した、こういう経緯でございます。
 以上でございます。


○青木愛

 要は、厚労省とすると、当時のことでありますけれども、日本として欧米並みに、ヨーロッパ並みに規制の強化が図られていたという認識をされているんでしょうか。


○村山誠 厚生労働省労働基準局安全衛生部長

 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、当時、予防的なアプローチが国際的に認知されていたという現状があったかどうかという点はあろうかと思いますが、生命、身体に関わります法令上の禁止措置につきましては、世界的な動向を見ながら実施するという考慮が十分されていたとは言えない面はあるかもしれませんが、不作為というところまでは至っていないんではないかというふうに私どもとしては考えているところでございます。
 以上でございます。


○青木愛

 しかし、これは一九八六年でありますけれども、ILOの総会が開かれています。この頃、もうイギリス、ドイツは既に輸入量を大きく減らしている状況にありますが、このILOの総会で石綿の使用における安全に関する条約、これが採択されたんですね。その際、日本政府はアスベストの管理使用を支持、使用禁止に反対の立場を取っております。管理すれば使用をしていいと、アスベストの使用禁止に対して反対だという立場を取っております。
 この頃、日本のアスベスト業界が、やはり、適切に管理すれば安全に使用できると主張してアスベストの使用の禁止に強く反対をしている、この辺が背景なんではないかなと思うんですね。この規制が遅れた理由を先ほど伺ったんですが。
 そして、日本はこの石綿条約に批准したのがそれから十九年後です。十九年もたった後の二〇〇五年ということで、翌年の平成十八年、二〇〇六年まで実はアスベストが日本では使用されているんですね。
 大変な状況といいますか、日本の遅れはもう明らかだというふうに思いますし、ILOの総会での日本のこの判断、これはアスベスト業界のこうした状況の裏付けがあったんではないですか。


○村山誠 厚生労働省労働基準局安全衛生部長

 お答え申し上げます。
 委員御指摘のILO等の議論におきましても、まず最も危険性が高いものとして使用の禁止が求められてきたクロシドライト、アモサイトにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、一定の時期に、具体的には、クロシドライトにつきましては、一九八九年までには行政指導等によって使用の実態がなくすところまで持っていった上で、一九九五年に製造、輸入、使用等を禁止した。また、アモサイトに関しましても、一九九五年に同様に製造、輸入、使用等を禁止したということでございます。
 その上で、ある意味その代替物として使われていましたクリソタイルにつきましては、先ほども申し上げましたように、一方で、それに対する代替品というものが本当に安全なのかという検証でございますとか様々な国際的な議論も踏まえながら、先ほど申し上げましたように、あるいは委員ただいま御指摘いただきましたように、全面禁止には二〇〇六年までの時間を要したというふうに理解をしております。
 以上でございます。


○青木愛

 そこまでの時間を要したというところは認めていただいたと思います。言わば、人間の命や健康よりも、業界でのその代替品が見付からない、そちらを優先をしたという、それが事実でありまして、これは大変な問題だなというふうに改めて認識をしたところであります。
 ヨーロッパには予防原則という考え方があります。これは、化学物質あるいは遺伝子組換えなどの新技術に対して、人体や環境に重大かつ不可逆的な影響を及ぼすおそれがある場合、科学的に因果関係が十分証明されない状況でも規制措置を可能にするという考え方です。一九七〇年代のドイツ、スウェーデンなどで使われ始め、現在ではEU全体で採用されています。
 それに対して日本は、科学的な証明を重視する立場を取っております。そのため、食品の残留農薬あるいは遺伝子組換え食品に関しましても、EUより大変緩い基準となっているのが実態であります。言わば、新しい新技術ですね、化学物質や遺伝子組換え、こうした新技術、化学物質が人体や環境に害を与えるおそれがあると分かったけれども、分かってはいるんだけれども、その有毒性の因果関係を科学的に証明し切れていない、科学的に有毒性が証明できないのだからその間はその化学物質は使用してもいいんだというのが日本の立場です。
 一方、科学的にはまだ因果関係証明し切れていないけれども、有毒性、安全性に関してまだ不確実な部分が多いのでこの化学物質は予防的に規制しましょうというのがヨーロッパの予防原則です。
 私は、是非日本にはこのヨーロッパと同様の予防原則、何にしても予防原則、この立場に立っていただきたいと思うんですが、小泉環境大臣のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。


