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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

令和4年3月2日 参議院予算委員会

ウクライナ情勢等に関する集中審議


○青木愛

 立憲民主党の青木愛です。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 現在、世界は三つの地球規模の危機に直面をしています。
 一つは、台風や地震、津波や火山爆発などの自然の脅威です。特にCO2など温室効果ガスによる地球温暖化と異常気象は深刻な状況を呈しており、CO2削減、カーボンニュートラルは現代人全体の課題となっています。
 二つ目は、細菌やウイルスによる世界的な感染、パンデミックです。二〇一九年末に中国で確認された新型コロナウイルスは瞬く間に全世界に広がり、変異を繰り返しながら、現在四億人を超える人々が感染し、約六百万人の方々が犠牲になりました。
 三つ目は、人間や国家が引き起こす戦争やテロです。現在、ロシアがウクライナに侵攻し、核の脅威をちらつかせ、武力で領土を奪おうとしています。
 このような三重の危機に直面したことはかつてありません。国のトップに立つリーダーは、危機に的確に対処し国民の命と暮らしを守るという重大な責任があります。
 そこで、総理に、こうした危機に対する基本的な対処方針、そして決意をまずお聞きしたいと存じます。


○岸田文雄 内閣総理大臣

 ただいま委員の方から、三つの危機について御指摘がありました。気候変動、感染症、そして戦争、テロ、こうした三つの危機について御指摘がありました。
 まず、そうした三つの危機の存在、これは全く私も同感であります。そして、この危機に対して、それぞれの国が国民の命や暮らしを守るためにしっかり取り組んでいかなければいけない、これは当然のことでありますが、あわせて、今御指摘になった危機の内容を考えますと、一国のみでそうした危機に立ち向かう、これは限界があります。
 だからこそ、国際社会とどう連携していくのか。その際に、日本としては、特に自由とか民主主義、法の支配、人権といったこれまで大切にしてきた普遍的な価値を共有する国々、同盟国や同志国と協力する形でこうした地球規模の危機に臨んでいく、こういった姿勢が求められると思います。そうした基本的な考え方に基づいて、具体的な課題に一つ一つ向き合っていきたいと存じます。
 大きな危機に直面する国際社会のありようにおける政治の責任の大きさも委員の御指摘のとおりだと感じ、しっかり責任を果たしていきたいと考えます。


ロシアのウクライナ侵略について

○青木愛

 ありがとうございます。総理おっしゃるとおり、今こそ世界が一つにまとまらなければならないときだと思っています。
 それでは、ウクライナ問題について私も質問をしてまいります。
 まず、邦人保護について伺います。
 二月二十六日時点でウクライナに残留している邦人は約百二十名と報道で発表されています。また、現地の大使館などを拠点に、在留している人に対外退避の意向がないかどうか重ねて確認を続け、退避を望む方には陸路で迅速に出国できるよう交通情報を提供するなどして、国内にとどまる場合でもシェルターなどで身の安全を確保するよう呼びかけを続けていることなども報道されているところであります。
 いずれにしましても、邦人の保護に当たっては情報発信が極めて大事であると考えますが、政府あるいは現地の大使館として、日本独自の情報収集あるいは情報発信、これができているのかどうかを伺いたいと思います。
 またあわせて、ウクライナの在留邦人がポーランドに陸路退避する場合の円滑な入国等についてポーランドに協力要請したと承知はしておりますが、ポーランドのみならず、隣接するスロバキアあるいはハンガリー、共にNATOに加盟しておりますけれども、こうした国々に対しましても在留邦人の円滑な入国等について政府は働きかけを行っているのかどうか、選択肢は多い方がよいと思いますが、いかがでしょうか。


○林芳正 外務大臣

 ロシアによるウクライナ侵略を受けまして、日本政府として情報収集を行っておりますほか、在ウクライナの日本国大使館よりは、ウクライナ滞在中の邦人の皆さんに対して連日、領事メールというのを発出いたしまして、自身の身の安全を最優先とした行動を取ることを呼びかけて、邦人お一人お一人に連絡するとともに、関連する情報をきめ細やかに発信をしてきております。
 また、今先生からお話があったように、ウクライナ在留邦人の陸路でポーランドへの出国を支援すべくリビウ市に臨時の連絡事務所を開設して、ウクライナから退避してきた邦人の受入れを支援するべくポーランド側のジェシュフ市にも臨時の連絡事務所を開設したところでございます。
 また、後段のお話でございますが、これまで我が方からポーランド、スロバキア及びハンガリーに働きかけたところ、いずれの政府からも邦人の円滑な受入れについて御協力いただける予定になっております。
 また、私からも、アウレスク・ルーマニア外相、それからラウ・ポーランド外相に対して、ウクライナの在留邦人が陸路退避する場合の協力を要請いたしました。それぞれの外相より最大限の支援を提供する旨の発言があったところでございます。


