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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

令和4年6月10日 参議院環境委員会

一般質疑


○青木愛

 立憲民主党の青木愛です。
 一般質疑の時間も賜りまして、誠にありがとうございます。
 今日は、これまで陳情いただいておりました三つの案件について質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、産業廃棄物処理場について、これについてはこの環境委員会で何度も取り上げさせていただいている案件でございます。
 千葉県の君津市に、環境省が名水百選に選んだ上総掘りの飲料水が自然に湧き出ているところがございます。ところが、この地下水の水源地に当たる丘陵一帯に広大な産業廃棄物処理場、管理型ですが、君津環境整備センターが建設され、増築をされています。第一期、第二期と処分場が建設されて、この八月に第三期の処分場が工事完了して、また搬入が始まろうというタイミングであります。地元の住民や自治体は反対しています。
 第一期処分場は、二〇〇一年に工事が着工され、二〇〇四年から営業が開始されました。しかし、二〇一二年に保有水の漏えい事故が発生し、周辺の河川や田んぼが汚染されました。十年が経過した現在も搬入停止状態のままであります。漏えい事故の根本的原因が特定されず、また保有水、汚染水が今も処分場上部まで大量に滞水をしているということであります。
 更に驚くべきことは、操業中であった第二期の処分場でも今年の三月、千葉県及び君津市の検査により、廃棄物の新たな適正処理違反が確認されました。第二期処分場においても、現在、廃棄物の搬入を停止している状況であります。
 そこで、以下質問をさせていただきます。
 処分場からこの保有水、汚染水が外部に漏れ出ますと、地下水や周辺を汚染します。そのために、環境省の省令で基準が定められているわけですけれども、その中に二重の遮水シートを施設することが明記されております。しかし、実際、ここの処分場の第一期については、土堰堤といいますけれども、この土堰堤というのはその処分場の底辺部であったり、こののり面を固めている部分ですけれども、その土堰堤の底面部に遮水シートがありませんでしたので、汚染水が漏えいしたというふうに見られております。また、第二期の処分場には、この土堰堤の底面に一重の遮水シートしか設置されていなかったということで、このことは千葉県も、そして業者も認めております。
 このように、第一期処分場の漏えい事故の原因究明がまだ明確にはなっていない中で、一期、二期処分場、いずれもこの基準省令に適合していない、二重の遮水シートがなかったという箇所があり、住民の安全と不安が払拭されておらない中で、この夏の八月から三期処分場の拡張工事が終わり、そこから搬入が始まると、これは是非環境省として止めていただきたいという思いでございます。
 見解をお伺いさせてください。よろしくお願いいたします。


○室石泰弘 環境省環境再生・資源循環局長

 お答え申し上げます。
 まず、技術的な部分でございますけれども、技術省令で遮水シート等の敷設が必要ではないかという御指摘がございました。
 最終処分場に係る技術上の基準を定める省令におきましては、埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための措置として、省令の方をちょっと読み上げますと、埋立地がある、埋立地には、一般廃棄物の投入のための開口部及び保有水等集排水設備の部分を除き、一般廃棄物の保有水及び雨水等の埋立地からの浸出を防止するため、遮水工又はこれと同等以上の遮水の効力を有する遮水工を設けることというふうになっております。
 実際の具体的なその地域地域での適用につきましては、例えばシートということもありますし、透水係数の低いような土、例えば粘土みたいなものですね、こういったものを採用する場合もあります。こういったものについての判断については、具体的には汚染の防止措置についての都道府県等にて適切に判断されていくというふうに考えておるものでございます。
 また、君津の処分場ということでございますと、差止めの訴訟も現在起こっているということを聞いておりますので、そういった訴訟に影響を与えるような部分については発言を控えさせていただきたいというふうに思います。


○青木愛

 発言を控えている場合ではないといいますか、君津市の住民にとっては大変大きな問題でありまして、確かに訴訟も市民団体の方々が自ら立ち上がってくださっています。
 この間も、環境省の方から千葉県の方にも問合せをいただいていると思いますけれども、この厳然たる事実があるわけですから、第一期にはその省令で定められている二重の遮水シートが敷かれていなかった、これ千葉県も業者も認めているんですね。そして、第二期の処分場については一重の、一枚の遮水シートしか敷かれていなかったということなんです。なので、ここからの汚染水の漏えい、まだ原因ははっきりはしていない段階ではありますけれども、恐らくそうではないかというところで、今訴訟がもういよいよ佳境になります。これ、待ったなしなんです。この夏、また三期が稼働してしまうかもしれない、こんな状況で。
 これを環境省として、環境省にも選んでいただいた名水百選でありますから、地域の、また君津の市民の誇りであります。ここに汚染水がまだまだそのままの状態で滞水していると。この中で三期の操業を進めるなんということは考えられないんですけれども、これ、まあ千葉県の判断だとは思いますけれども、私もこの状況をお知らせさせていただいた以上、環境省としても千葉県に何とか働きかけていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。