○小泉環境大臣

 青木先生から御指摘いただきましたこの予防原則、この予防原則についてのその定義、そして考え方、これは様々なものがあるというふうに承知をしています。
 ただ、環境政策を講じるに当たっては、科学的に不確実であることをもって対策を遅らせるという理由はありません。科学的知見の充実に努めながら予防的な対策を講じることとしていまして、環境省としては環境基本計画ではこの考え方を予防的な取組方法、そういうふうに呼んでいます。
 ただ、先生がおっしゃるような考え方とは同じような方向性を向いていると思います。大気汚染防止法においても、環境省の最も基本的かつ重要な役割である環境に由来する健康被害の未然防止のため、これまでその時点での科学的知見に基づいて石綿の飛散防止に取り組んでまいりました。
 今後、先ほど申し上げましたが、二〇二八年頃をピークに石綿含有建材を使った建築物の解体工事が年々増加していくことが見込まれます。このことを踏まえて、今回の改正で、石綿含有成形板、このレベル3建材を含む全てのものを規制の対象とするわけであります。
 この不適切な除去や事前調査における見落としなどもありましたことがこの法改正にもつながっているわけでありますから、明らかになった課題に的確に対応して、全ての建築物等の解体等工事における石綿飛散防止対策に万全を期してまいりたいと考えております。


○青木愛

 済みません、小泉大臣の御答弁がちょっと中身がはっきりと落ちてこないんですけれども。
 先ほど申し上げたヨーロッパの予防原則という考え方ですね、危ないというふうに分かったものについては、まだ科学的な証明はなされていないけれども危ないというふうに見込まれているわけだから、科学的にはっきり証明されていない間はそれは使わないようにしようと。日本は逆で、科学的な証明がされていないのでその間は使ってもいいという、もう百八十度違う。国民の命、健康にとっては全く真逆の考え方でありまして、これは何にしてもそうなので、是非日本のこの根本的な立ち位置、考え方を変えていただきたいという、そういうお願いなんでありますけれども。


○小泉環境大臣

 分かりにくかったかもしれませんが、改めて、この環境省の環境基本計画、このように書いてあります。「環境影響が懸念される問題については、科学的に不確実であることをもって対策を遅らせる理由とはせず、科学的知見の充実に努めながら、予防的な対策を講じるという「予防的な取組方法」の考え方に基づいて対策を講じていくべきである。」と。
 こういった考え方でおりますので、まさに、先ほど私も申し上げましたが、今回の大気汚染防止法、これにつきましては、環境省の最も基本的かつ重要な役割である環境に由来する健康被害の未然防止のために、これまでその時点での科学的知見に基づいて石綿の飛散防止に取り組んできたことでありますが、今までの法改正を重ねる中でも課題は見付かっていますので、今回その課題をクリアしていく、解決していくということで法改正を今皆さんに審議をお願いしていることであります。これが、結果、お認めいただいて改正された暁には、この石綿に対する規制、大きく進展すると考えております。