○青木愛

 人類は二度の悲惨極まりない世界大戦を経験し、その反省の下に、国際の平和と安全を維持することを目的に国際連合を設立しました。そして、加盟国はいかなる国に対しても武力による威嚇若しくは武力の行使を慎まなければならない、そうした原則を定めています。
 ところが、この度、安保理常任理事国のロシアがウクライナを侵攻しました。国連安全保障理事会は二月の二十五日、ウクライナ情勢に関する会合を開き、米国などがロシアによるウクライナ侵略を非難する決議案を共同提案しましたが、ロシアの拒否権で否決されました。
 日本政府は、ロシアによるウクライナ侵攻を侵略と判断、認定しております。この侵略国が世界の平和と安全に主要な責任を負う安保理常任理事国に拒否権を有して存在するということはあり得ない、ふさわしくないと考えます。このままでは国連は機能しません。岸田総理の御見解をお伺いします。


○岸田文雄 内閣総理大臣

 国連は、さきの大戦後、二度と戦争を起こさないための組織として創設されたものであります。しかし、国連憲章に定められているとおり、常任理事国には拒否権があり、特に米ソ冷戦時代には国連が国際の平和と安全の維持の機能を果たすことができなかった、こうした事例が多くありました。
 我が国としても、国際のこの平和と安全の維持に主要な責任を有する安保理が一致した行動を取ることが望ましいと考えています。国連が適切かつ十分に機能するための改革が必要であるとの声が根強いのも事実です。今回のロシアの一連の行動は、こうした国連の抱える問題を改めて提起するものであると考えます。
 今回のロシアの拒否権行使に対しては、国連総会は全加盟国の意思を結集する場として昨日から緊急特別会合を開会中であり、多くの国がロシアを非難しています。我が国は、今次総会で採択予定の総会決議案に共同提案国入りをしており、引き続き積極的に各国と連携していきたいと思います。
 安保理が現在の国際社会の現実を反映し、現実の世界の諸課題に有効に対処することができるよう、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に向けて引き続き具体的な取組、進めていきたいと考えます。


○青木愛

 さらに、ロシアの侵略行為に対しまして日米、欧州は経済制裁を表明しましたけれども、プーチン大統領は核をちらつかせてウクライナ及び世界を恫喝をしています。核で脅せばどんな理不尽なことでも押し通せる、何でもできるという事実をつくってはならないと考えます。
 岸田総理はどのような見解をお持ちでしょうか。また、世界に向けてどのような働きかけをされるのか、お聞きいたしたいと存じます。


○岸田文雄 内閣総理大臣

 今回のロシアによるウクライナの侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、明白な国際法違反でもあり、厳しく非難をいたします。これに対し、日本を含む多くの国々が経済分野を中心に厳しい対ロ制裁措置を導入していますが、そうした圧力に対抗する文脈でロシアが核抑止力部隊の態勢を引き上げたことについては、情勢の更なる不安定化につながりかねない危険な行動であると認識をいたします。
 唯一の戦争被爆国であり、とりわけ、私自身、被爆地広島出身の総理大臣として、核兵器による威嚇も、ましてや使用もあってはならないということをこれからも強く訴えていきたいと考えます。


安倍元総理の核共有に関する発言について

○青木愛

 そのようなさなか、私からも質問させていただきますが、自民党の安倍元総理が、アメリカの核兵器を国内に配備をして日米共同で運用する核共有政策の導入についてテレビで話をされました。この核共有に関する岸田総理の見解を私からもお聞きしたいと思います。
 そして、安倍元総理は自民党の今でも有力な議員だと思いますけれども、自民党の中にも、こうした日米共同で運用する核共有政策の導入、こうした考えが自民党の中にあるのでしょうか、お聞きさせていただきます。