○室石泰弘 環境省環境再生・資源循環局長

 お答え申し上げます。
 産業廃棄物処理施設の設置につきましては、地域の実情に即した処分場の立地点の選定や管理が必要であると。そうしたことから、平成七年から平成十二年頃にかけまして地方分権の議論が行われた際に、法定受託事務という整理で、平成十二年頃にそうした整理が行われたという、そういった流れがございまして、産業廃棄物処理施設のその御指摘の三期の設置の許可につきましては、その法定受託事務の趣旨からいたしますと、当該許可に当たって当該施設が法令で定められた基準に適合しているかどうかの判断については、地域の実情に即して千葉県知事が適切に判断されるべきものというふうに考えております。


○青木愛

 この省令に、二重シート、管理型、まあ一般、この処分場に二重シートは敷かなければならない、そういうふうに明記されていると考えてよろしいんでしょうか。


○室石泰弘 環境省環境再生・資源循環局長

 最初に御答弁いたしましたように、地域の実情に即していろんな遮水のやり方があると。遮水工を設けるという基準ございますけれども、その際に、シートを使うのか粘土を使うのかですね、そういったいろいろな考え方、あるいは周りの状態ですね、谷地なのか平地なのかとか、いろんな状態に即して遮水工の具体のやり方というのは変わってくるというふうに考えております。


○青木愛

 地域の実情で変わってくるということなんですけれども、そうしましたら、この今第一期、第二期処分場で適正違反があり、そして実際に汚染水が漏えいしている、この事態はどのように受け止められますか、環境省として。


○室石泰弘 環境省環境再生・資源循環局長

 第一期については、委員からの御指摘のとおり、現実に現在でも一期の処分場への搬入は停止している状態であると。まあ事故と呼んでいいのかはあれですけれども、そういう事態が起こったときに千葉県の方で判断された状態が今も継続していると、そういったものと承知しております。


○青木愛

 そうした中でこの三期の処分場を進めるということについてはどのようにお考えになられますか。


○室石泰弘 環境省環境再生・資源循環局長

 三期の処分場は三期の処分場の許可として、三期の処分場の施設設計図、それからミニアセス、そういったものをきちっと経た上で当該県知事の方で許可をされているというふうに認識しております。


○青木愛

 この適正処理違反ですよね、この維持管理違反、これが行われた、行われた業者に対してこの第三期の処分場を認める可能性もあるということを言及されていらっしゃるんでしょうか。


○室石泰弘 環境省環境再生・資源循環局長

 廃棄物処理施設の設置許可につきましては、基本的には技術的な基準その他の基準等を満たせば許可をすべきものというふうに考えております。


○青木愛

 そうしたら、この環境省の省令の意味がないんじゃないんですかね。この今の環境省の省令ですよね、技術上の基準が定められているわけですけれども、これでは汚染水は漏えいしてしまうということですよね。むしろ省令の方がおかしいんじゃないですか、そうしたら。


○室石泰弘 環境省環境再生・資源循環局長

 省令は、政令も含めまして、法律の条文である施設設置許可の部分の技術上の基準として補っているというものでございまして、その法体系ですね、法律と政令、省令を一体的に、この場合は、施設の設置許可権限を有している千葉県知事が地域の実情を勘案して判断をしているものというふうに考えております。


○青木愛

 許認可は千葉県ということでありますので、しかしながら、このような水源地、この大規模な処分場で、地域住民のまた生活、またその周辺の田んぼだとかいろんなところに影響を与えているわけでありまして、これはもう先人が築いてくださった上総掘りという長年の時間を掛けてつくってもらった清水でありますんで、ここは、環境省しかこうした問題は扱っていただけないと、環境省こその、私は環境省が先頭に立って解決していただかなければならない、そういう重要な問題だと思っております。
 今後とも、時間がない中ですけれども、また質問主意書の方も出させていただきますし、あらゆる方法でこの間御相談申し上げますので、どうぞ、御理解はいただいていると思いますので、よろしくお願いをいたします。
 じゃ、山口大臣にも、一応、設定させていただいたのでお伺いさせていただきますけれども、こういう産業廃棄物処理場というのは、現状においてはどこかでは必ず今は必要な状況だとは認識はしておるものの、このような、わざわざ水源地に処分場を、また、このような管理違反がある中で増設するべきではないというふうに思うんですけれども、こういう処分場を設置するに当たっての規制という部分で何かお考えがあれば是非お聞かせをいただきたいと思います。