○青木愛

 今大臣がおっしゃられたのはヨーロッパの予防原則とは全く違っていて、やはり科学的知見を重視しているということが分かりました。それが日本の立場だということは、そうなんですね、今までずっとそうなので。今はそうなんですけれども、やはりこういう石綿の問題を始めとしていろいろな、今化学物質であったりとか遺伝子組換え食品だとか残留農薬でいろんな問題があって、そこは日本は科学的な証明、知見を得られるまでは使ってしまおうというところなんですね。アスベストみたいに、こうやって三十年、四十年、五十年たってから被害が出てくる、こういう状況で、大臣、日本はよろしいんですかね。
 先ほど大臣がおっしゃった予防的対策というのは全く違うので、科学的知見を得ながら予防的対策を取るという、それは全く違っていて、もっと枝葉末節ではなくて根本の幹のところなんでありまして、是非このヨーロッパの予防原則、日本国民の命を守るためには予防原則、これを日本の指針としていただきたい、これは強く要望をさせていただきます。
 そして、続いてなんですけれども、これは現場の声でありますが、被害者補償基金制度の創設ということを現場から御要望を受けております。そういう国会議員の方も多いかと思いますけれども、それに関連して、ちょっと話はそれますけれども、ベビーパウダーなんですが、これはこれで大変問題なんですけれども、ここで取り上げる趣旨はそうではないんですが、ベビーパウダー、ファンデーションなどの原料であるタルクにアスベストが混入していたということで、今その危険性が指摘をされています。
 日本でも、時計用の宝石加工の作業中にベビーパウダーを打ち粉として使っていたということで、窓も開けずに閉め切った部屋で七、八人の方々がそういう作業をしていて、お一人の方が亡くなられたという大変残念な事例もあるんです、事故があるんですけれども。
 アメリカでは、今、二〇一九年ですから去年のことなんですけれども、このベビーパウダー約三万三千個、これを自主回収しているんですね。アメリカのFDAという機関がサンプル検査をして、オンラインで販売されている製品のボトルの一つから微量のアスベストが検出をされた、それを受けてのリコールということになりました。
 ジョンソン・エンド・ジョンソンでありますけれども、この会社のタルク製品によって疾病を発症した女性の方二十二人に対しまして、裁判所が四十七億ドル、約五千七十億円の賠償金を支払うように同社に命じたんですね。これ、一人当たりに換算しますと、その賠償金は二百億、日本円にして二百億であります。
 これを取り上げる趣旨は、EUでは予防原則に立っていち早く国民の健康と命を守る対策を打ちます。一方、アメリカは企業が一旦訴訟されると賠償金は桁違いに大きなものになるということであります。それに比べて、日本の場合は被害者が言わば泣き寝入り状態とでもいいましょうか、そういう状況でありまして、労働者に対して厚生労働省が管轄する労災保険給付や特別遺族給付金、その他の被害者は、環境省でも管轄しておりますが、石綿健康被害救済制度による救済給付はありますけれども、しかし、その補償額は十分ではないということを指摘をさせていただきます。
 この現場の被害者の方々は、建設工事を通じて、長年日本社会の屋台骨を支えてきた方々であります。原告以外にも被害者がたくさん全国におられまして、地域のそこそこで原告がその訴訟を起こさなくても、国がもっと前面に立ってこの救済制度、基金制度を創設することが求められているわけであります。
 是非、この被害者の立場に立った救済策を強化すべきだというこの点についての御見解をお聞かせください。


○松本貴久 厚生労働省大臣官房審議官

 青木先生から建設アスベスト訴訟に関連しましての御質問を賜りました。
 建設アスベスト訴訟につきましては、現在、最高裁判所に係属中の五件を始めまして、合計十六件が係属中でございます。このため、係属中の案件でございますので、先生御指摘の基金創設等の具体的なことにつきましてのコメントはこの場で差し控えさせていただきたいと思います。
 厚生労働省といたしましては、先生御指摘のように、労災保険法による補償とか、あるいは石綿救済法に基づく特別遺族給付金による補償というものを従来行ってきているところでございます。まずは、こうした現行の制度に基づき、必要な補償にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。


○青木愛

 現場の方々は、国に謝ってほしいと、その姿勢を示してほしいと願っております。言わば慰謝料を求めているわけであります。
 いろいろな制度で生活の支援は、支援という制度としては理解をしますけれども、やはりその慰謝料としての基金制度の創設を今後の取組として進めていくべきだというふうに考えています。
 現場の方々は、今回、レベル3ということで成形板が規制の対象になったことは良かったと思いますけれども、その成形板を丸のこで現場ではこう切るわけですよね。そのときに飛散するわけです。まあ八、九割は暴露しているだろうと、現場の方々はそういうふうに認識しています。
 全員が全員発症するわけではないとは思いますけれども、やはり毎年行われる定期健診、暴露されている方々、発症していなくても、その定期健診に臨むその方々のやはり精神的苦痛というのは、御本人も、そして御家族も含めていかばかりかなというふうに本当に拝察するところでありまして、ましてや発症した方々に対しては、国のこれまでの先ほど申し上げた経過、経緯があるわけですから、そこはそれぞれに原告になって訴訟を起こす、そんなことではなくて、国が前面に立って救済してあげたらいいじゃないですか。これ裁判、勝訴が続いていますよね。それは当たり前だと思います。
 全国には原告になれずに被害を受けている方がたくさんいらっしゃるんです。それを国が救済してあげたらいかがでしょうか。