○岸田文雄 内閣総理大臣

 安倍元総理の出演された番組、私はちょっと拝見していませんので、それについて直接言及することは控えますが、政府として、先ほど来申し上げているように、核共有というものの中身、平素から自国の領土に米国の核兵器を置いて、有事にはこの自国の戦闘機等によって核兵器を搭載あるいは運用可能な体制を保持することによって自国等の防衛のために米国の抑止力を共有する、こういった枠組みを想定しているのであるならば、これは政府として、非核三原則を堅持していく立場からも、また原子力基本法を始めとする国内法を維持する見地からも認めることはできないと考えております。

   〔速記中止〕

○岸田文雄 内閣総理大臣

 自民党のみならず、この国内において核共有について様々な議論があるということは承知をしております。
 しかしながら、私の考え方、そして政府の考え方、これは先ほど申し上げたとおりであります。


○青木愛

 安倍元総理のこのテレビの発言を見ていないので控えるとおっしゃいましたけれども、控えている場合ではないというふうに思います。
 そういう議論が、核を共有をするという議論が自民党の中で行われているという率直なお話も聞こえてきたわけでありますけれども、冒頭申し上げましたように、今世界は三重の地球的規模の危機に直面をしているわけでありまして、岸田総理もおっしゃったように、今こそ世界が一つになって、この地球からの、自然からのこの警告に立ち向かわなければならないときに、この安倍元総理のこの発言は更に危険をあおる、極めて遺憾で危険であると、そういう発言であるということを指摘しておきたいというふうに思います。
 ウクライナ問題については以上で、また改めてまた機会をつくって、この安倍元総理の発言についてもまた追及をしていきたいというふうに考えます。


外国人技能実習制度の問題点について

○青木愛

 それでは、話題を変えさせていただきます。
 外国人の技能実習生についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 日本政府は、地域の安定と繁栄を目指すとしており、東南アジア諸国を始め、考え方を共有する国々との連携を重視をしています。ベトナムに対しては、要となる重要なパートナーであるという発言も行っているところであります。
 そこで、日本とベトナムの二国間関係についてお伺いをさせていただきます。
 私は、令和元年十二月、参議院の公式派遣でベトナムを訪問しました。日本へ向かう外国人技能実習生の現状について、在ベトナム日本大使館の当時梅田大使や、現地の技能実習送り出し機関から話を伺いました。ホーチミンで訪問した技能実習学校の生徒たちはとても純朴で、日本に行って技能を習得することを目を輝かせながら語ってくれました。
 しかし、大使に詳しく事情を聞きますと、これらの若者の多くは、訪日のために平均百万円から百五十万円といった多額の費用を親戚などからかき集め、日本に来る前に多くの手数料を送り出し機関や仲介業者に支払い、悪徳業者に掛かった者は相当な額が搾取されるという話を聞きました。訪日後、これらの若者は、資金を集めてくれた両親や親戚、また銀行への借金を抱えて技能実習生として働くことになるのですが、劣悪な住まいと労働環境の下で働かざるを得ない若者も多くいると伺っております。
 本年二月に、ベトナムの技能実習生の男性が、実習先の建設会社で二年間にわたってほうきや棒で繰り返したたかれるなど暴行を受けていたことが報じられました。こうしたことは氷山の一角かもしれません。中には、低賃金、劣悪な労働環境等でどうにも立ち行かなくなった者が犯罪に手を染めるケースもあると聞いています。こうした話を伺いますと、犯罪は行う方が悪いのはもちろんですけれども、そのように追い込んでしまっている状況もあるのではないかと思ってしまいます。
 親日国であるベトナムの若者が日本に希望を持って来日し、最後は日本に恨みを抱いて帰国するといったことは、決して、日本、ベトナム、二国間にとって良い影響を及ぼさないことは明らかであります。
 政府は外国人技能実習生の問題が後を絶たない原因についてどのように分析をされているか、お伺いします。


○後藤茂之 厚生労働大臣

 技能実習制度は、人材育成を通じた開発途上地域等への技能等の移転による国際協力を目的とする制度でございまして、これまでに多くの技能実習生が実習を全うし、母国等で活躍されているものと承知しております。
 しかしながら、今、青木委員からも御指摘のとおり、一部においては、この制度趣旨が必ずしも十分に理解されず、技能実習生を安価な労働力として利用し、人権侵害や労働関係法令違反と認められる事案があるとの指摘がありまして、重く受け止めております。
 このような技能実習生の違反に対しては、行政処分等を行うなど、厳正に対処してまいりたいと思います。