○山口環境大臣

 一般論として、廃棄物処理法では、廃棄物処理施設の設置に当たって、施設の設置による地下水などへの生活環境影響について施設の設置申請者に調査させることを義務付けております。周辺地域の生活環境の保全について適切な配慮を行うことになっています。都道府県においては、廃棄物処理法に基づく基準に適合し、生活環境保全上の支障が生じないことを確認した上で施設の設置許可がなされています。
 我々としては、この施設設置許可の審査を行う都道府県等と必要に応じて連携しながら、廃棄物処理施設の設置による生活環境の保全上の支障が生じることのないよう、制度の適切な運用に努めてまいると。
 で、この水源の保全ということについて、一般論として、まず一般論としてやっぱりそれは重要です。だから、都道府県等の審査に当たっては、この環境保全上の支障を防止する観点から十分な検討を行っていただきたいと、それが望ましいというふうに考えています。


○青木愛

 後押しをいただいたと思います。ありがとうございます。
 それでは、全く、ちょっと全然違う話題になりますけれども、これもまた陳情、一件御紹介をさせていただきたいと思います。
 二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けまして、各自治体や様々な民間業者が精力的に努力を重ねていただいています。
 北海道釧路市の事例を御紹介させていただきたいと思います。水性塗料なんですが、これまで一斗缶で販売してきましたけれども、ある業者の方が、製造時のCO2削減、またリサイクル対応の観点から、段ボールと内側にプラスチック袋を組み合わせた容器、商品名オミリーパックといいますけれども、開発されました。
 一斗缶と比較した段ボール容器の長所をまず列記いたしますと、製造時のCO2排出量、これが二割以上少ないことが証明されています。また、段ボールですから軽量であるため、軽くて大量に運送できるということで、運送時のCO2の削減にもつながるということです。使用済容器の回収率が高いことも挙げられます。段ボールケースは循環資源古紙として再利用され、しかも、釧路市では、ボランティアが回収活動をしており、回収による収入をPTA連合会に寄附したり、市内の小中学校の同好会や部活動に役立てているとのことです。また、保温性が優れており、凍結の開始温度が、一斗缶がマイナス一度に対し段ボール容器はマイナス三度ということです。凍りにくいということです。固まりにくいということです。洗浄も段ボール容器は不要です。内側の袋は高品位の固形燃料として石炭やコークスなどの化石燃料の代替として現在は多くの産業で利用されているということです。
 この商品は、環境省のグリーン購入法の認定を受けて、国土交通省の新技術情報提供システムに登録をされています。北海道では、リサイクル製品認定制度に認定され、商品の普及を後押ししているとのことです。
 このように、全国には都道府県が認定した脱炭素、リサイクルの商品が数多くあるかと思います。こうした民間企業、また自治体のこの発案、こうしたことを全国展開していったらどうかなと考えるわけですけれども、この点について環境省の御見解をお伺いさせてください。


○室石泰弘 環境省環境再生・資源循環局長

 脱炭素やリサイクルの観点で優れた事例につきましては積極的に情報発信をしていくことが大変重要でございます。例えば、プラスチックや資源循環に係る取組についてはプラスチック・スマートの枠組みを活用した横展開を行っております。また、グリーン購入法により、国等による環境負荷低減に資する製品、サービスの調達を推進するとともに、こうした物品等に関する適切な情報提供を行うことにより需要転換を図っております。
 加えて、プラスチック資源循環法に基づく環境配慮設計指針においては、製造事業者等に対して指針に即した製品設計を求めるとともに、指針に適合する特に優れた製品については国が認定を行い、グリーン購入法における配慮などを行うというふうにしております。
 こうした取組を通じて普及に努めておるところでございます。


○青木愛

 御答弁ありがとうございます。
 こうした民間企業の脱炭素に向けたこういう創意工夫を是非生かす観点が必要ではないかと、その思いで質問させていただきました。
 時間となりましたので、終了いたします。ありがとうございました。

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