○松本貴久 厚生労働省大臣官房審議官

 今ほどお答え申し上げましたとおり、現在、建設アスベスト訴訟につきましては十六件が裁判の係属中ということでございます。したがいまして、御指摘の点につきましてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、建設アスベスト訴訟につきましては、国はその時々の知見に応じて適時適切に措置を講じてきたというような点、また違法とされている争点、また国の違法期間につきまして裁判所の判断が分かれているということでございます。そういうことも踏まえまして、最高裁による統一的な判断を得る必要があるため、現在訴訟を係属しているという状況でございます。


○青木愛

 これからも求めてまいりたいと考えます。
 次に、地震との関連で何点かお聞かせをいただきたいと思います。
 まず、一九九五年の阪神・淡路大震災、多くの建物が倒壊をいたしまして、建物倒壊とそして解体作業に伴って大量のアスベストが飛散をされました。二十五年を経た現在、当時復旧作業に従事した方々の中から死者あるいは疾患の被害が確認をされているところであります。二〇一一年の東日本大震災、また二〇一六年の熊本地震、二〇一八年の大阪北部地震、これらの地震でも倒壊した建物からアスベストが飛散をしております。
 この災害の復旧復興にはいろいろな方々が協力をしてくださっています。ボランティアの方々もそうです。きちんとした対策が取られていたんでしょうか。心配します。


○小野洋 環境省水・大気環境局長 

 環境省におきましては、災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアルを策定いたしまして、自治体に対しまして平常時における準備及び災害発生時の応急対応として必要な取組を周知しております。このうち、先ほど委員からもございました災害時の住民やボランティアに向けた対応としては、住民やボランティアに配布するための防じんマスクの備蓄又は入手の確保を平常時から行う必要があることや、災害発生時に住民に対して周知するチラシの事例などもお示ししております。
 また、過去の災害発生時には、自治体からの協力要請等に基づきまして、環境省といたしましても、複数の企業の御協力を得て被災自治体へ防じんマスクを送付するとともに、ボランティア等の活動における防じんマスクの着用の徹底の周知をしております。また、解体等工事現場周辺等におけるアスベスト大気濃度測定の実施も行ってございます。
 引き続き、これらの自治体と連携した取組を実施することにより災害時の石綿暴露防止対策を推進してまいります。


○青木愛

 昨年の台風被害でのちょっと事例を御紹介をさせていただきます。
 これ、鎌倉の事例と建設組合の方から伺ったんですけれども、昨年の台風被害で建物が損壊を受けました。で、修理をしようとしたところアスベストが見付かったために、やはりこの作業空間の隔離であったりとか、その減圧のための集じん・排気装置であったり作業者の安全防護など、また丁寧に取り除かなければなりませんから日数も掛かり人件費も重なるということで、その費用が発注者である所有者に大きく重くのしかかってきたということで、結局のところ、アスベストがあると分かっていながら除去することは諦めて、要は被覆という屋根を覆うという形だけにして、封じ込めにとどまったという例を伺いました。毎年これから自然災害あるいは地震も懸念されているこの日本において、こういう事例は増えるものというふうに思います。
 この法案はアスベストの飛散を防ぐという法律ではありますけれども、やはり最終的な最大の目的は、飛散を防止しながらも、この我々の生活環境、社会からこの危険なアスベストを除去する、根絶する、これが最大の目的でなければならないと思っております。途中で諦めることなく、きっちりその機会をせめて捉えてアスベストを除去する、そこまでのやはり支援がこれは必要だというふうに思います。
 この点、小泉大臣にお伺いします。いかがでしょうか。


○小泉環境大臣

 青木先生からは、財政支援、そういったことも含む何らかの措置が今後やっぱり必要ではないかという御指摘だと思います。
 この石綿の除去費用については、従来から、建物の使用による便益を受けてきた所有者等が解体等工事の際の石綿除去費用を負担することとしています。なお、石綿の除去が円滑に行われるよう、日本政策金融公庫において石綿の除去等を行う際に中小企業等に対する低利融資制度が設けられておりまして、一定の負担軽減が図られています。
 今回の法改正で、レベル3建材、これにも拡大をする措置を講じておりますが、これによって費用負担が大きく増えることはないというふうに見込んでおりますので、新たに補助制度を創設する必要性は生じないものと考えています。
 環境省としては、過去に石綿含有建材を製造していた業者から提供いただいた情報の周知や、石綿飛散防止対策マニュアルの策定、講習会等の事業者向けの技術支援も行いながら、大気汚染防止法に基づく規制の遵守を図ってまいりたいと考えております。