○青木愛

 政府は、平成二十九年に施行された技術、技能実習法に基づいて、外国人技能実習機構、ここが受入れ企業等に対する実地検査や、また、受入れ企業が不適正な事案に対してこの機構が指導、勧告を行い、認定の取消しなども行っていると伺っています。また、技能実習生からの母国語の相談対応であったり、また保護の取組を進めているというふうに承知をしております。
 しかし、問題が後を絶たない現状を目の当たりにいたしますと、こうした政府の取組が十分に機能していないのではないか、そういう危惧を抱かざるを得ないのですけれども、その点はいかがお考えでしょうか。


○後藤茂之 厚生労働大臣

 技能実習生への暴力等の人権侵害はあってはならず、技能実習法の違反に対しては、行政処分等を行うなど、厳正に対処をいたしております。
 また、このような人権侵害等の問題を早期に把握することは非常に重要でございまして、外国人技能実習機構において技能実習生に対する八か国語による母国語相談窓口等を設けているほか、令和三年四月からは暴力等の人権侵害行為に対応するための専用窓口も設置をいたしております。
 さらに、人権侵害のおそれがある事案を把握した場合には、監理団体においては、三か月に一回の通常検査とは別に迅速かつ確実に臨時検査を実施し、結果については直ちに外国人技能実習機構に対して連絡をすると、外国人技能実習機構において早急に必要な調査、指導を実施することといたしております。
 引き続き、技能実習制度の適正化及び技能実習生の保護に努めてまいりたいと存じます。


○青木愛

 今般のコロナ禍によって職を失った外国人技能実習生が多数生まれています。過酷な状況に置かれているとの指摘がございます。
 外国人技能実習機構が監理団体や受入れ企業からの届出や事情聴取によってコロナ失職とみなした場合は特例の転職支援の対象になりますが、それ以外の失職者は、基本的に元の監理団体からの支援に頼るのみ、職種の転換はできないとされています。
 こうした事情を踏まえて、私も現場お邪魔しましたけれども、行き場をなくしたベトナム人の方々がベトナム人の僧侶や日本のNPO等のいわゆる駆け込み寺に流れていることが報じられています。この駆け込み寺は実習生の在留資格の申請や就職支援等を行っておりますけれども、国策で受け入れた以上、これらの支援は、本来、行政として、外国人技能実習機構の責任で行われるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
 外国人技能実習制度、これ、技能等の移転を通じた国際貢献、これを目的としております。実習を終えて母国で活躍されている方々もたくさんおられることを考えますと、まずこの運用を改めることが大事だというふうに思います。両国の橋渡しとして、有意義な制度にしなければなりません。しかし、現在はもろ刃の剣であります。
 政府は、本制度の意義を十分に再認識をしていただいて、同機構のマンパワー、これが足りないのであれば、十分な人的補充を行うなどして体制を充実させるべきだとまず考えますけれども、いかがでしょうか。


○後藤茂之 厚生労働大臣

 外国人技能実習機構は、技能実習適正化法に基づきまして、実習実施者、監理団体に対する実地検査や指導、技能実習生からの相談対応及び必要な情報提供等の援助等の業務を実施しておりまして、この外国人技能実習機構の果たすべき役割は、青木委員御指摘のとおり、非常に重要だと思っております。
 この体制については、令和元年度において、実習実施者、監理団体への実地検査や技能実習生に対する相談、援助等の実施体制の強化を図るために、それまでの三百四十六名体制から五百八十七名体制へ増員をして、制度の適正な運用に向けた体制の強化を図っております。
 このような中で、外国人技能実習機構における実習実施者、監理団体に対する実地検査件数や母国語相談件数も増加しているところでございまして、今後とも、体制の在り方について必要に応じた検討を行い、しっかりと現状や課題に対応してまいりたいと思っております。


○青木愛

 現状では、NPO等の民間団体が寄附によって財源を賄い、こうしたベトナム人の方々の衣食住を提供し、そして女性の方の出産にも立ち会っているという状況でございます。是非、これは国策でありますので、行政が、国が全面的に前へ出るべきだというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 次に、気候変動、自然災害、荒川の堤防についてお聞かせをいただきたいと思います。
 近年、気候変動による自然災害、ますます激甚化、頻発化しております。これまで経験しなかった地域においても災害が発生しています。