○青木愛

 大変残念な御答弁としか言わざるを得ません。
 地方自治体によっては財政的支援を行っているところもございます。また、国交省の方にもそういう支援制度があるようには伺っておりますが、それで十分かどうかというところもあり、環境省としては、融資制度もあるというふうに伺っていますけれども、やはり今、この法案改正でアスベスト飛散防止のためのいろいろな作業基準というものを設けてそれをしっかり守ろうというところにおいて、やはり減圧を掛けるその装置だとか、隔離にしなくちゃいけないとか、作業日数も掛かるとかということを考えれば、これは百万単位で、私もいいかげんなことは言えません、もっと掛かるかもしれませんが、想像するに大変な金額が掛かる。それを発注者が、アスベストがそこにあるということはその発注者の責任ではないわけでありまして、単なる修理ではないんですよね。修理費用なら発注者が持つということも理解できますけれども、そこにプラスアルファアスベストがあるがために、自分の原因ではないアスベストがあるためにプラスアルファの費用がかさむんですよ。
 そこは国として面倒を見ようという気持ちにはならないんでしょうか。もう一度御答弁お願いいたします。


○小泉環境大臣

 青木先生の思いというのは共有をします。私も、今回、レベル3建材を含むということで現場にどのような負担が掛かるんだろうかと、そういったことも議論をしました。そういったことも調査、現場のことを聞きながらやったところ、今回のレベル3建材を規制の対象に拡大をするという、こういったことを講じた上で費用負担が大きく増えることはないだろうと、そういうふうに見込んでおりますので、新たに補助制度を創設する必要性は生じないものと考えていますが、先ほど申し上げたとおり、石綿の除去が円滑に行われることは間違いなく必要なことであります。それは青木先生と共有しています。
 そこにつきましては、日本政策金融公庫が低利融資制度、そういったこともありますので、そういったことも活用いただくとともに、環境省としてやらなければいけないこと、過去に石綿含有建材を製造していた業者から提供いただいた情報をしっかりと周知をすること、そして防止の、石綿飛散防止対策のマニュアルをしっかりと作っていくこと、また講習会など事業者向けの技術支援も行うこと、こういったことをやりながら石綿の飛散を少しでも防止をしていくこと、こういったことをやっていくことが我々環境省としては重要なことだと考えております。


○青木愛

 除去が大事だということにおいて、是非環境省としても、財務省にでも是非掛け合っていただいて必要なものは財源を取ってくると、そういう覚悟を、是非大臣にはそういった姿勢で臨んでいただきたいという思いであります。
 最後の質問になりますけれども、今回の法案の中で、全ての建物と私は望みますけれども、建築物、あらゆる建築物にアスベストが使われているかどうかというその有無を調査をしてデータベース化をするというところが入っておりまして、これは非常に私は評価をするところなんですけれども、これがなされれば解体時の事前調査と二重のチェックができるのでより安全を確保できるのではないかと思っていて、大変なところもあるとお聞きしますが、このデータベースの構築、ここに私は、民家に至るまで、優先順位はあるかもしれませんけれども、やはり天井であったり床であったり壁であったり、あるいは壁紙であったり、そういうところに練り込まれていて、飛散する可能性は少ないとはいえ、台風があったり何だかんだというときは解体時と同じような状況になるわけですから、やはりそれぞれの個々人が自分が住んでいる家にアスベストが使われているのか使われていないのか、そこを注意喚起を促して、余り不安に思ってふだんの日常生活に支障があっても困りますけれども、やはり台風の季節をこれから迎えますし、地震がいつ起きるか分からないという、この災害が起きる前になるべく早くそういうアスベストの有無、全ての建物についてデータベース化、把握をするということを最大限の目標にしていただきたいと思うんですが……


○委員長 時間となりましたので、おまとめください。


○青木愛 最後にこの点だけお願いいたします。


○小泉環境大臣

 時間も来ているということですから端的にお答えさせていただきますと、このデータベース作成については御評価いただきましてありがとうございます。
 まずはモデル事業をしっかりやっていきます。そして、数自治体でこのモデル事業をやって、そこで得られた知見、そして把握の手法、こういったことの検討を行いながら、得られたものを全国への展開することによって石綿含有建材の使用状況の把握を促進していきたいと思います。
 ありがとうございます。


○青木愛

 ありがとうございました。


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