京成本線荒川橋梁の嵩上げ工事完了の延期について

○青木愛

 二〇一九年十月、台風十九号、東京においても、荒川が氾濫危険水位七・七〇メートルに迫る七・一七メートルを記録し、決壊寸前の危険状態となりました。荒川と江戸川が氾濫し高潮と重なれば、東京東部の海抜ゼロメートル地帯は最大二百五十万人の浸水被害が発生すると想定されています。洪水は地下鉄に流入し、首都機能は完全に麻痺します。
 昨年十二月、所信表明演説に対する本会議質問で、京成本線の荒川橋梁で土手が低くなっている箇所の架け替え工事について質問をいたしました。国土交通大臣は、架け替え事業については、現在用地を取得中であり、令和十九年度完成を目標に来年度から工事に着手しますと答弁がございました。工事完成までの安全を確保するために、鉄道の橋梁によって堤防が低くなっている箇所にはパラペットの施工と、洪水時には土のうを設置する、そうした水防活動に取り組んでまいりますとの答弁でした。
 その答弁を聞いて大変驚きました。河川が増水すれば土のうを積んで対処する、本当にそれで大丈夫なのでしょうか。
 異常気象は極端化しています。どの程度の豪雨まで耐えられるのか、その土のうあるいはパラペット、その積算根拠を示して、もう一度説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。


○斉藤鉄夫 国土交通大臣

 青木委員御指摘のように、荒川の堤防、京成本線が交差する地点で、周辺に比べ約三・七メートル低くなっておりまして、洪水に対して危険な状況です。そのため、令和十九年度の完成を目標に、来年度から橋梁の架け替え工事に着手することとしております。
 その間の安全の確保も重要であることから、堤防が低くなっている箇所にコンクリート製のパラペットを設置するとともに、鉄道軌道部において土のうや止水板などを設置する水防活動について、足立区、葛飾区、京成電鉄と連携し、設置訓練などを行っております。
 また、荒川の水位を少しでも低下させるため、令和十二年度完成を目指して上流の荒川第二、第三調節池の整備を進めており、令和八年度の出水期から段階的に効果を発揮させてまいります。
 京成本線の橋梁の架け替えは、電車を走らせながらの工事ということになりますので非常に複雑な工程となっておりますが、堤防のかさ上げ部分をできるだけ前倒しで整備できるよう調整してまいりたいと思います。


○青木愛

 応急処置ということでパラペットも決して丈夫には見えないものでございましたし、そして、消防団、水防団の方々の御努力には本当に感謝申し上げる次第ですけれども、土のうでどこまでしのげるのかというのはやはり率直に心配であります。この計画ですと、十六年これから待たなければなりません。是非、工事完成の前倒しをできるようなやはり体制強化を図るべきだというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。


建設労働災害について

○青木愛

 続きまして、また国交大臣にお尋ねします。
 建設労働災害についてお聞きします。
 建設業は、国民生活と産業活動の基礎を築く要の産業であるのみならず、集中豪雨や大地震などの災害に遭遇したときにいち早く被災現場に駆け付け、昼夜を問わず働き、復旧作業をしてくださっています。しかし、労働環境は厳しく、建設職人の安全と健康の確保は喫緊の課題となっています。
 今年二月に速報値として発表された令和三年における死亡災害は、全体が八百十八人で、トップが建設業の二百七十九人です。令和三年は二百七十九人となって、前年を上回っています。平成二十八年に成立をした建設職人基本法は、このような事故、とりわけ墜落、転落事故を撲滅することを目的として、与野党超党派の衆参両院議員が一致団結して議員立法として成立をさせました。
 建設従事者の命の安全にとって安全衛生経費の確保は最重要であります。国土交通省実務者検討会では、この安全衛生経費の確保策として、元請業者と下請業者が建設工事の請負契約を締結する際、元請と下請の負担の分担を示す確認表の作成や、安全衛生経費の内訳明示方式による標準見積書の作成と普及促進を提言しています。
 ただ、私といたしましては、EU諸国の一部が実践しておりますように、職人の安全に関わる安全衛生経費は、元請や発注者が削減できない、いわゆる別枠化することが望ましいと考えております。国土交通省の施策案にある添付書類のイメージ図には足場関連の項目が入っていません。墜落、転落事故災害対策の重要な一角を占める足場、その関連設備、安全に直結する工事、点検などの費用もしっかりと内訳明示の中に位置付けていくことが必要だと考えますが、御見解をお伺いをいたします。


○斉藤鉄夫 国土交通大臣

 安全衛生経費の見える化が必要だという御質問でございます。
 人材で成り立つ建設業において建設工事従事者の安全及び健康の確保は建設工事の大前提であり、そのためにも安全衛生経費が下請負人まで適切に支払われることは重要だと考えております。
 この安全衛生経費の見える化のため、内訳明示した標準見積書の作成を普及することによって安全衛生経費が下請負人まで適切に支払われるようにする取組を業界関係者と検討しておりますが、委員御指摘の足場経費を含めて、安全衛生経費の範囲にどういった項目を含めるのかについては様々な御意見があり、今後とも、業界関係者の意見を丁寧に伺いながら引き続き検討を進めていきたいと思っております。


○青木愛

 この手すり先行足場と幅木の設置ということを我々は訴えてきましたけれども、公共工事ではこれらが実質義務化されているので足場からの転落事故はありません。ただ、民間工事においては、この設置が公共工事と同じように義務化されていないので、この事故が後を絶たないわけであります。民間工事においても公共工事と同様の措置を求めているだけであります。
 ちなみに、あの墨田区にそびえ立つスカイツリーは、事故がなかった、事故が起こらなかったからこそ、あのスカイツリーはシンボルとして、より一層輝いて見えるものと思っています。
 この官民工事でこの職人の安全対策に格差があってはおかしいというふうに思います。是非、前向きにまとめていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


○斉藤鉄夫 国土交通大臣

 特に見える化が遅れております民間工事において、その安全衛生経費をしっかりさせること、明確にすることが大事だという御意見しっかり受け止めて、関係団体、またそういう協議会を持っております。しっかり受け止めて頑張っていきたいと思います。


○青木愛

 問題共有できたと思います。よろしくお願いいたします。


次世代に鉄道を残すための政府の取組について

○青木愛

 次に、JR、現場で働く方からの声を述べさせていただきます。
 二〇二二年は、鉄道開業百五十周年、国鉄分割・民営化から三十五年という節目の年になります。公共交通の基本は、安全と輸送サービスを地域の特性に合わせて低下させないことであります。地域とともに生きるという理念であります。現在においても変わらない、そういう認識であります。さらに、政府として二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言しました。まさに鉄道は環境にも優しい移動手段として時代のニーズにマッチしているものと認識しています。
 しかし、コロナウイルス感染拡大において、国民の移動手段が大きく変化しました。各企業のテレワークの推進や、教育現場もオンライン授業が普及拡大しています。また、旅行そのものも激減し、自家用車での近場への旅行というニーズに変化していることから、JR各社は非常に厳しい経営を迫られています。また、現在はオミクロン株の感染拡大によって、政府は事業継続計画を各企業に要請しましたけれども、現場は休日に出勤し、対応しています。定期昇給カットで賞与も大幅に削減されています。
 そんな中、これはJR東日本ですけれども、コストカットに力を入れざるを得ない状況だということであります。お客様の安全のためのホームドアの設置とともに駅員を削減しています。駅そのものを委託、又は無人駅の増加やワンマン運転、駅構内のごみ箱を削減し、駅にある時計の撤去など、本来あるべき姿と懸け離れてきたように思います。一部自治体からは時計の撤去に関して疑問が出されています。これでは安全と輸送サービスの低下につながると考えます。現場で働く方々が心を痛めていらっしゃいます。
 二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けての鉄道の意義、次世代に鉄道を残すための考え方、政府の取組を教えていただきたいということであります。よろしくお願いいたします。


○斉藤鉄夫 国土交通大臣

 今、青木委員御指摘のとおり、鉄道は、大量高速輸送機関として、またカーボンニュートラルの担い手として大変重要な存在であると認識しておりますが、御指摘のように、一部のローカル鉄道では、沿線人口の減少、少子化に加え、マイカーへの転移、また新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減少等で利用者が大幅に減少するなど、今危機的な状況にあると認識しております。
 このため、まずは鉄道事業者と沿線地域が危機認識を共有し、改めて大量高速輸送機関としての特性を評価した上で、相互に協力、協働しつつ、利用者にとって利便性と持続性がより高い地域公共交通を再構築していくための環境を早急に整えていく必要があります。
 このため、国土交通省では、その具体的方策を検討するための有識者検討会を立ち上げました。二月十四日にその第一回目の会合を行ったところでございまして、その事業者、地域、また我々行政、また民間団体、どうみんなが協力してこの役割を評価していくか、そして支えていくかということを話し合っていきたい、また、その結論が出たらそれはしっかり実行していきたいと、このように思っております。


○青木愛

 鉄道輸送はカーボンニュートラルの観点から優れた移動手段であることを再認識いたします。また、駅は町の重要拠点でもあります。鉄道の意義を改めて認識すべきときだというふうに私も考えます。
 次に、都内のホテルの事情について御質問をさせていただきたいと思います。
 コロナ禍で都内のホテル、大変厳しい状況に置かれています。政府や東京都、いろいろな支援策は講じていると思いますけれども、それでも厳しい状況です。
 先日お伺いした台東区のホテルの責任者でいらっしゃいましたけれども、台東区では六十軒のうち二十軒が既に廃業に追い込まれたということです。このホテルも、一泊一万円弱のシングルの部屋を三千円にしても客が入らない、宴会場も利用がないということであります。飲食店には支援策があるのに、同様の宴会場には全く支援策がないということを訴えておられました。また、借金も返済の時期を迎えているけれども、この二年間で経営は回復していないのであり、やはり延ばしてほしいということであります。いろいろ訴えてはいるけれども、協会を通じてもなかなか声が届かないということでございました。


東京など都市部の宿泊業等支援について

○青木愛

 宿泊業等の観光支援はどちらかというと地方に目が向きがちですけれども、この東京のこの宿泊業、いろんな経費が掛かります、東京。大変な状況を耐えているということを私も改めて認識したわけですけれども、政府としてもこの問題を共有していただきたいと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。


○斉藤鉄夫 国土交通大臣

 先ほど申し上げました交通関係者に限らず、宿泊関係者が今大変厳しい状況に置かれているということは我々も認識しているところでございます。
 このため、まずは業種横断的な、この観光、宿泊に特定しない全業種横断的な措置として、実質無利子無担保融資とか雇用調整助成金とか、これ一生懸命やっている、これは御存じのとおりでございます。
 そういう業種横断的なものに加えて、観光需要に特化したものとして、地域一体となった宿や観光地の再生、高付加価値化、それからデジタル技術を活用した宿泊施設による顧客管理の高度化などの支援を盛り込んだ、観光産業に特化した支援も行っているところでございます。
 今後は、観光需要の喚起策、これは感染状況等をよく見た上で、旅行者また地域の方々双方が安心の上で行うということが大前提でございますが、そういう喚起策も含めて頑張っていきたいと思います。


○青木愛

 今が大変なんですね。コロナ禍が過ぎ去りインバウンドが再開されれば、観光資源の多い東京都でありますので復活はできます。しかし、今持ちこたえられるかどうか、そこであります。是非、この質問を契機といたしまして、この都内のホテルに対する支援策、宴会場も含めてですけれども、議論のスタートとさせていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 時間が参りました。最後の質問になろうかと思います。
 多くの国民は、地方に行きますと、月収二十万ならまだいいと、年収二百万台で何とか暮らしていると、国会の議論は空虚に感じるということであります。年金生活者も、年金の中から健康保険料や介護保険料が天引きされて、手元に僅かしか残らないということです。地方に行きますと、車を運転している間はいいんだけれども、これから車を手放す、なくなったときに、病院や買物をどうすればいいのか、移動手段がない、様々な声を聞いています。
 国民には消費税の増税で負担を重くしながら、大企業には優遇政策が続いています。もちろん大企業には日本経済を牽引していただかなければならないけれども、国民全体が不安定では日本全体の活力にはつながらないというふうに考えます。

 時間でありますので答弁は求めませんけれども、先ほど来ありますけれども、今が大変、もうガソリンの議論も早くしていただかないと、もう冬場も過ぎてしまいました。検査キットも足りない、ワクチンも遅い。本当に、検討ではなくて、今国民が求めているのは即決、即断、即断即決、即実行、これであることを岸田総理に申し述べさせていただきまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。




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